2018年9月11~13日 また、知床連山縦走ガイドツアー

2018年8月28~30日、ふたたび知床連山縦走ガイドツアーを知床山考舎の伊藤ガイドと共にご案内させていただきました。

三峰より羅臼岳
三峰より羅臼岳

今回は3日間全てがド快晴で、秋晴れの気持ちのいい知床連山縦走となりました。

稜上からは終始国後島が見えていて、なんと今回は色丹島も遠望できました。僕は父親が択捉島で生まれた元島民2世なので、感慨深く眺めていました。

今回は天気が良かったのもさることながら、縦走中は皆さんとお話をさせていただいて、とても楽しかったです。O師匠、いろんなギャグを教えていただいてありがとうございました。

また北海道へあそびにいらっしゃってくださいね!

2018年8月28~30日 知床連山縦走ガイドツアー

2018年8月28~30日、知床連山縦走ガイドツアーを知床山考舎の伊藤ガイドと共にご案内させていただきました。

知床縦走路から羅臼岳方面
知床縦走路から羅臼岳方面

知床連山縦走ルートはまさに北海道が誇る世界遺産の極上トレイル。今回の2泊3日の行程では最終日は雨に降られたものの、ふたを開けてみれば概ね上々と言え、お客様にも大変気に入っていただけたようです。

知床硫黄山頂上へ
知床硫黄山頂上へ

上部ではミヤマアキノキリンソウやメアカンフスマ、エゾオヤマリンドウ、エゾノミヤマアザミ、チシマアザミ、知円別岳付近ではコマクサなどが咲いていました。

下山後のカムイワッカ林道より登山口ゲートの方の法面に目を向けると…居ました、二頭のヒグマが!

カムイワッカ林道のヒグマ
カムイワッカ林道のヒグマ

皆様今回はお疲れ様でした。ご一緒させていただきまして楽しかったです。また北海道へ遊びに来てくださいね!

2018年8月8日 雌阿寒岳登山ガイドツアー

雌阿寒岳頂上にて
雌阿寒岳頂上にて

今日は本州からお越しの皆様を、雌阿寒岳登山ガイドツアーへご案内。天気予報は曇りのち雨という感じでしたが、いい方に転んでくれたようです。

雌阿寒岳八合目付近
雌阿寒岳八合目付近

北海道の山はそろそろ秋の気配が漂ってきましたね。羊雲が浮かんだ空のもと、涼やかな風が頬をなでていきます。

雌阿寒岳より大雪、トムラウシ方面
雌阿寒岳より大雪、トムラウシ方面

だいぶ靄がとれてきて遠望もきくようになってきました。東大雪や表大雪、トムラウシ方面や、斜里・知床連山もハッキリ。お盆も過ぎれば秋もすぐですねぇ…。ま~早いものです

新版「北海道の山と谷2(日高・道東)」

みなさん買いましたか?新版「北海道の山と谷2(日高・道東)」。もうでてますよ!面白いですよ!今回も全編カラーで、日高と道東の沢やら雪稜やら色んなルートが盛りだくさん掲載されております。

思えば山谷にはお世話になったものです。色々な掲載記事に思いを馳せ、いつかはあの沢あのルートに、今年こそはずっと憧れていたあそこに挑戦してみよう。など北海道の山屋のロマンが一杯詰まった素晴らしい本です。

新版北海道の山と谷2
新版北海道の山と谷2

今回のはドローンを持って行って撮影してみたり、周りの仲間もちょこちょことカメオ出演的に写真に写っていたりしますので見てみてください。いやーこうして現物を手に取ってみると感無量ですねぇ。

写真提供に協力していただいた皆様、また拙い記事や写真キャプションを編集していただいたトノや山谷作成委員会には本当に感謝です。

そんなわけで皆さん新版「北海道の山と谷2(日高・道東)」書店、アマゾン等で絶賛発売中ですので、買ってちょんまげ!!!☆

2018年4月23~24日 芦別岳・本谷&Ⅰ稜

N君の結婚式を終えて、天気の良いうららかな春の日に芦別岳を訪れてみました。北海道の春の味覚といえばやはり行者ニンニク!行者ニンニクと言えば芦別岳!なんでここはこうもネギが多いんでしょう?ビールでも飲みながらO氏とネギだくジンギスカンと洒落こもうと思いきや…もうちょいで飯をくいっぱぐれるかもしれなかった面白おかしな山行でした。今回初めて登ったⅠ稜はやや藪っぽいリッジでしたが、芦別岳や十勝連峰の展望が素晴らしいルートでした。今回は新しいGoproで撮影してみました。

