2023/02/07~08 アイスクライミング in 知床 ”ケイズギフト”

みなさまこんばんは、先日、知床五湖エリアの氷爆、”ケイズギフト”に登ってまいりました。パートナーはいつも仕事などで一緒に行動をともにすることも多いI氏。日程中は流氷がちょうど着岸しており、なかなか絶景のなかでの登攀となりました。久々の泊まり山行が楽しゅうございましたが、ギアなどの選別も見なおす良い機会となりました。

ケイズギフト・下部
ケイズギフト・下部

02/07 10:00岩尾別ゲート〜13:00ケイズギフト上部テン場

初日はのんびりウトロから自然センターへ向かい、財団の職員さんに声をかけてから岩尾別ゲートへ向かう。ここで車をデポし、支度を整えたら泊装備を背負って五湖へ。冬の五湖からの知床連山が美しい。五湖を離れ、スノーシューで樹林を進むと程なくしてケイズギフトの上部へ到着。岩尾別ゲートからは3時間ほど。風の避けられそうな樹林内にテントを張る。眼下には流氷の海。断崖の上のテン場ながら、浜風の心配はそれほどなさそう。テントを設営し水を作ったあと、ジェットボイルの調子が悪くなる。ヘッドの内部にスラッジでも溜まったのか、ガスの出が悪い。

ケイズギフト・全景
ケイズギフト・全景

02/08 5:00起床〜7:30テン場出発〜8:00懸垂下降〜9:00ケイズギフト登攀開始〜13:00登攀終了〜13:30テント撤収〜16:30

早朝の知床は思いの外気温が低かった。しかし、この日も天候は風もなく穏やか。不調のジェットボイルをなんとかだましだまし使って朝食を摂る。厳冬の知床で火がなかったら相当モチベーションは下がっていただろう。太陽が十分に登って幾分暖かく感じられてきたところで、アタック装備にて出発。今回は先に控える知床アイスクライミング遠征のギアテストも兼ねているので、身につけている物は全て超軽量ギア。特にアイゼン(ペツル・ダート)は、アルミ製のヒールパーツを換装して紐で接続するタイプのものを使ってみることに。スクリューも現行品で最軽量のアルミとクロモリハイブリッドのブルーアイスのもの。ケイズギフト上部の落口に続く沢型を下降し、最後の立木にやってきた。ここより3Pの懸垂下降。下の2PはVスレッドによる下降となる。I氏の下降やVスレッド作成はさすが手際が良い。下降しつつも足下に巨大な氷の衝立を目の当たりにし、その迫力に息を飲む。今まで見てきた大きな氷爆とは違ったスケール感であり、縦も横も相当にデカい。

ケイズギフト・核心の2P目
ケイズギフト・核心の2P目

用意を整えクライミングを開始。今回はツルベで行くことに。ど真ん中は水が滴っていたので、やや右寄りの氷の状態の良さそうなラインを登ることに。1P目(西田)は裾の緩斜面でほぼ50m一杯に伸ばす、本番は2P目(I氏)。立ってはいるが幾分ボコボコしている。が、なにせ長く、中間部の殆どをいっぱいまで伸ばす。3P(西田)はややなだらかになった上部へと繋ぐも、懸垂の立木まであと一歩のところで届かず。4P目(I氏)でようやく落口へと達した。
氷の状態は、海岸の氷としては硬かったが層雲峡よりはだいぶ良かったと思われた。度胸と体力が試される滝。ロケーション、クライミングの内容とも北海道随一のルートであると思う。いやぁ、最高のアイスクライミングでした。パートナーに感謝!

ケイズギフト・3P目
ケイズギフト・3P目

2019年8月28~30日 知床連山縦走ツアー&UFOの写真

みなさまこんにちは。今年は例年になく暑い北海道でしたが、気づいてみればもう初秋。山の中ではちらほらと紅葉が始まっています。

羅臼頂上から見た羅臼湖
羅臼頂上から見た羅臼湖

そんな夏の終わりのハーモニー的な感じで、お馴染み知床山考舎の滝澤ガイドと共に西遊旅行の知床連山縦走ツアーをご案内させていただきました。一日目はやや不安定な空模様ながら、羅臼岳頂上は雲が抜けていて、また、二日目~三日目は晴れと蓋を開けてみればまずまずの天気でした。

知床連山01
知床連山01

今回の写真はお客様のIさんが送ってきてくれたものです。お母さんお写真どうもありがとうございました。ご一緒できて本当に楽しく、また色々なお話を伺えて勉強になりました。またぜひ北海道に遊びにいらっしゃってくださいね!

