真っ白な羅臼岳…

昨日今日は、知床は羅臼岳にて毎度お馴染みの知床山考舎の滝澤ガイド・伊藤ガイドと共に今シーズン最後となる登山道整備及び携帯トイレブースの冬囲い作業を行ってまいりました。

 

羅臼岳登山道も下部の樹林帯ではもうすっかり晩秋といった感じで紅葉がとても綺麗でした。知床の紅葉といえば、羅臼岳・岩尾別温泉ルートはミズナラやダケカンバなどオレンジや黄色になる樹種が多く、羅臼温泉ルートはハウチワカエデやエゾヤマザクラなど赤系の樹種が多めに混じり、尾根を挟んでそれぞれ違った印象があって面白いです。葉っぱが落ちた樹林の登山道からはいつも以上に硫黄山がよく望めます。

 

大沢より上ではすっかり登山道も雪や霜、エビのしっぽに覆われておりました。綺麗である反面、この時期の山は天候によっては状況が一変しやすくもあり、低体温やルートロスの危険性も高くなっています。登山される方はしっかりとした装備とリスクマネジメントと共に行動してくださいますようお願いいたします。

真っ盛り!阿寒湖の紅葉

さてさて今日は阿寒湖の紅葉トレッキングということで、東京からおこしのY様をご案内させていただきました。まさに今は阿寒湖の紅葉はベストタイミング!一年で写真やムービーを撮影するのに一番忙しい季節でもあるかもしれませんね。

 

紅葉狩りはスポットの選定が最も大事なので、普通にブラブラしていても良い場所に気づかず近くを擦過してしまうこともしばしばでしょう。阿寒湖畔に来ていただいても滝見橋から写真を撮って終わりでは勿体なさすぎます…。

ちょうど紅葉が見ごろを迎える10月の阿寒湖周辺ですが、このくらいの時期からは私のスケジュール的にも夏山登山のご案内が一段落し、調整がしやすくなってきますので、トレッキングや自然散策をご要望のお客様はぜひお気軽にお声がけください。

今シーズン最後の沢(お仕事)

数日前、森林植生調査のお仕事にてお馴染みのH田くんと日高南部の沢に行ってまいりました。いや~北海道の秋の渓もまた素晴らしいものです。秋晴れの清々しい天気の中、ひたひたと河原に歩を進めていくと「う~ん、やっぱり沢もいいなぁ」としみじみ思います。いっそこのまま河原で焚火でもしながら、一泊したいという衝動にかられましたね。

今シーズンの夏はお仕事続きで全く沢に行けていなかったのですが、日高の沢といえば自分が所属する帯広労山にとっては思い入れの深い場所で、以前の帯広労山は毎週のように激しい日高の沢山行の計画が出されていたものです。共同装備のコッフェルやテントなどにも名無し(日高の険渓の一つ)や1823(七の沢や名無し沢など険渓を擁する無名ピーク)など、素人にはわからない符牒のような名前が付けられており、新入会員の憧れを誘っておりました。

トップの写真は日高の名渓の一つソエマツ沢!!!☆ですが、このような場所のあたりにお仕事で入るということにはとても感無量といいますか、ワクワクするとともに恐ろしくもあります…。

紅葉のオンネトートレッキングガイドプラン

本州出張から帰ってきて、とりあえず北海道の肌寒さに震えておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
やっぱり北海道は涼しいですね!しかし、清々しい空気と紅葉に彩られた山々の風景は素晴らしいです。食べ物もおいしい季節!秋の北海道はとっても素敵です。

白湯山展望台より
白湯山展望台より

さて、阿寒湖周辺もぐっと秋の気配が深くなってまいりました。そこで昨日は紅葉のオンネトートレッキングをご案内させていただきました。天気が良かったのでとりあえず白湯山展望台へ。ここから眺める阿寒湖は大変素晴らしく、おすすめです。ただし天気の良い時と、お時間に余裕のあるお客様限定でご案内させていただいております。

オンネトー・ハウチワカエデ
オンネトー・ハウチワカエデ

秋のオンネトーはといいますと、エメラルドグリーンに映る紅葉の色どりがまた素晴らしい!この日も沢山の観光客が足を運んでいました。樹林に遊ぶアカゲラの可愛い姿も観察できました。T様、今日はラッキーでしたね!

