2026/07/26 トムラウシ登山ガイドレポート:短い夏を彩るお花畑と試練の登山道

皆様こんにちは!登山ガイドの西田です。 本日は、2026年7月26日に催行したトムラウシ山のレポートをお届けします。

北海道の短い夏が本格化するこの季節、大雪山の深部に鎮座する「北海道の百名山中の難峰」トムラウシ山へ、お客様のH様と共に登ってきました。前日のタイヤパンクのトラブルからも復活!
現地コンディションや、ルート上の見どころを写真とともにお伝えします!

📊 本日の山行データ

  • 日程: 2026年7月26日(日)
  • ルート: トムラウシ温泉短縮登山口コース(往復)
  • 天候: 晴れのち曇り(山頂付近は一時ガス)
  • 気温: 登山口 18°C / 山頂付近 10°C前後

🌸 見どころ:今まさにピークの高山植物

短くも鮮やかな北国の夏。登山口から標高を上げるにつれて、次々と可憐な高山植物たちが迎えてくれました。

  • チングルマ・エゾノツガザクラ・アオノツガザクラ: 前トム平付近からお花畑が一面に広がっており、登りの疲れを優しく癒やしてくれます。
  • チシマノキンバイソウ・チシマフウロ:コマドリ沢の雪渓の消えた跡がお花畑に。
  • チシマキンレイカ・チシマツガザクラ・コマクサ・ウスユキトウヒレン・タカネシオガマ:稜線上部の岩稜帯に色とりどりに咲いていました。
  • エゾコザクラ: 雪解けが遅かった湿り気のある場所で、群生してピンク色の絨毯を作っていました。

🥾 本日のルート状況とコンディション

① 樹林帯~前トム平

登山口からの樹林帯は前日までの雨の影響で一部ぬかるみや湿った岩がありましたが、慎重に進めば問題ありません。 前トム平に出ると視界が一気に開け、これからの長い道のりと、彼方に見えるトムラウシ山の堂々とした山容が雲間より姿を現します。空気がやや涼しかったため、ここで一枚レイヤリング(防風着)をプラスしました。

② ガーデン(日本庭園・天人ヶ原)~山頂

トムラウシ山の真骨頂といえば、この巨大な岩が折り重なる「トムラウシ公園」。 このエリアは霧が流れたり晴れたりと目まぐるしく天候が変わりましたが、ガスの合間から青空と荒々しい岩稜帯のコントラストが美しく映えました。足場の悪い大きな岩石帯が続くため、一歩一歩確実に足を置くよう声掛けを行いながら卒なくクリア。

③ 山頂へ

最後の登り斜面を登りきり、無事にトムラウシ山山頂(標高2,141m)に登頂成功! 比較的頂上は穏やかで、若干ガスに巻かれながらも雲の切れ間から十勝平野や遠くの山々が顔を覗かせ、登頂の達成感を分かち合いました。風を避けられる岩陰で、行動食を取りつつ、のんびりと休憩しつつ、贅沢な時間をすごしました。

💡 ガイドからのアドバイス(これからの時期に登る方へ)

  • 泥濘(ぬかるみ)対策: 登山道は濡れている箇所が多いです。カムイ天上のあたりなんかは、もうヌタヌタ!スパッツ(ゲイター)の着用がおすすめです。
  • 寒暖差への備え: 下界は暑くても、稜線や山頂で風に吹かれると一気に体感温度が下がります。フリースやレインウェアなどの防風・防寒着を必ずお持ちください。
  • 水分と行動食: 往復約10時間を超える長丁場です。こまめなエネルギーチャージ・水分補給を心がけましょう。

ご参加いただいたゲストのH様、本当にお疲れ様でした! タフなコースでしたが、最後まで笑顔で歩き切っていただけたこと、ガイドとしても大変嬉しく思います。この度はありがとうございました!

2026/07/22:日本百名山・斜里岳を登る!(新道往復コース)

こんばんは!登山ガイドの西田です。

7月22日に実施した斜里岳(新道往復コース)のガイドプランの様子をお届けします。道東を代表する名峰であり、「日本百名山」としても知られる斜里岳。その魅力と当日のコースコンディションを振り返ります!