芦別岳のアイヌネギ
芦別岳のアイヌネギ

23日晴れ
8:30 旧道登山口~10:20 ネギ採り~11:00 ユーフレ小屋~11:40 本谷ゴルジュ~15:00 芦別岳ピーク~16:15 ユーフレ小屋泊

暖かい天気のいい日。旧道のアップダウンは大汗をかいてしまう。のんびりと進んで、途中の河原でネギを採集。ほんの数分で軽めに二袋分。ユーフレ小屋に泊装備を置いて本谷を登る。やっぱり今年は雪が少ない、が、やっぱり本谷の中はそこかしこデブリの山。ゴルジュの雪は低くなってクラックが入って気持ち悪いが、まだ大丈夫なようだ。でかいキノコ雪も結構気になる。
1時間半ほど登ってⅠ稜の取り付き付近を偵察。ニペソツ東壁とは打って変わってわかりやすいスカイライン。適当に側壁からリッジに上がって、そのままひたすら藪っぽいリッジを登高すればピークへ導かれると見た。運動がてらピークまで上がって一時間ちょいで小屋まで下った。
さて、今山行の核心はここからであった。なんと二人ともライターを忘れて飯が食えないんである。しかしO氏が床板の下から腐ったさびさびライター(当然点かない)を見つけてきて、そのライターを分解して圧電装置をガスに近づけてなんとか着火したという事件があった。

24日晴れ
6:00 ユーフレ小屋発~8:45 Ⅰ稜取り付き~9:30 2P目~10:00 3P目~10:30 4P目~10:40 5P目~11:10 6P目~11:30 7P目~12:15 8P目~12:30芦別岳ピーク~14:30ユーフレ小屋~16:30旧道登山口

小屋のネズミの運動会もなんのその、ぐっすり眠って今日も元気に本谷に入る。
さすがO氏は昨日の疲れも全く見せず、さっさとⅠ稜までたどり着いてしまった。稜を頂上側に回り込んだ藪ミックスの雪壁からロープを付けてリッジに乗りあがることにする。2Pまるまる伸ばしてリッジにたどりついたはいいが、気温が高く汗をかきまくる。さらに緩い藪リッジに40mほどロープを伸ばすと広めのルンゼが出てきた。このルンゼをかすめるようにしてリッジを巻き上がると、両面の展望が開ける。さらに進むと今度は一段下がったコルの先に短い凹角がでてきた。これはビレイ点から見ると立っていて難しそうに見える。が、近寄ってみると寝ていて大したことはない。
ここから1P繋ぐとピークにたどり着いた。
全く風もなく気持ちのいいピーク。十勝連峰が雲間に見え隠れしている。
デナリではこんなにのんびりと春の日差しや風を楽しめないだろうな。生きて帰ってきたらどこの山へ行こう。いやいや帰ったら即知床のガイドだな~などと考えながらのんびり下ってユーフレ小屋で泊装備を片づけて16:30には旧道登山口におりましたとさ。

2018年3月26~28日 ニペソツ山・東壁中央稜

東大雪のニペソツ山。幻の百名山とも言われ名高いこの山ですが、ひっそりと深山に聳え立つ鋭鋒ははっきり言って山ヤの羨望の的。なんせカッコイイ!最近は東壁もバックカントリースキーヤーにも人気があるようですね。

実はいつも一緒に行く東藻琴の仲間達が数年前、夏季の東壁を登攀をしていて(残念ながら僕は仕事の都合でその山行には参加できなかったのですが)自分も行ってみたいなと思っていたのでした。しかし、林道長い!雪崩怖い!どうしよっかな~…みたいな。

今回は「北海道の山と谷」の取材も兼ねて、いつも一緒に行く好日山荘のOさんと北稜クラブの若き不動産王であるWさんをそそのかして行ってきました。ま~難しかったですよここは。

以下は山行記録です。ドキュメンタリータッチでお楽しみ下さい。Goproビデオもあるよ!