こけし岩
こけし岩

おまけ:下の写真はIさんが送ってくれた、安達太良山で映ったUFOの写真だそうです。なんか光ってますね…。映ったのはこのカットだけではなく他の写真も拝見させていただきましたが、確かになんか光ったものがいます。まさに未確認飛行物体ですな…。ちなみに安達太良山ではUFOというのはしばしば確認されるようです。はてさて皆様はどうお感じになるでしょうか。

安達太良山のUFO
安達太良山のUFO

ボッカ業務からの道東三山ツアー、そしてまたボッカ業務

みなさまお久しぶりです。すっかりと夏山登山ガイド業務の日々を過ごしております。ず~っと出ずっぱりで山中に居りまして、なかなか連絡が取れなかった関係者の皆様すいません。

6月下旬から2週間ほど知床連山にてボッカ業務を行っておりますまして、ウトロに長逗留しておりました。今年の知床は驚くほど雪が少なく、すでに雪渓はほぼ無くなってしまいました。花が早めに咲いていて、この時期訪れられたお客様はラッキーでしたね。

羅臼岳から知床連山
羅臼岳から知床連山

ボッカ業務が終わったら、直ぐに道東三山(羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳)登山ガイドツアーをお馴染みの知床山考舎の伊藤ガイドと共にご一緒させていただきました。伊藤ガイドとはデナリにも一緒に行った腐れ縁ですので、もはや勝手知ったるコンビネーション。小難しい説明やレクチャーは彼女に任せて、私は肉体労働と無駄話に徹底いたします(嘘)
羅臼岳も斜里岳も雌阿寒岳も良い天気に恵まれ、絶好の登山日和でしたね。どの山でも一足も二足も早く花が咲いていて、お客様は写真を撮るのに忙しかった模様。

そして、道東三山登山ガイドツアーが終わった翌日からは、またボッカ業務で雌阿寒岳へ。なかなか体力勝負な今日この頃ですが、間髪入れずお仕事がドシドシ入ってうれしい限りです。

さて、お次はトムラウシ登山ガイド編にてお会いいたしましょう~!

2019年6月13日~15日 知床連山縦走登山ガイド ~Walk along the Shiretoko mountain range~

とっても雪が少ない今シーズンの北海道の山々ですが、知床も例外なく近年まれに見るほどの早い雪解けとなりました。そんなこんなで、知床連山ガイド登山一発目。今年は多分私たちが今シーズン最初のパーティではないでしょうか。

ご一緒させていただいたのは、フランスからおこしのMr, G氏とDr, Mさんご夫妻。最近とみに国際色豊かな北海道観光のシーンですが、とうとう僕にもフランスからのガイドオファーが舞い込んでくるはこびとなってまいりました。

羅臼岳のウコンウツギ
羅臼岳のウコンウツギ

このお二人はご年齢もお若く海外のトレッキングも多彩にご経験されている強者、はっきり言って知床連山ガイドプランは甘くないですが、この方達なら大丈夫!また存分に楽しんでいただけることだろうということで、2泊3日のガイドプランの行程でご案内させていただきました。

シレトコスミレ
シレトコスミレ

途中、ガスがかかったり、雨が降ったり、晴れて暑くなったり、強風に吹かれたり、おおよそカレイドスコープのごとく知床の、くるくる変わる天候もしっかり体験していただきつつ、わたくしのブロークン極まりない英語ガイディングと共に歩は進んでいきます。かえってフランスでの事や海外のハイキング事情など伺ったりというのは毎度のことではあります。

硫黄山・第一火口
硫黄山・第一火口

ハイマツのトンネルにキバナシャクナゲが咲き乱れ、イソツツジの芳香が心地よく、シレトコスミレもそこかしこで沢山咲いておりました。どうしてあなたたちは厳しい荒れた、この岩の風衝地で可憐な美しさを競っているのでしょう。

硫黄山アタックポイント付近
硫黄山アタックポイント付近

知床連山ガイド登山一発目としては早くもですが、ちゃんと第一火口のフードロッカーも二つとも雪の中から掘り出しておきましたよ。
知床連山ルート中では、サシルイ・オッカバケの東斜面側、硫黄山第一前衛峰手前の登り、硫黄山アタックポイント付近などにはまだ大きな雪渓が残っていますので、行かれる方はお気をつけください