⛰️ 当日のコースコンディションと天気

  • 日時: 7月22日
  • ルート: 斜里岳・新道コース往復
  • 天候: 晴れのち曇り(山頂付近は爽やかな風が吹く絶好の登山日和)

斜里岳の登山道は下二股から「旧道」と「新道」に分かれています。旧道コースは沢を何度も渡るアドベンチャー感あふれるルートですが、この日の旧道コースは前日までの雨の影響もありやや水が多め。転倒リスクや足元の滑りやすさを考慮し、今回は安全かつ確実に山頂を目指せる「新道コース」の往復を選択しました。

新道コースは、緩やかな樹林帯から始まり、徐々に視界が開けていく変化に富んだ登山道です。

🌸 今が見頃!登山道を彩る可憐な高山植物たち

「花の百名山」の異名を持つ斜里岳。7月下旬の新道コースは、まさに高山植物の楽園でした!

登り一辺倒のつらい登りも、足元に咲く花々が心を癒やしてくれます。

  • チシマノキンバイソウ:上二股の上部より出現。上品な黄色のお花が登山者を迎えてくれます。
  • エゾノツガザクラ:登山道上部のあちこちに群生が見られました。
  • イワギキョウ:馬の背から上の岩稜で見られました。
  • ミヤマダイコンソウ:馬の背の下あたりの登山道脇にひっそりと咲いていました。
  • フタマタタンポポ:山頂直下、斜里岳神社周辺のザレ場に咲いていました。
  • エゾカンゾウ:斜里岳神社周辺に群生していました
  • ヨツバシオガマ:主に山頂直下の岩場付近

参加されたお客様も、上部のお花畑の群生に感動されて足を止めてはカメラを向けていらっしゃいました。

🪨 新道コースの見どころと登山のポイント

新道コースは旧道のような沢登り要素はないものの、侮れない登りごたえがあります。

  1. 馬の背・見晴台までの登り樹林帯の中をジグザグと登っていきます。しっかりとした傾斜がありますが、整備が行き届いており歩きやすい道です。木々の隙間からオホーツク海や知床の山並みがチラリと見え隠れし、モチベーションが上がります。
  2. ハイマツ帯と稜線歩き森林限界を超えると、一気に視界が360度パノラマに広がります!冷涼な風が心地よく、火照った体をクールダウンしてくれます。ここからの斜里岳のピーク(本峰)の眺めは圧巻です。
  3. 山頂直下の岩場最後のひと踏ん張りは、火山特有のザレ場や岩場になります。ストックをしまって、三点支持を意識しながら慎重に登頂を目指します。

☀️ ついに山頂へ!大パノラマのご褒美

そして11時頃、無事に斜里岳山頂(標高1,547m)に全員で登頂成功しました!

山頂からは、知床連山、斜里平野、そして遠くは阿寒・屈斜路の山々まで見渡す大絶景!

少し雲が流れる瞬間もありましたが、時折差し込む太陽の光が眼下の景色を美しく照らし出し、登頂の疲れを完全に吹き飛ばしてくれました。

風を少し避けられる岩陰で、行動食や温かいお茶の美味しいこと……!これぞ登山の醍醐味です。

📝 ガイドからのまとめ

下山も同じ新道コースを慎重に下ります。下りは膝や足首への負担がかかりやすいため、歩幅を小さくし、確実な足場を選びながらゆっくりと下山完了。全員怪我なく、無事に登山口へ戻ってきました。

7月下旬の斜里岳は、新緑の美しさと高山植物の華やかさを同時に楽しめる、非常に素晴らしいシーズンです。

「沢を歩く旧道はちょっとハードルが高いけれど、斜里岳の絶頂を味わいたい!」という方には、新道往復コースは本当におすすめですよ。

ご参加いただいたH様、本当にお疲れ様でした!また次の山でお会いできるのを楽しみにしております。

2026/07/20 夏山シーズン本番!トムラウシ山登山ガイド

皆様こんにちは!登山ガイドの西田です。
7月20日、夏山シーズン真っ只中のトムラウシ山へガイド計画で登ってきましたので、現地の最新状況をお届けします!