 

 

 

3月26日 晴れ
8:30~幌加林道Co617付近駐車地点発 12:00~林道の橋から幌加川へ 15:30~Co1340付近C1

道東の人間としてはニペソツ山の東壁は登ってみたくなりますわな。記録が少なく下調べも十分でない中ではあったが思い切っていってみることにした。懸念材料はアプローチやデルタルンゼの下降の際の雪崩、もしくは雪庇の崩落などであるが、このところの降雪状況や天候からして3月末というのはけっして悪くない日和であると考えた。むしろ気温の上昇を考えたら4月に入るよりいいはず。ルートについては壁に近寄れば何か見出せるだろうと考えた。この点についてはなかなか難しいものがあったが。

幌加ダムの先Co617付近に車をとめ、スノーシューで林道をひたすら歩く。気温が高くものの数十分でヤッケもオーバーズボンも脱ぎ捨てた。3時間半歩いて林道の橋から幌加川沿いを遡るルートへ。川沿いは適度にスノーブリッジがあって苦労もなく進めた。ただし、Co950付近の三つ股で真ん中の沢を抜けようとしたところ、ゴルジュ状で中の突破がめんどくさいので結局少し戻って右の沢を進み、地形が開けたところで真ん中の沢にトラバースすることにした。
さらに進み小雪崩の心配のないCo1340付近のダケカンバの疎林の中へテンバる。東壁がすぐ間近に望める。雪はかなり少ない。

 

27日 晴れ
6:00~テンバ発 7:00~Co1480付近スノーシューデポ 8:00~中央稜末端 9:00~1P目 10:00~2P目 12:30~3P目(核心ピッチ) 15:00~4P目 16:00~5P目~ニペソツ山頂上 16:40~デルタルンゼ下降 18:00~テンバ着C2

テンバからハーネスをつけアタック装備で出発。ほどなく疎林が切れ、最後のダケカンバを目印にスノーシューをデポしアイゼンに履き替える。Co1450から上はほぼ全域雪崩の警戒地帯で、スノーシューを欲張って上に上げ過ぎれば雪崩で流される危険があるだろう。

双眼鏡で東壁を観察してみると、なるほどリッジ状が下から続き中央にロックバンドがあって立った凹状にきわどく雪が乗っているのが見える。その上に雪田があってそれを脇からやり過ごせばおそらく頂上までは平穏に雪壁が続いている。まずこのルートが目に入ってきた。核心は間違いなくこの凹状で、ぶったちの上に不安定に雪が乗っており、まともなピンが取れるかどうか…。その上の雪田も規模は大きくないが明らかに雪崩の流路となろう。

また僕が気になったのは「中央稜」というわりにはルートがそんなに稜上ではないように見えることで、一見する限りルート核心らしい凹状岸壁風は真逆の性格のものである。その上の雪田から上もあまり顕著な稜状には見えないので、なんだかよーわからん。それで中央稜の名を冠するのか?もしかするとこのラインではないのだろうか。すぐ横のドライなリッジが実際には登れる傾斜であるとか?初見のルートだけに疑心暗鬼にあらゆる可能性を考えてみる。様々な疑念が頭をよぎる中、じりじりと気温が上昇し側壁からの小雪崩が頻発してきた。僕は正直これは登れないなと思った。どっちにしてもだいぶんムズイ。しかしW君はさすがカムイ岩やドラゴンフォールなどで名を上げている男だけあって「登れない気がしない」と豪語するではないか。これには驚いた。

ともあれ中央稜下部末端から取り付きまで行ってみることにする。ロックバンドまではひたすら腐れかけた雪の登高。大汗をかきながらラッセルで進み、念のため取り付き手前からロープを出す。取り付き(稜上中間部)からロックバンドまでは岩とミヤマハンノキのミックス稜。O氏が右巻き気味にロープを伸ばし核心部手前でピッチを切る。支点にたどり着いてみると、そこにはRCCボルトが2本あり捨て縄がかけられていた。とりあえずルートは間違っていないようだ。ここから観察してみると核心部は凹状をそのまま直上するのではなく、左上しながら凹状をかすめ稜に乗りあがる形になっている。というわけで遠目ではよくわからないがやっぱりルートは稜上に続いているのであった。壁は近づいてみないとわからないもんである。

