2023/08/01~5 斜里岳、雌阿寒岳、トムラウシ、十勝岳、登山ガイドプラン

皆様こんにちは、登山ガイドの西田です。先日は九州からお越しのY様(とご家族3名様)と共に表題の通り斜里岳、雌阿寒岳、トムラウシ、十勝岳の登山ガイドプランを催行させていただきました。結果的には十勝岳以外は登頂することが出来ました。斜里岳、雌阿寒岳は天候も上々で夏の爽やかな登山をお楽しみいただけたのですが、トムラウシの催行当日はやや不安定な天気。曇り空&時々雨といった空模様…ながらも、なんとか雨雲の間隙をついて登頂を果たすことができました。ロックガーデンではナキウサギの姿も見られました。十勝岳はお客様のお疲れもあり、残念ながら天気も悪かったので中止に。代替プランとして美瑛や富良野の観光をお楽しみいただきました。北海道を代表する100名山のこの4座一時にねらうこの計画はなかなかダイナミックなもので、困難もありましたが結果的には素晴らしい旅だったかと思います。Y様、この度はありがとうございました。また遊びにいらっしゃってくださいね!

2023/05/02~04 トムラウシ山&雌阿寒岳 ゴールデンウィーク山行

今シーズンのゴールデンウィーク山行は、群馬からお越しのH様お二人と残雪のトムラウシ、さらにH様のご両親もご一緒しての雌阿寒岳をご案内させていただきました。入山前の天気予報は前の週くらいまであまり良くなく心配もありましたが、蓋をあけてみると全日上々の天気で計画を完遂することができました。

さて、まずはトムラウシ。今シーズンは東大雪荘の周りや林道にすでに雪はありませんでしたが、林道の終点だけに除雪のこんもりが溶け残っており、短縮登山口までは車で入れませんでした。近年の少雪ではこの時期に冬尾根など登れるわけもなく、夏道の温泉ルートからスタートします。とはいえ、完全に雪がないのはco900くらいまでで、以降は雪上での登高。ゴールデンウィークのトムラウシはまだ入山者も少なく、トレースもまばら。雪が出てくると夏道はどこか判別はできませんので、地図を見ながら読図で進んで行く必要があります。トムラウシの温泉ルートは地形がややはっきりしない部分もあり、割とちゃんとした読図が要求されます。

残雪の樹林帯をスノーシューでえっちらおっちら登高していき、短縮登山口の合流点も過ぎ、程なく進むとカムイ天上に出ます。ここあたりから一気に視界は開け、トムラウシのピーク方面、ニペソツ、石狩岳などの東大雪の山々、十勝連邦、夕張・芦別の山々などが見渡せるようになります。さらに進んでいくと、山腹斜面をトラバースしながらゆっくりと高度を下げ、コマドリ沢の出合いに到達します。この時期のトムラウシは少雪でほぼ全域わたって雪崩のリスクは低いと言えるでしょうが、唯一この山腹のトラバースとコマドリ沢の出合い周辺は雪面温度が上がるタイミングでは気をつけたい場所ですね。

コマドリ沢から前トム平までは、 夏にはナキウサギがたくさん鳴いているロックガーデン脇ののっぺりとした沢型を登行。汗をかきかき少しづつ高度を上げていきます。 前トム平 へのエッジを乗り越えると段々と風が出てきました。前トム平からはいよいよトムラウシのピークがどーんと迫ってきます。トムラウシの公園を経て南沼のテントサイトへ上がると、やっぱり風が少しあります。天候が安定していたので、この日の中にピークアタックへ向かうことに。

キツネなどにやられないようにザックの中から食料などを抜いて、テント泊装備は岩の上にデポ。アタック装備で頂上を目指します。アイゼンピッケルで30分ほど頑張ると、景色のいいトムラウシの頂上へ到着しました。ここでお客様と猫耳をつけて記念撮影。トムラウシの双耳峰ピークが猫のように見えたからとのこと。しかし、ピークはやはり風が強かったです。こんなにも天気が良いのに、やっぱり大雪は甘くない!そんなこんなで、ザックを回収して16時頃にはトムラウシ公園の上のちょっとした、岩陰のピットにテントを張り泊まることに。この時点でなかなか風がありテントを張るのも一苦労でした。気温は低く無いのが幸いでしたが、夜半には風がテントを叩く音で何度も目が醒めたものです。

翌朝は風もあることから、4時起き6時発で早めにテントを撤収して下山することに。朝食を食した後、締まった雪面で転滑落しないようアイゼンピッケルで慎重に下りました。下山時はコマドリ沢の沢型の長い下りが緊張するポイントですが、ゆっくりと下れば問題とはなりません。そんなこんなで昼ぐらいには下山。東大雪荘の日帰り入浴は13時からなので、くったり温泉でお風呂へ入り、帯広で豚丼と芽室の道の駅でソフトクリームを食し阿寒へ移動。

翌日5/4はH様のご両親と合流して、雌阿寒岳へ登りました。雌阿寒岳もまたこの既設としては非常に少雪で、野中温泉ルートでは殆ど雪がありませんでした。この日もまた天気はまずまずで、開けた景色を存分にご覧頂くことが出来ました。オンネトールートの下りでは上部の一部と、樹林内の日陰の部分で雪が出現。氷化している部分もあったため、念のため軽アイゼンやチェーンスパイクを使用。こういう状況ではチェーンスパイクがあると役立ちますね。トムラウシ・雌阿寒岳と、天候にも恵まれ素晴らしい計画が出来て何よりでした。H様この度はありがとうございました。またぜひ遊びに来てくださいね!