### 📊 7月20日の山行データとコンディション

* **天候:** 曇のち一時ガス&霧雨のち晴れときどき曇り
* **気温:** 麓は約20℃前後、山頂付近は約12℃(風が吹くと肌寒く感じます)
* **ルート:** トムラウシ山(短縮登山口コース往復)
* **雪渓状況:** 主要なルート上の雪渓はコマドリ沢上部を除いて消失。慣れている人であればアイゼン等は不要でした。

### 🌸 本日のハイライト:咲き誇る高山植物

今の時期のトムラウシ山最大の魅力は、なんといっても「北海道の楽園」にふさわしいお花畑です!
標高を上げるにつれて次々と現れる可憐な花々が、登山者の疲れを優しく癒やしてくれました。

* **主な開花状況:**
* チングルマ(綿毛と見頃の花が混在)
* エゾノツガザクラ・アオノツガザクラ
* キバナシャクナゲ
* チシマキンレイカ
* チシマツガザクラ
* ウスユキトウヒレン

特にトムラウシ庭園周辺から北沼にかけてのエリアは、ピンクや黄色、白の絨毯が広がり、まさに絶景でした。

### ⚠️ 今後の登山に向けたアドバイス

1. **天候の急変への備え**
夏山特有の午後のガス(霧)や、局地的な天候の変化が見られました。レインウェア(上下)は必ずザックのすぐ取り出せる場所に入れておきましょう。この日は前日、前々日が大雨で登山道のぬかるみが多く見られました。(前日は東大雪荘までの道が通行止め)
2. **十分な飲料・行動食**
夏山最盛期に入り、日が出るとあたりは急に気温が暑く感じられました。十分な飲料と、行動食を準備しましょう。レイヤードによる脱ぎ着しやすい服装を心がけましょう。
3. **ヒグマ対策**
東大雪荘のホワイトボードによるとヒグマの出没報告が多いようでした。熊スプレー・熊鈴の携帯はもちろん、パーティー全体で周囲への注意を怠らないようにしましょう。

📸 本日のスナップ

> 「日本百名山の中でも屈指の奥深さを誇るトムラウシ山。苦労して登った先にあるトムラウシ庭園の美しさは、何度訪れても感動します。参加されたお客様も、大満足の笑顔で下山となりました!」

以降も安定した夏空が広がることを期待しつつ、安全第一でガイドを務めてまいります。
これからトムラウシ山に挑戦される皆さんも、素晴らしい山旅になりますように!
S様この度はありがとうございました!また遊びにいらっしゃってくださいませ!

【登山再開!】7月17日 羅臼岳登山ガイド:新緑と満開の高山植物に囲まれて

皆様、こんばんは登山ガイドの西田です。

7月17日は素晴らしいお天気に恵まれる中、お客様と一緒に知床連山の主峰・羅臼岳へ行ってきました!

御存知の通り羅臼岳は昨年の登山道閉鎖以降、7月5日に登山が再開され、7月9日にヒグマの危険遭遇事例により再閉鎖、7月16日に再び再開となりました。関係者の困惑が伺い知れるようですが、今回は6名パーティということもあり、慎重に慎重を重ねて登ってみました。

7月の羅臼岳は、まさに「夏の美しさと厳しさが同居するベストシーズン」。大満足だった一日の様子をレポートします。

🏔️ 今回の登山ルートとコンディション

  • 日程: 2026年7月17日(金)
  • 天候: 晴れ(大沢以降は心地よい風)
  • ルート: 岩尾別温泉登山口 ~ 大沢 ~ 羅臼平 ~ 羅臼岳山頂(往復)