とはいえやはりこの核心の難易度は相当なもので、カンテを乗り越えて凹状に入りぶったったハングの除雪を済ませてバーチカル灌木稜に繋げなければならない。ここはW君に任せることにする。きわどいバランスでピンを取りながらカンテを乗り越し凹状に入っていくと残置ハーケンを見つけたようだ。さすがのW君もこの凹状の除雪はかなり消耗したようで、すかさずハーケンにテンションを掛け残置支点によるA1を交えて非常にきわどいバランスで少しずつ登っていく。遠くウペペサンケをバックにしばらく空中戦が続いたがW君は危なげもなく登り切った。
時間もそろそろ押し迫ってきているので僕らはゴボウでさっさと登ってしまうことにする。ニペソツらしいことに凹状の中には僕らの苦闘を見守っているかのようにオニク(ミヤマハンノキの寄生植物)が生えていた。

そこから何もない雪壁を2P繋げ頂上看板でビレイ。すっかり太陽も傾きかけた頃にデルタルンゼの下降。気温も下がってきたのでむしろこっちには好都合である。足を踏み入れてみると雪崩の不安もほとんど無い。ただ、枝ルンゼの上にある雪庇は結構大きかった。すっかり夕暮れのころテンバ着。心地よい疲労感の中チームの勝利を称えながら夕食~就寝。

 

28日 晴れ
7:00~テンバ発 9:00~幌加川から林道の橋へ 12:00~幌加林道Co617付近駐車地点着
 
ひたすらにスノーシューで沢と林道を下っていく。大汗をかきながら昼にはヨレヨレで駐車地点にたどり着いた。

ニペソツ山東壁はルートが見分けにくいこと、雪崩や気象条件、核心部の厳しさなどどれをとっても総合的にかなり難しいと感じた。5級A1くらいでしょうか。
今回は強力なメンバーに恵まれ登れました。感謝!

2017年9月6日~9日 カムイエクウチカウシ沢左股直登沢

秋のお楽しみ山行及びトレーニングとして、日高一の険谷と名高いカムエク沢へ行ってきました。滝ばっかしでハラハラドキドキでしたわ!ちなみに核心部の大詰めで雷雨による増水のため北西稜にエスケープしていますが、なんとか生還してきました。以下は山行記録です。Goproビデオもあるよ!

9 月 6 日 晴れ
8:20札内ヒュッテゲート~10:00七ノ沢出合~11:30八ノ沢出合~13:30co999C1
 
まずはアプローチの初日。Oさんが高速の通行止めで30分遅れ、7:30中札内道の駅で集合。今回は日高一の険谷と謳われるカムエク沢に挑戦するということでさすがに緊張を感じた。静内中札内線に入り札内ヒュッテゲートからは準備しておいた自転車を漕いで進む。しかし道がダートになってすぐに雪崩防護柵の敷設工事のユンボが道を塞いでおり作業員がこの先は陥没していて自転車では通れないという。仕方なく自転車をデポして歩くことに。(作業車がいなければ自転車はほとんど七ノ沢まで入れる) 七ノ沢は渇水の様相。八ノ沢へと歩を進めるうち、時間の遅れと天候など勘案して十の沢からのシュンベツ本流下降のルートはやめて八ノ沢から西尾根を下るルートに変更する。八ノ沢へ入り、時間は早いが焚き火のし易いco999の三股で泊とする。
 
7 日 晴れ時々曇り
5:00 c1発~6:00八ノ沢カール~7:20カムエクピーク~西尾根下降~10:30co1381~11:10~co1100付近を北に下降~12:10カムエク沢co830~13:00co930 二股まで偵察~13:20co900C2
 
