【北海道登山遠征】天塩岳・芦別岳・夕張岳・暑寒別岳・ニセイカウシュッペ山 、7月5座踏破の全記録! 〜大雪・道央・道北の名峰を巡る〜

皆様こんにちは、登山ガイドの西田です。今回は最近では人気の高くなっている北海道の200名山および300名山を含む、玄人好みの名峰5座を1週間強で駆け抜けるという、なかなかにタフで魅力的な大計画を行ってまいりました。本当はさらにオプタテシケとニペソツも候補に上がっていましたが、この二座の予定は天候の関係でレスト日に。お客様と相談の上で、天気や移動や身体に関して、無理のない範囲で戦略を練りながらの催行といたしました。

7月上旬から中旬にかけて、北海道の厳しくも美しい名峰5座を巡るプライベートガイド計画を催行!
大雪山系の隠れた名峰から、道央の鋭峰、そして花の百名山まで、北海道の山の深さと多様性を一気に味わいつくす贅沢な9日間。

今回は、ドラマチックだった各山の山行の様子を、ギュッと凝縮してレポートします!

日程:2026年7月8日・天塩岳、9日・芦別岳、13日・夕張岳、14日・暑寒別岳、15日・ニセイカウシュッペ山

🏔️ 各山行のハイライト

7月8日:天塩岳(てしおだけ)/ 1,558m

【天塩川の源流を辿り、静寂の頂へ】 遠征のスタートは、北海道・道北の名峰・天塩岳から。 前ノ沢コースから沢沿いを進み、美しい樹林帯の中を高度を上げていきます。サラサラと流れる清流の音に癒やされながら急登をこなすと、目の前には大雪山系の雄大なパノラマが! 前天塩岳の岩場ではナキウサギにも出会えました。登山者が少なく、北海道本来の「静寂と深い自然」を肌で感じられる最高の滑り出しとなりました。

7月9日:芦別岳(あしべつだけ)/ 1,726m

【鋭利な岩峰が魅せる、道央の槍ヶ岳】 2日目は一転して、険しい岩容を持つ「新道コース」から芦別岳へ。 中半の樹林帯を抜けると、目の前に現れるのは圧倒的な存在感を放つ本谷と夫婦岩。アプローチは長くタフですが、山頂に立った瞬間の達成感はひとしおです。振り返れば、富良野盆地が見下ろせ、十勝連邦が雲の中から顔をのぞかせていました。

💡 ガイドメモ 芦別岳の新道は距離・標高差ともに体力が求められるタフなルートです。夏場は熱中症対策と、十分な水分(最低2L以上)の携行が必須です。

7月13日:夕張岳(ゆうばりだけ)/ 1,668m

【花の名山、高山植物の楽園】 数日間の移動と調整を挟み、今回のハイライトの一つでもある夕張岳へ。 冷水コースから登り、前岳、ガマ岩を越えれば、そこは天空の楽園「蛇紋岩崩壊地」。天然記念物ユウバリソウは終わりを迎えていましたが、グンナイフウロやシロウマアサツキ、ウサギギク、ユキバヒゴタイ、ヒメイワタデなど、この山ならではの高山植物たちが私たちを迎えてくれました。まさに「花の百名山」の名に恥じない、楽園のような1日でした。

7月14日:暑寒別岳(しょかんべつだけ)/ 1,492m

【残雪と大雪原、日本海を望む大パノラマ】翌日は 夕張から一気に北上し、増毛山地の主峰・暑寒別岳へ(暑寒ルート)。 この日の暑寒別岳はややご機嫌斜め。天気予報に反してシトシトと雨粒が振ってきます。長い尾根歩きもお客様とあ〜でもないこ〜でもないとお話しながら歩みを進めていけば、時が立つのは早いもの。気づいてみればあっさりと佐上台へ。滝見台へ付く頃には幸い雨も止んで、足取りも軽やかに頂上稜線へ。山頂での休憩を経て下山する頃には太陽も見えてきつつ日本海を見下ろすことができ、山と海が一体となった北海道ならではのスケール感を堪能しました。

7月15日:ニセイカウシュッペ山 / 1,883m

【フィナーレは表大雪の大展望】 遠征のフィナーレを飾るのは、奥大雪に位置するニセイカウシュッペ山。 前日の雨でややぬかるんだ登山道を抜け、小槍大槍を越えると、目の前にドカンと現れるアンギラス(軍艦山)の奇岩と、表大雪のオールスター(旭岳、トムラウシ山など)の大パノラマ! 最終日にふさわしい、これ以上ない青空と大絶景の中で、今回の無事な全山登頂を全員で祝い合いました。お花畑のスケール感の大きさもこの山ならではの圧巻の景色。

📝 ガイド総括&アドバイス

今回の5座は、どれも北海道の山の「一歩深い魅力」が詰まった素晴らしい選定でした。

山名難易度主な見どころ・特徴
天塩岳★★☆☆☆静かで深い森。稜線の景色。ナキウサギ
芦別岳★★★★☆アルパインな岩容と、登りごたえのある急登
夕張岳★★★☆☆高山植物の宝庫、芦別岳や十勝連邦の雄大な景色
暑寒別岳★★★☆☆稜線から見下ろす雨竜沼湿原、日本海の展望
ニセイカウシュッペ山★★☆☆☆大雪山系の圧倒的な展望とドラマチックな稜線

7月の北海道は高山植物が最盛期を迎えるベストシーズンですが、同時に「ヒグマ対策」「急な天候変化への対応」など、確かな技術と経験が求められます。また、ニセイカウシュッペ山や夕張岳などの長い林道での運転には注意を要します。

特に今回のような連戦スケジュールでは、毎日の疲労回復とペース配分が完登の鍵となります。疲れたり調子が悪くななったら休息も必要です。また、その都度の天候判断による臨機応変な戦略、十分で余裕のある日程・姿勢が計画と鍵となりました。

ちなみに、最後は上川のいきいきセンターにてお風呂&よし乃にてラーメンを食し〆。ご参加いただいたI様、本当にお疲れ様でした!またいつでも北海道へ遊びに来てくださいませ〜。