🌸 見どころ:高山植物の楽園&羅臼平〜頂上からのダイナミックな景色

この日は晴れて気温は高め。登山道下部の樹林帯では大汗をかきながらも、弥三吉水、銀冷水を経て大沢に抜けると心地良い風が吹いてきました。そして今年は雪渓が溶けるのが遅かったため、まさに今が花の最盛期!大沢から天にも続かんばかりに エゾコザクラのピンク、そしてチシマノキンバイソウの黄色、チングルマの白い絨毯、キバナシャクナゲの群生などが広がっており、お客様からも「なんと素晴らしい!」と歓声が上がりました。羅臼平からは羅臼側の雲海の上に浮かんだ国後島が望め、頂上からは知床連山のはるかなる野生の景色が広がっておりました。

🥾 ドキュメント:木漏れ日の森から岩の頂へ

🟢 AM 5:30|岩尾別温泉からスタート

朝一番の澄んだ空気の中、クマゲラが新緑の森に遊ぶ声を聞きながら進みます。ヒグマの出没時に即座に対応できるように、ベアスプレーを携帯し、声を掛けながら慎重に歩みを進めます。他の登山者はやはり少なめ。

⬜ AM 8:30|大沢の花園

羅臼岳の夏登山のポイントといえば、この時期雪渓が消えた後のお花畑です。 7月中旬になり雪解けは進んでおり、第一の岩場の下に少し溶け残るのみです。そんな雪渓の跡には、これでもかとばかりにお花畑が広がっておりました。今年は高山植物の当たり年のようで、7月半ばでこんなにエゾコザクラの群生が綺麗な事は珍しいですね。振り返るとオホーツク海が青く輝いていました!

🟡 AM 10:00|羅臼平から岩塊の山頂へ

フードロッカー(食料の保管庫)がある羅臼平で一息つき、いよいよ最後の難関、山頂の巨岩帯へ。ここからは三点支持を意識して、ゴツゴツとした岩を登っていきます。

🔵 AM 11:15|羅臼岳山頂(1,660m)に到着!

ついに登頂!山頂からは、北方領土の国後島や、遥か先へと続く知床連山の稜線が一望できる360度の大パノラマが広がっていました。 遮るもののない山頂で食べるお弁当は格別です!

⚠️ 今後の登山を計画されている方へ(ガイドからのアドバイス)

羅臼岳へ登られる方は、以下のポイントに注意してください。やっぱりヒグマは大きな懸念点です。しっかりと安全対策をしつつ挑みましょう。

  1. 単独行動は避ける!ヒグマは野生生物です。「こいつは倒せる奴かどうか」を観察しています。
  2. 音を出しながら歩くこと。自分の存在を熊に知らせましょう。しかし音を出しても逃げない熊もいます。そういう個体は危険かもしれません。
  3. 熊スプレーを携行しましょう。ただし熊スプレーを咄嗟に撃つのは難しいです。絶対条件としてはすぐ構えられるように。ザックのサイドコンプレッションに付けても無意味です。
  4. 絶対に食べ物や、ザックのサイドポケットのスポドリのボトルなどを落とさない。

✨ 最後に

夏山シーズン真っ只中の羅臼岳は、どこを切り取っても絵になる美しさでした。ご参加いただいた皆様、本当にお疲れ様でした!

知床の自然は厳しくも、それ以上の感動を与えてくれます。 安全第一で、最高の夏山シーズンを楽しみましょう!次回のガイドツアーもお楽しみに。

【山行中止の判断】2026年7月12日 トムラウシ山ガイドプラン

こんにちは。登山ガイドの西田です。

2026年7月12日に予定しておりました「大雪山国立公園・トムラウシ山(短縮コース)」のガイドプランですが、大変残念ながら安全を最優先し、催行中止といたしました。楽しみにされていたお客様には、苦渋の決断となりましたことを心よりお詫び申し上げます。

さて、この中止プラン、なかなか判断は難しかったですが、蓋を開けてみれば結果オーライとなりました。この日の天気予報は曇りのち雨。午前中の早い時間は曇で徐々にかなり崩れてくるというパターン。気象庁の早期注意報予測では、大雨・土砂災害の警報級の可能性「中」が付いていました。あと、雷の注意報も。