二日目の天候は上々。co999から八ノ沢を遡行してカムエクピークへ。視界があったので西尾根の下降はスムーズ。上部のヤブはハイマツとタカネナナカマドのミックスで大したことはない。ただしナイフリッジや支尾根のジャンクションピークがあり視界不良時は面倒な行軍となるだろう。co1600くらいからダケカンバや笹が出てきて鹿道もちらほらと出て来る。熊の糞や形跡も非常に多い。co1381はテンバによさそうな平坦地の鹿の集会場。co1100まで下って北に折れ、ルンゼを沢床まで下降。昼過ぎにはカムエク沢に降り立った。時間も早いので少し進んでみることに。co900も超えるとすぐに険谷の雰囲気が出て来る。co930二股の滝はロープが必要そうだったので co900まで戻ってC2とする。焚き火にあたりつつ、Oさんのマーボー豆腐を食ってカムエク沢の水割りに酔いしれていると人生の至福を感じた。
 
8 日 晴れ~曇り~雷雨~晴れ~雨~晴れ
4:50C2発~5:00co930二股~7:25co1030二股~8:50co1070cs滝~11:00co1189二股~高巻き~14:00co1260二股へ懸垂~14:20co1270滝~高巻き途中より北西稜へエスケープ~16:20北西稜 co1520付近bv 
 
決戦の日。天気も良く水温もさほど冷たくない中、カムエク沢を突き進む。なるほど噂に違わぬ連瀑。ずーっと滝。屈曲点は全部滝でその間も滝。今回は10mほどの長めのお助けロープを持ってきたのでこれをよく活用した。釜滝やら函滝など一体いくつ出てきただろうか。CSの滝も3つほど。泳ぎが2回とシャワークライムも3回ほど。co1150 から右への屈曲以降は例年の雪渓地帯と思われるが雪渓は無くなっていて、ただ木っ端と泥の堆積が函地形に降り積もっていた。二段の直瀑を右岸バンドから巻き進んでみると出てきました。この沢の核心と言われるco1189の大滝。二段になっていて70mはあろうか。近寄ってみると下部は脆そうで上はツルツル。我々は一番簡単そうな右と左の間にある中央リッジに登路を取ってみることにした。Oさんが空身で1ピッチリード。その上は草付きをフリーで登り、上部樹林帯まで上がって更に上にある登れそうもない3つの滝をまとめて巻いた。この高巻き途中から見えた景色はなかなか忘れがたいもので、相当の高みから更に信じられないほど上部にまで大きな滝が望めた。眼下co1220付近には広いガレの堆積があってテンバになりそう。co1260の二股の枝沢まで巻き下って最後は滝の中間までの懸垂で沢床へ降り立った。このころから雷鳴が鳴り響き急速に天気は悪化。この地点から左股に入るため、ロープを付けて隣の左股の滝へと草付き斜面をトラバース。左股の滝本体も登れないので結局更に垂直の灌木斜面を巻き上がる。これはYさんがザックを背負ったまま登ったが今山行一番悪いピッチであった。Oさんと二人でおっちゃんの泥臭いクライミングを見届けながら、僕の心のなかでは柳ジョージとレイニーウッドの「雨に泣いている」が流れていた。沢は豪雨のため短時間で増水してしまい濁りはじめていた。四方が岩盤地帯ゆえ増水がやたら早いんである。にわか雨であることはわかっていたが時間も押しているのでもはや遡行困難であることは必至。協議の結果、巻き上がった地点からそのまま北西稜を登ってエスケープすることにする。Oさんは沢から離れるのが口惜しそう。もし今回シュンベツ川下降のルートを取っていたり、co1189の大滝の処理で水流脇を直登していたら増水で面倒なことになっていたかもしれない。その後も降ったりやんだりしながら急傾斜のヤブの中を少しでも平坦なところを探しながら co1520くらいまで登りビバーク。水をくんできていないのが辛かったが、条件の悪い寝床ながら疲労が激しくて皆それなりに眠った。夜半風が強くゴ~ゴ~と不穏な唸りを上げていた。
 
9 日 晴れ
5:20co1520付近発~6:00北西稜co1600 付近よりカムエク沢左股直登沢co1540付近へ再下降~8:30カムエクピーク~10:00八ノ沢カール~12:45八ノ沢出合~13:45七ノ沢出合~15:30札内ヒュッテゲート
 