アカゲラ
アカゲラ

少し風の強い日でしたが、山岳環境にあるオンネトーならではの雰囲気でもあり、自然のダイナミックさを味わっていただけたと思います。秋のオンネトーや阿寒湖周辺のトレッキングプラン、ぜひご体験ください。

オンネトー02
オンネトー02

本州出張の旅

今年は秋の知床連山ツアーが終わるなり、9月の16日より長らく本州出張へ行っていました。神奈川県の鉄塔解体の高所作業を経て、山形県朝日連峰にて登山道調査へ。いや~大変楽しいお仕事の旅でしたよ。

登山道・狐穴小屋付近
登山道・狐穴小屋付近

東北の山もそろそろ4分ほど紅葉が進んでおり、大朝日から以東岳などにかけての稜線は大変きれいな様相を呈しておりました。樹林限界の高さもさることながら、やはり北海道とは植生の違いも大きく、樹林帯の下層植生の意外な薄さや、所々チシマザサもあるものの比較的すっきりとしたヤブが印象的でした。亜高山帯にはハクサンイチゲやミヤマリンドウが咲いていて、少しだけシロバナの株も見受けられました。オガラバナが全くなかったのが意外でした。しかし本州のハイマツの小さいこと!北海道の三分の一以下といったところでしょうか。

登山道・以東岳付近
登山道・以東岳付近

東北の山は積雪量が多いからか谷筋が非常に深く切れ込んでおり、あまりに深く切れこみ過ぎて下部はかえってザレた河原に、最上部はスラブになっていて興味深かったです。花崗岩のスラブや滝沢、ゴルジュなどはやはり目を見張るべきものでした。いつか朝日の沢にも行ってみたいという衝動に駆られたことは言うまでもありません。

以東岳
以東岳

 

仕事の合間には淵野辺のクライミングジム「ストーンマジック」や、山形県の山寺でのクライミングに行ってみました。山寺では山形のクライマーが沢山来ており、みなさん気さくで大変親切にしていただきました。

アラスカに行った時も思ったのですが、人としての本当のエレガントさとは、誰とでも分け隔てなく気さくに付き合えたり、誰にでも優しく親切にできることだな~と改めて思った次第です。リサさんラザロさん本当にありがとうございました!

山寺クライミングエリア
山寺クライミングエリア

P.S.
I坂さんのお宅は日程が合わず、伺えず仕舞いだったのが心のこりです!また今度遊びに行きますので、その時はよろしくお願いいたします!

2019年8月28~30日 知床連山縦走ツアー&UFOの写真

みなさまこんにちは。今年は例年になく暑い北海道でしたが、気づいてみればもう初秋。山の中ではちらほらと紅葉が始まっています。

羅臼頂上から見た羅臼湖
羅臼頂上から見た羅臼湖

そんな夏の終わりのハーモニー的な感じで、お馴染み知床山考舎の滝澤ガイドと共に西遊旅行の知床連山縦走ツアーをご案内させていただきました。一日目はやや不安定な空模様ながら、羅臼岳頂上は雲が抜けていて、また、二日目~三日目は晴れと蓋を開けてみればまずまずの天気でした。

知床連山01
知床連山01

今回の写真はお客様のIさんが送ってきてくれたものです。お母さんお写真どうもありがとうございました。ご一緒できて本当に楽しく、また色々なお話を伺えて勉強になりました。またぜひ北海道に遊びにいらっしゃってくださいね!