眼前の空模様にだけ惑わされてはいけない高難度パターン…。いやいやこれは、雷や大雨にやられる可能性大と考え、入山前に中止を決定。お客様はリピーター様だった事もあり、富良野観光に転進(ラベンダー畑、ワイナリー、デリス、スープカレーなどなど)ということでご了解をいただけました。午前中は晴れ間も見えていたりして、これは予報が外れたかと不安になりつつも、徐々に天候は悪化。富良野のワイナリーにつく頃には激しい雷雨となり、一時的にトムラウシ線も通行止めに。いや〜行かないでよかった〜ということで難を逃れました。まぁこんなこともありますよね…。

M様、S様また次の機会でよろしくお願い致します〜!

【北海道登山遠征】天塩岳・芦別岳・夕張岳・暑寒別岳・ニセイカウシュッペ山 、7月5座踏破の全記録! 〜大雪・道央・道北の名峰を巡る〜

皆様こんにちは、登山ガイドの西田です。今回は最近では人気の高くなっている北海道の200名山および300名山を含む、玄人好みの名峰5座を1週間強で駆け抜けるという、なかなかにタフで魅力的な大計画を行ってまいりました。本当はさらにオプタテシケとニペソツも候補に上がっていましたが、この二座の予定は天候の関係でレスト日に。お客様と相談の上で、天気や移動や身体に関して、無理のない範囲で戦略を練りながらの催行といたしました。

7月上旬から中旬にかけて、北海道の厳しくも美しい名峰5座を巡るプライベートガイド計画を催行!
大雪山系の隠れた名峰から、道央の鋭峰、そして花の百名山まで、北海道の山の深さと多様性を一気に味わいつくす贅沢な9日間。

今回は、ドラマチックだった各山の山行の様子を、ギュッと凝縮してレポートします!

日程:2026年7月8日・天塩岳、9日・芦別岳、13日・夕張岳、14日・暑寒別岳、15日・ニセイカウシュッペ山

🏔️ 各山行のハイライト

7月8日:天塩岳(てしおだけ)/ 1,558m

【天塩川の源流を辿り、静寂の頂へ】 遠征のスタートは、北海道・道北の名峰・天塩岳から。 前ノ沢コースから沢沿いを進み、美しい樹林帯の中を高度を上げていきます。サラサラと流れる清流の音に癒やされながら急登をこなすと、目の前には大雪山系の雄大なパノラマが! 前天塩岳の岩場ではナキウサギにも出会えました。登山者が少なく、北海道本来の「静寂と深い自然」を肌で感じられる最高の滑り出しとなりました。

7月9日:芦別岳(あしべつだけ)/ 1,726m

【鋭利な岩峰が魅せる、道央の槍ヶ岳】 2日目は一転して、険しい岩容を持つ「新道コース」から芦別岳へ。 中半の樹林帯を抜けると、目の前に現れるのは圧倒的な存在感を放つ本谷と夫婦岩。アプローチは長くタフですが、山頂に立った瞬間の達成感はひとしおです。振り返れば、富良野盆地が見下ろせ、十勝連邦が雲の中から顔をのぞかせていました。

💡 ガイドメモ 芦別岳の新道は距離・標高差ともに体力が求められるタフなルートです。夏場は熱中症対策と、十分な水分(最低2L以上)の携行が必須です。

7月13日:夕張岳(ゆうばりだけ)/ 1,668m

【花の名山、高山植物の楽園】 数日間の移動と調整を挟み、今回のハイライトの一つでもある夕張岳へ。 冷水コースから登り、前岳、ガマ岩を越えれば、そこは天空の楽園「蛇紋岩崩壊地」。天然記念物ユウバリソウは終わりを迎えていましたが、グンナイフウロやシロウマアサツキ、ウサギギク、ユキバヒゴタイ、ヒメイワタデなど、この山ならではの高山植物たちが私たちを迎えてくれました。まさに「花の百名山」の名に恥じない、楽園のような1日でした。