朝起きると風が強い。冷たい沢ウェアを着るのは気が進まない。というかこうも風が強くては身体がもたん…と思いながら上半身だけ乾いた服で出発。強風でヤブに朝露がついていないのがありがたい。co1600 まで登ると当然のようにハイマツが出てきた。ちょうど視界が広まり左に沢筋が見えてきたのでトラバースして再度直登沢に戻ることにする。沢の水でラーメンを作って遅い朝食を摂る。8:30 にカムエクピークへ到着。すっかり紅葉が進んでいて、秋の素晴らしい景色の中ガッチリとOっつとYさんと握手を交わした。いや~凄い沢でしたわ。やっぱり日高の沢はいいっすな!
 

2017年7月23日~25日 知床連山(羅臼岳~硫黄山)縦走

笑顔のとっても素敵なK様と、7月23日~25日にかけて知床連山・羅臼岳から硫黄山の縦走をしてきました。K様は鹿児島からお越しの方で、北根室ランチウェイを踏破、その後勢い余って知床連山へと足を伸ばしてきた強者…。

岩尾別温泉から羅臼岳を経て二ツ池でテント泊、二日目は硫黄山へ登ってカムイワッカ登山口へ下山。微妙な天気予報とは裏腹に終始雨に降られることもなく、存分に地の果ての極上トレイルを楽しんでいただけました。やっとついた硫黄山ではコマクサや一輪だけ咲き残ったシレトコスミレがお母さんをお出迎え。

最終日は予備日の消化として羅臼湖でのトレッキング&羅臼で海鮮丼を賞味していただきました。いやーえがったですねお母さん。山のことや九州のことなど、色々なお話をしていただけて楽しかったです。また北海道に遊びに来てくださいね!

2017年6月21日 川湯硫黄山のイソツツジ

北海道観光シーズンイン直前のまだ少し静かな阿寒国立公園ですが、実は色々と隠れた魅力を持っておりまして。いえいえむしろ最盛期を迎える前だからこそ通にはたまらない季節といって良いかもしれません。

例えば「ましゅうプラン」では、美幌峠のハクサンチドリやヨツバシオガマ、チシマフウロなど、川湯硫黄山ではイソツツジの大群落がお出迎え。ご覧の通り、この季節の硫黄山のイソツツジはそれは見事というほかありません。爽やかなお花の香りがそっと風に漂っております。

お花が大好きなKご夫妻へこの時期限定のサプライズプレゼント!こんなに気軽に高山植物が見られるとはと驚きのご様子。

お父さん、お母さん今日は楽しゅうございましたね。ゆっくり宿で休んで下さいね。また北海道へ遊びに来てください!

2017年4月4日~6日 利尻山・長浜ダイレクト

いまさらですが、やっとビデオも編集できたので4月のお楽しみ山行として利尻の長浜ダイレクトへ行った時の記事を投稿いたします。パートナーはいつもお世話になっている好日山荘ファクトリー店店長の小山田さん。

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ペシ岬から利尻山

04/03 晴れ
まずは、稚内まで前日移動。腹が減っては戦は出来ぬので、駅横の「デノース」にて名物の米軍バーガーを食べましたが、これがサクサクしていてかなり美味!スラッピージョーなるチーズがかかったやつもかなり美味そう。で、フェリーに乗って鴛泊へ。旅館雪国にて泊。朝夕 2 食付きで 7000 円と良心的価格でご主人もとても親切な気持ちのいい宿でした。

04/04 曇り・霧のち晴れ 8:30 長浜栞橋~14:00Co1270 テン場
旅館前からバスに乗って長浜栞橋へ。身支度を整え、ここから大空沢をワカンでしばらく登高。少しガスっぽいが天気はまずまず。手袋がいらないほど気温が高かった。それなりに軽量化してきたつもりながら、やっぱり初日の全装ザックは重かった~。スキーヤーのものと思われるスノーモービルの跡がずっと続いておりました。Co500 付近から北側に進路を向けて長浜尾根上に上がる。ざらめ雪のラッセルはせいぜいくるぶしほど。たまにヤブの横を踏み抜く。昼に近づくに連れ視界が開けてきてピークはもちろん仙法師第二稜や P1、P2、バットレス、西壁や青壁が望めた。快晴無風のなか Co1270 まで進んで、稜上を少し掘り下げてテントを貼る。ここまでは全部ワカン。正面には三面山が見える。