2018年9月11~13日 また、知床連山縦走ガイドツアー

2018年8月28~30日、ふたたび知床連山縦走ガイドツアーを知床山考舎の伊藤ガイドと共にご案内させていただきました。

三峰より羅臼岳
三峰より羅臼岳

今回は3日間全てがド快晴で、秋晴れの気持ちのいい知床連山縦走となりました。

稜上からは終始国後島が見えていて、なんと今回は色丹島も遠望できました。僕は父親が択捉島で生まれた元島民2世なので、感慨深く眺めていました。

今回は天気が良かったのもさることながら、縦走中は皆さんとお話をさせていただいて、とても楽しかったです。O師匠、いろんなギャグを教えていただいてありがとうございました。

また北海道へあそびにいらっしゃってくださいね!

2018年8月28~30日 知床連山縦走ガイドツアー

2018年8月28~30日、知床連山縦走ガイドツアーを知床山考舎の伊藤ガイドと共にご案内させていただきました。

知床縦走路から羅臼岳方面
知床縦走路から羅臼岳方面

知床連山縦走ルートはまさに北海道が誇る世界遺産の極上トレイル。今回の2泊3日の行程では最終日は雨に降られたものの、ふたを開けてみれば概ね上々と言え、お客様にも大変気に入っていただけたようです。

知床硫黄山頂上へ
知床硫黄山頂上へ

上部ではミヤマアキノキリンソウやメアカンフスマ、エゾオヤマリンドウ、エゾノミヤマアザミ、チシマアザミ、知円別岳付近ではコマクサなどが咲いていました。

下山後のカムイワッカ林道より登山口ゲートの方の法面に目を向けると…居ました、二頭のヒグマが!

カムイワッカ林道のヒグマ
カムイワッカ林道のヒグマ

皆様今回はお疲れ様でした。ご一緒させていただきまして楽しかったです。また北海道へ遊びに来てくださいね!

2017年10月14日 知床登山道整備・ヒグマの痕跡

夏山シーズンの締めくくりとして、知床山考舎http://info.trek-shiretoko.com/の滝澤ガイド、伊藤ガイドと共に知床の登山道整備を行って参りました。この、いつもお世話になっている世界遺産の極上トレイルも上部では雪に覆われ、ひっそりと初冬の雰囲気です。

 

初冬の羅臼岳
初冬の羅臼岳

 

銀冷水で携帯トイレブースの冬囲いをしていたら、気づかないうちに登山道方向に熊が横を歩いた足跡がついておりました。雪上についた足跡にはくっきりと爪の痕が残っております。しかも下山間際にはまた別の熊の姿も。

 

熊の足跡@知床
熊の足跡@知床

 

下の画像は東大雪での作業中に撮ったものですが、このように樹にもくっきりと爪痕がついたいることもよくあります。縄張りを主張するためにつけられたりするようですが、いやはやスゴい威力ですねぇ。 

 

樹についた熊の爪痕@東大雪
樹についた熊の爪痕@東大雪

 

おもしろい熊の痕跡としては下のようなモノもありました。

 

カーブミラーについた熊の足跡
カーブミラーについた熊の足跡

熊はとても頭がいいので、ふと見えたカーブミラーに写った自分の姿が気になったんでしょうねぇ。想像するとなんだか微笑ましいものですが…。山に入る時はやっぱり油断はできません。皆さんもご注意を。

 

紅く燃ゆるハウチワカエデ
紅く燃ゆるハウチワカエデ

 

2017年7月23日~25日 知床連山(羅臼岳~硫黄山)縦走

笑顔のとっても素敵なK様と、7月23日~25日にかけて知床連山・羅臼岳から硫黄山の縦走をしてきました。K様は鹿児島からお越しの方で、北根室ランチウェイを踏破、その後勢い余って知床連山へと足を伸ばしてきた強者…。

岩尾別温泉から羅臼岳を経て二ツ池でテント泊、二日目は硫黄山へ登ってカムイワッカ登山口へ下山。微妙な天気予報とは裏腹に終始雨に降られることもなく、存分に地の果ての極上トレイルを楽しんでいただけました。やっとついた硫黄山ではコマクサや一輪だけ咲き残ったシレトコスミレがお母さんをお出迎え。

最終日は予備日の消化として羅臼湖でのトレッキング&羅臼で海鮮丼を賞味していただきました。いやーえがったですねお母さん。山のことや九州のことなど、色々なお話をしていただけて楽しかったです。また北海道に遊びに来てくださいね!