7月14日:暑寒別岳(しょかんべつだけ)/ 1,492m

【残雪と大雪原、日本海を望む大パノラマ】翌日は 夕張から一気に北上し、増毛山地の主峰・暑寒別岳へ(暑寒ルート)。 この日の暑寒別岳はややご機嫌斜め。天気予報に反してシトシトと雨粒が振ってきます。長い尾根歩きもお客様とあ〜でもないこ〜でもないとお話しながら歩みを進めていけば、時が立つのは早いもの。気づいてみればあっさりと佐上台へ。滝見台へ付く頃には幸い雨も止んで、足取りも軽やかに頂上稜線へ。山頂での休憩を経て下山する頃には太陽も見えてきつつ日本海を見下ろすことができ、山と海が一体となった北海道ならではのスケール感を堪能しました。

7月15日:ニセイカウシュッペ山 / 1,883m

【フィナーレは表大雪の大展望】 遠征のフィナーレを飾るのは、奥大雪に位置するニセイカウシュッペ山。 前日の雨でややぬかるんだ登山道を抜け、小槍大槍を越えると、目の前にドカンと現れるアンギラス(軍艦山)の奇岩と、表大雪のオールスター(旭岳、トムラウシ山など)の大パノラマ! 最終日にふさわしい、これ以上ない青空と大絶景の中で、今回の無事な全山登頂を全員で祝い合いました。お花畑のスケール感の大きさもこの山ならではの圧巻の景色。

📝 ガイド総括&アドバイス

今回の5座は、どれも北海道の山の「一歩深い魅力」が詰まった素晴らしい選定でした。

山名難易度主な見どころ・特徴
天塩岳★★☆☆☆静かで深い森。稜線の景色。ナキウサギ
芦別岳★★★★☆アルパインな岩容と、登りごたえのある急登
夕張岳★★★☆☆高山植物の宝庫、芦別岳や十勝連邦の雄大な景色
暑寒別岳★★★☆☆稜線から見下ろす雨竜沼湿原、日本海の展望
ニセイカウシュッペ山★★☆☆☆大雪山系の圧倒的な展望とドラマチックな稜線

7月の北海道は高山植物が最盛期を迎えるベストシーズンですが、同時に「ヒグマ対策」「急な天候変化への対応」など、確かな技術と経験が求められます。また、ニセイカウシュッペ山や夕張岳などの長い林道での運転には注意を要します。

特に今回のような連戦スケジュールでは、毎日の疲労回復とペース配分が完登の鍵となります。疲れたり調子が悪くななったら休息も必要です。また、その都度の天候判断による臨機応変な戦略、十分で余裕のある日程・姿勢が計画と鍵となりました。

ちなみに、最後は上川のいきいきセンターにてお風呂&よし乃にてラーメンを食し〆。ご参加いただいたI様、本当にお疲れ様でした!またいつでも北海道へ遊びに来てくださいませ〜。

2026年7月4〜6日(予備日7日) 旭岳〜トムラウシ縦走登山ガイド

7月上旬の表大雪から東大雪へと繋ぐ「旭岳〜トムラウシ縦走」。高山植物が一斉に咲き誇り、日本離れしたスケールの大きな景色が広がる、まさに国内最高峰の縦走ルートです。今回は、7月4日〜6日(予備日7日)に開催された2泊3日の登山ガイドプランの様子をレポートします。

🏔️ 計画概要

  • 日程: 2026年7月4日(土)〜7月6日(月)[移動日:7月3日(金)、予備日:7月7日(火)]
  • ルート: 旭岳温泉 ~ 旭岳 ~ 白雲岳避難小屋(泊) ~ 忠別岳 ~ ヒサゴ沼(泊) ~ トムラウシ山 ~ 短縮路登山口
  • 宿泊形態: 白雲岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋(今回は両夜とも小屋泊を利用)