2022/08/01 雌阿寒岳登山ガイド

この日の天候は曇り、時々山が雲から顔を出してたまに景色が望めるといったところでした。とはいえ、この季節としては暑くもなく寒くもなく登りやすかったと言えるでしょう。雨がふらなかったのは幸いでしたね。今回のお客様は帯広からおこしのY様親子。とても仲の良い親子で、お二人の優しい雰囲気がとっても素敵でした。また機会がありましたら、ぜひ遊びに来てくださいね。ちなみに、この時のガイド料はどうみん割で大幅に安くなりました。アクティビティの料金でもどうみん割が使えるとは知らない方がほとんどですが、皆様もスキあらばどうみん割は使ったほうがいいです!

オンネトーの動画など…

数年前から四季を通してちょこちょこ撮っていたオンネトーのビデオクリップを編集し、ムービーポエムに仕立て上げてみました。ムービーポエムってなんやねん?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、私が勝手に考えただけのモノです。これは、マイルス・デイビスがジョセフ・ザヴィヌルの名曲「in a silent way」を「トーンポエム」と表現していたことにインスパイアされたものです。ま、ただの素人動画なのですが…。

さて、このオンネトーのビデオですが、春のバージョンと秋のバージョンの二本立てとなっておりまして、これをご覧いただけばグリーンシーズンのオンネトーはかなり予習していただける運びとなっております。自然散策ガイドプランのご参考にでもしていただければ幸いです。今回はドローン映像もフューチャーされてます。

久々に雌阿寒岳登山ガイド

さて、約2カ月半もの活動休止を経て、今日は久々に雌阿寒岳のガイドプランへお客様をご案内差し上げました。ルートはマニアックな魅力が光る阿寒湖温泉ルート。天候は曇り後雨、幸いにも登山中ほとんどの時間に雨には当たらず済んだものの、山頂は予想通りガスの中…。

雌阿寒岳、阿寒湖温泉ルート
雌阿寒岳、阿寒湖温泉ルート

しかし、フィトンチッドの森の空気は私たちをいつもと変わらず優しく包み、メアカンキンバイやメアカンフスマ、コマクサ、カラフトイソツツジなどが咲き誇っておりました。久々に見る雌阿寒岳、阿寒湖温泉ルートは変わりありません。択捉島で育った叔母に北方墓参の感想を聞いた時、「自然だけは全く変わっていなかった」と言っていたのを思い出します。

雌阿寒岳、メアカンキンバイ
雌阿寒岳、メアカンキンバイ

このほどのコロナウィルス感染症の被害に遭われた方には心よりお見舞い申し上げます。また関係者各位、医療従事者の皆様には厚く御礼申し上げます。

未だ多くの山域がコロナ禍の影響を色濃く残し、閉ざされた施設等も多いのが現状ですが、少しずつにでも着実に、また登山活動が正常に行われることを願っています。

雌阿寒岳、コマクサ
雌阿寒岳、コマクサ

ボッカ業務からの道東三山ツアー、そしてまたボッカ業務

みなさまお久しぶりです。すっかりと夏山登山ガイド業務の日々を過ごしております。ず~っと出ずっぱりで山中に居りまして、なかなか連絡が取れなかった関係者の皆様すいません。

6月下旬から2週間ほど知床連山にてボッカ業務を行っておりますまして、ウトロに長逗留しておりました。今年の知床は驚くほど雪が少なく、すでに雪渓はほぼ無くなってしまいました。花が早めに咲いていて、この時期訪れられたお客様はラッキーでしたね。

羅臼岳から知床連山
羅臼岳から知床連山

ボッカ業務が終わったら、直ぐに道東三山(羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳)登山ガイドツアーをお馴染みの知床山考舎の伊藤ガイドと共にご一緒させていただきました。伊藤ガイドとはデナリにも一緒に行った腐れ縁ですので、もはや勝手知ったるコンビネーション。小難しい説明やレクチャーは彼女に任せて、私は肉体労働と無駄話に徹底いたします(嘘)
羅臼岳も斜里岳も雌阿寒岳も良い天気に恵まれ、絶好の登山日和でしたね。どの山でも一足も二足も早く花が咲いていて、お客様は写真を撮るのに忙しかった模様。

そして、道東三山登山ガイドツアーが終わった翌日からは、またボッカ業務で雌阿寒岳へ。なかなか体力勝負な今日この頃ですが、間髪入れずお仕事がドシドシ入ってうれしい限りです。

さて、お次はトムラウシ登山ガイド編にてお会いいたしましょう~!