こけし岩
こけし岩

おまけ:下の写真はIさんが送ってくれた、安達太良山で映ったUFOの写真だそうです。なんか光ってますね…。映ったのはこのカットだけではなく他の写真も拝見させていただきましたが、確かになんか光ったものがいます。まさに未確認飛行物体ですな…。ちなみに安達太良山ではUFOというのはしばしば確認されるようです。はてさて皆様はどうお感じになるでしょうか。

安達太良山のUFO
安達太良山のUFO

2019年7月16日~19日、トムラウシ・富良野岳・十勝岳、登山ガイドプラン

夏山登山シーズン真っ盛りの北海道ですが、先頃はトムラウシ・富良野岳・十勝岳へお客様をご案内させていただきました。当初はトムラウシ~十勝岳への縦走登山の予定だったのですが、お客様の体調や天候状況などを勘案して急遽トムラウシ山一泊二日と富良野岳・十勝岳の日帰り山行に変更しての催行となりました。このようなフレキシブルな対応が可能なのもプライベートガイドの有利な点ですね。

まずは東大雪荘からトムラウシ山を目指します。天候は曇り時々晴れ。やはりトムラウシも残雪はすでに少なく、コマドリ沢の雪渓は例年よりだいぶ小さくなっていました。山中ではチシマキンレイカやヨツバシオガマ、エゾノハクサンイチゲ、ウラジロナナカマド、チングルマ、コマクサ、エゾノツガザクラなどが沢山咲いていました。ちなみにトムラウシとはアイヌ語で「花の多い所」という意味。

トムラウシピークに登頂した後は南沼でのキャンプ。この日は風も穏やかで、お花畑に囲まれたカムイミンタラのキャンプ地は最高でした。大きな野兎やナキウサギの姿も観察できました。

翌日は下山の後に狩勝峠を越え、宿泊ベースを十勝岳温泉白銀荘へ移します。夕食は上富良野の焼肉店「まるます」にて。ここの焼肉はもちろんのこと、名物豚サガリは絶品です。しかも安い!鹿焼肉もいただきましたが、臭みが全くなく美味でありました。

まるますの鹿の焼肉
まるますの鹿の焼肉

そして18日は富良野岳へ。この日は曇っていてやや風がありましたが、やっぱり富良野岳のお花畑は凄いの一言。北海道随一といっても過言ではありません。頂上直下はハクサンイチゲやチシマノキンバイソウの群落で埋め尽くされていました。ここは百名山でこそありませんが6時間ほどで往復できるので、手軽なトレッキングと高山植物観察をご希望の方にはぜひおすすめしたい山です。もちろんカミホロまで縦走してじっくり登山を楽しむのにも良いでしょう。

で、下山後は富良野の駅前にあるしゃぶしゃぶ屋「千成」にて夕食。はっきり言ってこのお店は伝説レベルです!名物「ラムしゃぶ」が絶品であることは言うまでもないのですが、そのお値段でなんと一人前千円ぽっきり。ボリューム満点なお肉と野菜、しらたき、お豆腐、俵おにぎり、〆のラーメン等がセットになってこのお値段なのです。別に安さで勝負してるわけでもなくて、間違いなく美味いのが素晴らしいですな。

千成のラムしゃぶセット
千成のラムしゃぶセット

そして最終日は十勝岳へ。十勝岳はやはり火山のダイナミックな景観が魅力ですが、そんな強酸性の荒々しい風景の中にもメアカンキンバイやマルバシモツケをはじめとする高山植物がたくましくも結構咲いており雅を添えています。この日もやや風が強く、しかも南風であったため火山性の噴気の影響で若干咳が出ましたがマスクを持参していたため大丈夫。気管の弱い方は特に注意された方がよろしいかと思います。山からは美瑛のパッチワークの丘や旭川の街、芦別岳や表大雪なども見えていました。

とまぁ、今回T様には思う存分北海道の自然とグルメの両方を満喫していただけました。いや~、北海道の底力を見せつけてしまいましたね。T様!また遊びにいらっしゃってくださいね!

