2020/10/31 初冬の斜里岳登山ガイド

斜里岳の樹氷

皆様、こんにちは。ガイドの西田です。紅葉シーズン以降の季節は年の瀬近くということもあって、ロープ高所作業などの出張が多い今日この頃なのですが、この度は神奈川からお越しのM様より斜里岳登山ガイドのご依頼をいただきました。

紅葉が終わって、10月下旬の北海道の山といえばもう初冬。ほぼ全ての山では夏山装備では登ることはできません。というより冬タイヤでないと登山口まで近づくことすら出来ないなんてことも…。ここ最近の北海道は小雪であることもしばしばですが油断は禁物。この季節は雪が降ったり氷雨が降ったり、湿雪や湿気から誘発されるガス、まだ藪が出ていたりして、ある意味真冬より厄介な難点もあったりするのです。

さてそんなこんなで、この日は三井ルートから初冬の斜里岳へ登ってみました。この日登山者は私たちだけ。私にとっては北壁や北稜などバリエーションのアプローチとしてなじみの深いこの三井ルートですが、この日はひっそりと静かな初冬の斜里岳を楽しむことが出来ました。

今年は10月29日が斜里岳の初冠雪だそうですが、例年に比べると随分と遅く感じます。ここ数日斜里岳山頂はガスの中だったので、さすがに上部はすっかりと雪に覆われていると考え、装備は万全を期して来ました。やはり歩みを進めるごとに登山道が雪に覆われていきます。ちょうど正月の南アルプスの山のような感じですね。ガマ石から先では、雪の重みでハイマツが垂れ下がって行く手を阻みアスレチック状態です。頂上近くの積雪はくるぶしくらい、思ったより風も強くなく、すんなりと斜里岳頂上に到着。雪面はまだクラストしておらず、夏の登山靴と軽アイゼンで十分でしたが、これから先は冬用登山靴と12本爪アイゼン、ピッケルが必要となるでしょうね。

海外も意欲的にお出かけになられているというM様ですが、とっても体力のある方で今回の三井ルートは往復6時間ちょっとでの完登でした。次は幌尻岳へ行きましょうかね!M様また遊びに来てくださいね。