オンネトートレッキング

今年は早い時期から雌阿寒岳登山ガイドやオンネトーのトレッキングプランのご案内をさせていただいております。
6月初めには雌阿寒岳に委託業務にて資材搬入も行ってまいりました。いわゆるボッカというやつですね。今回は総重量で100キロ程度の荷揚げだったのですが、デナリ遠征での地獄のソリ曳き訓練が効いたのか以前よりは楽にやれました。

今年は4~5月が暖かかったので雪解けが異常に早く、花の開花も例年以上に早かったです。オンネトー湖畔のオオサクラソウはもう終わりを迎えています。現在のところツマトリソウやズダヤクシュ、ミツバオウレンなどが咲いてますね。

このトレッキングプランのご案内の日は割合と寒い日で、湖面には霧がかかっていました。こんな雑誌の写真とは異なるオンネトーの姿も赴きのあるものです。

平成最後の雌阿寒岳の登山ガイド

ゴールデンウィーク2日目の今日は、リピーターのAさんと雌阿寒岳をご一緒させていただきました。昨日とはうって変わって素晴らしい天気!雲一つ無い中で絶景を楽しみながらの登山となりました。

雌阿寒岳の積雪はもう7割がた無くなりつつあります。こんなに雪が少ない年は、今まであっただろうかというほどに雪が少ないです。樹林帯の中に少々と、山腹斜面のハイマツ帯の間にそれなり、9合目手前に長めの雪渓が少々といった感じです。今日は気温も高めで雪は柔らかだったので終始アイゼンを着けることはありませんでした。残雪は野中温泉ルートより、オンネトールート側に多いです。

雌阿寒岳、ピークより
雌阿寒岳、ピークより

今日は空気が澄んでいたので、遠く斜里岳や知床連山はもとより大雪や日高山脈といった周りの山々のほとんどが見えていました。段々と氷が解けてエメラルドブルーに移り変わっていくオンネトーの姿もこの時期ならではの魅力です。まだ花の時期には早いですが、残雪の雌阿寒もしっかりと知識と技術、装備を準備すれば素晴らしい山行となること間違いなしです。みなさまもぜひ遊びにいらっしゃってくださいね。

雌阿寒岳、阿寒富士分岐付近
雌阿寒岳、阿寒富士分岐付近

阿寒湖周辺、夏シーズン突入

今年は例年以上に阿寒湖に春が訪れるのが早いようです。雪も非常に少なく、気温も24日は20℃以上ありました。

オンネトー林道は4月12日に開通していますので、普通に車でオンネトー湖畔まで行くことが出来ます。まだオンネトーには薄い氷が張っていますが無くなるのは時間の問題でしょう。だいぶエメラルドグリーンの湖面が透けて見えています。薄氷とエメラルドグリーンのコントラストが綺麗です。雌阿寒岳の雪はもう7割がた無くなってきました。ふきのとうもだいぶ法面に出てきました。

オンネトーのふきのとう
オンネトーのふきのとう

阿寒湖も氷はだいぶ薄くなっています。湖水開きは4月29日になりますので、遊覧船はそれ以降の航行となります。雄阿寒岳の登山道も例年と比べると相当に雪が少なく、もう普通に登山靴で登れます。しかし、26日の夜から雪が降るようですので登山道には若干雪がかぶるでしょう。こんな急変する天気傾向もまた、春の阿寒の特徴で、みんなスノータイヤの履き替えはGW明けから様子を見つつ行うというのが通例となっています。

春の雄阿寒岳
春の雄阿寒岳

春の静かな阿寒湖周辺もなかなか魅力的で、グリーンシーズン突入直後の自然散策プランもまたおススメです。

 

めあかんスノーシューのビデオとか

いよいよGWも目前となり、夏シーズンの始まりとなってまいりました。
が、せっかくパソコンを新しくしたので、おだってオンネトーのスノーシュートレッキング(自然散策Bプラン)のビデオを編集してみました。映像のほとんどは春に撮りためておいたものです。新パソコンの威力はなかなかにすさまじく、4k動画でもものの数分で出力できてしまいます。

ビデオといっても、カメラをジンバルに乗せてスノーシューでただひたすらに歩いただけのものですが、それでもなんとなく画になってしまうのは、やはりオンネトーや雌阿寒岳山麓の自然の素晴らしさゆえでしょう。

今年はじゃらんネットからのお客様も増えて、オンネトーのプランにも行くことが多かったです。ご参加いただいたお客様ありがとうございました!

野中温泉のモコ2
野中温泉のモコ2

P.S.
モコちん、いつも見守ってくれてありがとう。すごく賢くて優しい君がいてくれて楽しかったです。安らかに眠ってください。

野中温泉のモコ3
野中温泉のモコ3