2023/07/04~06 ペテガリ岳業務登山ガイド

みなさまこんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。先日、環境省の調査のお仕事でペテガリ岳へ行ってまいりました。期間中は幸いなことに晴れ時々曇りというお天気で、結果から申しますと守備よく調査を終えることができました。ペテガリ岳の登山口までは元浦河林道より神威山荘へ車で入り、そこからニシュオマナイの支尾根を沢装備で乗り越して、ペテガリ山荘へアプローチする必要がありますが、なんとあいにくちょうど日程が林道工事とぶつかってしまい元浦川林道は通行止め…。しかし、思い出しました。ペテガリには高見ダム経由でペテガリ山荘まで入れる静内中札内線というとんでもない道が通じていることを。

ペテガリ岳・登山道
ペテガリ岳・登山道

静内中札内線は、その名の通り日高山脈を横断し静内と中札内を繋ぐ道として建設が始まりましたが、険峻な地形や自然の脅威により難工事に次ぐ難工事となり、計画は頓挫。今はひっそりとダムの管理道として森の中にその姿を潜めています。結局我々は公的業務用途としてこの路線の通行許可を取得し、ペテガリ山荘に向かったのでした。里から山荘まで所要時間ゆうに3時間。立派な道ですがなんと深山のなかにあることか。 カムエクとコイカクの土手っ腹に穴を開け、これを中札内まで繋ぐとはなかなか無謀でですなぁ。コイボクや七の沢が道路になるって話ですからね。そして上部に行くほどにヤブヤブになっていく長大なペテガリの西尾根を登りながら思いました。やっぱり日高は本当に深い。深くて険しく、美しい。

S様この度はありがとうございました。色々なお話を伺えて楽しかったです。また調査行きましょう!そして日高南部の森林管理署のみなさま、いつも本当にありがとうございます。

ペテガリ岳・ピーク遠望
ペテガリ岳・ピーク遠望

本州出張の旅

今年は秋の知床連山ツアーが終わるなり、9月の16日より長らく本州出張へ行っていました。神奈川県の鉄塔解体の高所作業を経て、山形県朝日連峰にて登山道調査へ。いや~大変楽しいお仕事の旅でしたよ。

登山道・狐穴小屋付近
登山道・狐穴小屋付近

東北の山もそろそろ4分ほど紅葉が進んでおり、大朝日から以東岳などにかけての稜線は大変きれいな様相を呈しておりました。樹林限界の高さもさることながら、やはり北海道とは植生の違いも大きく、樹林帯の下層植生の意外な薄さや、所々チシマザサもあるものの比較的すっきりとしたヤブが印象的でした。亜高山帯にはハクサンイチゲやミヤマリンドウが咲いていて、少しだけシロバナの株も見受けられました。オガラバナが全くなかったのが意外でした。しかし本州のハイマツの小さいこと!北海道の三分の一以下といったところでしょうか。

登山道・以東岳付近
登山道・以東岳付近

東北の山は積雪量が多いからか谷筋が非常に深く切れ込んでおり、あまりに深く切れこみ過ぎて下部はかえってザレた河原に、最上部はスラブになっていて興味深かったです。花崗岩のスラブや滝沢、ゴルジュなどはやはり目を見張るべきものでした。いつか朝日の沢にも行ってみたいという衝動に駆られたことは言うまでもありません。

以東岳
以東岳

 

仕事の合間には淵野辺のクライミングジム「ストーンマジック」や、山形県の山寺でのクライミングに行ってみました。山寺では山形のクライマーが沢山来ており、みなさん気さくで大変親切にしていただきました。

アラスカに行った時も思ったのですが、人としての本当のエレガントさとは、誰とでも分け隔てなく気さくに付き合えたり、誰にでも優しく親切にできることだな~と改めて思った次第です。リサさんラザロさん本当にありがとうございました!

山寺クライミングエリア
山寺クライミングエリア

P.S.
I坂さんのお宅は日程が合わず、伺えず仕舞いだったのが心のこりです!また今度遊びに行きますので、その時はよろしくお願いいたします!