ボッカ業務からの道東三山ツアー、そしてまたボッカ業務

みなさまお久しぶりです。すっかりと夏山登山ガイド業務の日々を過ごしております。ず~っと出ずっぱりで山中に居りまして、なかなか連絡が取れなかった関係者の皆様すいません。

6月下旬から2週間ほど知床連山にてボッカ業務を行っておりますまして、ウトロに長逗留しておりました。今年の知床は驚くほど雪が少なく、すでに雪渓はほぼ無くなってしまいました。花が早めに咲いていて、この時期訪れられたお客様はラッキーでしたね。

羅臼岳から知床連山
羅臼岳から知床連山

ボッカ業務が終わったら、直ぐに道東三山(羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳)登山ガイドツアーをお馴染みの知床山考舎の伊藤ガイドと共にご一緒させていただきました。伊藤ガイドとはデナリにも一緒に行った腐れ縁ですので、もはや勝手知ったるコンビネーション。小難しい説明やレクチャーは彼女に任せて、私は肉体労働と無駄話に徹底いたします(嘘)
羅臼岳も斜里岳も雌阿寒岳も良い天気に恵まれ、絶好の登山日和でしたね。どの山でも一足も二足も早く花が咲いていて、お客様は写真を撮るのに忙しかった模様。

そして、道東三山登山ガイドツアーが終わった翌日からは、またボッカ業務で雌阿寒岳へ。なかなか体力勝負な今日この頃ですが、間髪入れずお仕事がドシドシ入ってうれしい限りです。

さて、お次はトムラウシ登山ガイド編にてお会いいたしましょう~!

2019年6月13日~15日 知床連山縦走登山ガイド ~Walk along the Shiretoko mountain range~

とっても雪が少ない今シーズンの北海道の山々ですが、知床も例外なく近年まれに見るほどの早い雪解けとなりました。そんなこんなで、知床連山ガイド登山一発目。今年は多分私たちが今シーズン最初のパーティではないでしょうか。

ご一緒させていただいたのは、フランスからおこしのMr, G氏とDr, Mさんご夫妻。最近とみに国際色豊かな北海道観光のシーンですが、とうとう僕にもフランスからのガイドオファーが舞い込んでくるはこびとなってまいりました。

羅臼岳のウコンウツギ
羅臼岳のウコンウツギ

このお二人はご年齢もお若く海外のトレッキングも多彩にご経験されている強者、はっきり言って知床連山ガイドプランは甘くないですが、この方達なら大丈夫!また存分に楽しんでいただけることだろうということで、2泊3日のガイドプランの行程でご案内させていただきました。

シレトコスミレ
シレトコスミレ

途中、ガスがかかったり、雨が降ったり、晴れて暑くなったり、強風に吹かれたり、おおよそカレイドスコープのごとく知床の、くるくる変わる天候もしっかり体験していただきつつ、わたくしのブロークン極まりない英語ガイディングと共に歩は進んでいきます。かえってフランスでの事や海外のハイキング事情など伺ったりというのは毎度のことではあります。

硫黄山・第一火口
硫黄山・第一火口

ハイマツのトンネルにキバナシャクナゲが咲き乱れ、イソツツジの芳香が心地よく、シレトコスミレもそこかしこで沢山咲いておりました。どうしてあなたたちは厳しい荒れた、この岩の風衝地で可憐な美しさを競っているのでしょう。

硫黄山アタックポイント付近
硫黄山アタックポイント付近

知床連山ガイド登山一発目としては早くもですが、ちゃんと第一火口のフードロッカーも二つとも雪の中から掘り出しておきましたよ。
知床連山ルート中では、サシルイ・オッカバケの東斜面側、硫黄山第一前衛峰手前の登り、硫黄山アタックポイント付近などにはまだ大きな雪渓が残っていますので、行かれる方はお気をつけください

オンネトートレッキング

今年は早い時期から雌阿寒岳登山ガイドやオンネトーのトレッキングプランのご案内をさせていただいております。
6月初めには雌阿寒岳に委託業務にて資材搬入も行ってまいりました。いわゆるボッカというやつですね。今回は総重量で100キロ程度の荷揚げだったのですが、デナリ遠征での地獄のソリ曳き訓練が効いたのか以前よりは楽にやれました。

今年は4~5月が暖かかったので雪解けが異常に早く、花の開花も例年以上に早かったです。オンネトー湖畔のオオサクラソウはもう終わりを迎えています。現在のところツマトリソウやズダヤクシュ、ミツバオウレンなどが咲いてますね。

このトレッキングプランのご案内の日は割合と寒い日で、湖面には霧がかかっていました。こんな雑誌の写真とは異なるオンネトーの姿も赴きのあるものです。