04/05 晴れ時々ガス・爆風 5:00 テン場~6:00 三眺山~8:00 長浜ダイレクト
取り付き~12:00 本峰ピーク~16:30Co360 樹林帯テン場
朝起きると、暖かく、風もなく良い天気。しかしテン場からアイゼンを履いて小一時間も歩いているとガスに巻かれていや~んな感じ。ジリジリと三面山を登ると、ピーク直後にクライムダウンの箇所が二箇所でてきた。最初は 3m 程度の小さい下りだが、後のは少し北側に一旦巻き下る形になっていおりガスでルートが確認できないので一応ロープをつけて探りながら下った。細尾根をやりすごしながらガスの中 2 時間程登高し、長浜ダイレクトの取り付きまで来た。ガスの切れ間から岩壁の全容が見える。おおまかには下部の壁があってバンド上に岩塔がドンと乗っている感じ。弱点とみられる凹角が左と右にあり、左は草付きが少し見えていて、右は日当たりの良い部分にツルッとしたスラブ状の岩が出ている。バンドの上の岩塔には雪にパッキングされた短く浅い立ったチムニーがあり上部まで続いている。我々は一番無難そうに見える左の凹角に取り付いた。


1p 目:小山田。凹角を登るとバンドを挟んでもう一段乗り越しがあり、草付きにイボでピン取って 40m ほど登る。

2p 目:西田。チムニー横の雪壁を除雪クライムして上部へ。除雪した壁のリスに古い残置ハーケンがあった。上部は厚さ 1m ほども除雪をして、なんとか上部にマントルを返す。傾斜が落ちた雪稜上にでてアックスビレー。全身がずぶ濡れに。このあたりで風が吹き始める。50m

3p 目:小山田。細い雪稜を進むとピナクル状になっていて、右側を歩空中トラバース。イボで 1 ピンとって雪壁を直上。ビレイしていると強風でオーバーパンツにエビの尻尾が出来ていた。フォロー途中では雪が崩壊してテンション状態でなんとか上がった。40m

4p 目:西田。雪稜をそのまま進んで本峰直下へ。20m

ピークに着くと祠は出ていたが雪でパッキングされていて、最初は祠だと気づかなかった。写真を撮りそそくさと北稜を下降しようと進む。半ば僕らはもうお疲れさん気分であったが、ここからが本当の核心の始まりだった。視界も悪いのもさることながら、下るに連れて風がハンパではなく強くなってきたんである。1400m くらいまで下ると、もはや立って歩くのも不可能で、バイルを突き立て飛ばされぬようにしながらも風の吹く方向なりになんとか這いつくばって僅かずつ移動するような状態。うつ伏せになって飛ばされないように耐えようにもザックに横風が当たって体が転がされてしまう。まるで冬富士。暖気でゴーグルは曇って使い物にならず、アイゼンは雪が付いて滑りまくる。よろめいて地を這いながらわずかづつ下るも、もはやこれ以上風を強く受ける稜上を進むことは無理と判断。ともかくなんとか立って進める長官山脇の雪田をトラバースし、風の弱い北稜の東の沢型を下って樹林帯に逃げ込んだ。長官山から視界が開け沢型を確認出来たのはまだしも幸いで、ほうほうの体でCo360 付近まで下りテントを張った。テン場で気づいてみると、ストックの片方と、エイリアンの黄色がなくなってしまっていた。強風に翻弄される間になくなってしまったらしい。翌日は樹林帯を姫沼の道路まで突切り、8:55のフェリーで稚内へと戻りました。

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北稜東の沢型へエスケープ

やっぱり利尻は一筋縄ではいかない!一度自然が荒れれば人間の力なんて小さなものですねぇ。でも厳しい自然から学ぶかけがえのないもの・尊さは素晴らしいですね。今回一緒に行ってくれた小山田っつと、利尻の自然よありがとう!また行きます!そんなこんなでGoproビデオでなんも見えない五里霧中のリッジ登高と風の轟音をお楽しみに下さい。