🥾 縦走レポート

【Day 1】7月4日:カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)の懐へ

ルート:旭岳ロープウェイ姿見駅 ~ 旭岳 ~ 裏旭 ~ 白雲岳避難小屋

初日は旭川から移動し、旭岳ロープウェイを利用して一気に標高を上げ、姿見駅からスタート。北海道最高峰・旭岳(2,291m)への登りは砂礫の急登ですが、一歩ずつ高度を稼ぎます。山頂からは、これから歩む大雪山の広大な大パノラマがお出迎え。

裏旭の雪渓を慎重に下り、お鉢平のダイナミックな景観を横目に進むと、足元にはエゾタカネスミレやコマクサなどの高山植物が優しく咲き誇っていました。この日の宿、新しく綺麗な白雲岳避難小屋に到着後は、夕日に染まるゼブラ雪渓を眺めながら、翌日への期待に胸を膨らませました。※テント場にはヒグマが現れたりしているため閉鎖中でした。

【Day 2】7月5日:大雪山の核心部、遙かなる平原をゆく

ルート:白雲岳避難小屋 ~ 高根ヶ原 ~ 忠別岳 ~ 化雲岳 ~ ヒサゴ沼避難小屋

この縦走のハイライトとも言える、日本屈指のロングトレイルへ。 白雲岳避難小屋を出発すると、目の前に広がるのは「高根ヶ原」の文字通り天空の平原。どこまでも続く木道と、巨岩が転がる忠別岳への登り、そして高原敷に広がるお花畑――。キバナシャクナゲ、ミヤマタネツケバナ、ウルップソウ、エゾオヤマノエンドウなどが沢山咲いておりました。本州の山では味わえない圧倒的なスケール感に、お客様からも感嘆の声が漏れます。ヒグマの痕跡は数多く有り、あたりに注意を配りながらも進みました。

化雲岳(かうんだけ)を越え、残雪の斜面を下りていくと、静寂に包まれたヒサゴ沼避難小屋に到着。湖畔に佇む美しい小屋で、軽量特化の乾燥野菜の鍋やアルファ米などの温かい夕食を囲み、一日の疲れを癒やしました。小屋には他に佐々木翔平ガイドが率いるツアーグループも居て、彼が言うには午前中は天沼の辺りから雪渓の上にヒグマが歩いているのが見えたとのこと。

【Day 3】7月6日:神々の座、トムラウシ山頂へ

ルート:ヒサゴ沼 ~ 日本庭園 ~ 北沼 ~ トムラウシ山 ~ 前トム平 ~ 短縮路登山口

最終日は、いよいよ聖地・トムラウシ山(2,141m)を目指します。 ヒサゴ沼から雪渓が大きく残る登山道を詰め、巨岩が織りなす「日本庭園」へ。残雪と高山植物、岩のコントラストが庭園のように美しいエリアを抜けると、山頂直下の「北沼」が現れます。まだ一部に氷雪を残す神秘的な沼の横を通り、最後の岩場を登りきると……ついにトムラウシ山頂に到達!

360度の大パノラマを堪能した後は、前トム平を経てカムイ天上、そして短縮路登山口へ。長い下り坂を全員で声を掛け合いながら無事に下山。達成感に満ちた最高の笑顔でツアーを締めくくりました。

💡 ガイドからのワンポイント・総括

7月上旬の大雪山は、「最高の高山植物」と「残雪への対応」が同居する季節です。

  • 雪渓の歩行: 裏旭やヒサゴ沼周辺、日本庭園付近など、例年この時期はまだ大きな雪渓が残ります。今回は6本爪軽アイゼンを状況に合わせて使用し、安全第一で通過しました。
  • 防寒と防水: 晴れれば楽園ですが、遮るもののない稜線で雨風に晒されると一気に体温が奪われます。予備日(7日)を設定したゆとりある計画だったからこそ、天候を見極め、終始安全なペース配分で素晴らしい縦走を完遂することができました。

予備日は釧ちゃん食堂の海鮮丼や、豚田の豚丼などをご賞味いただき楽しく過ごしました。ちなみに入山前の移動日(3日)に旭川で食べたスガワララーメンの塩ラーメンは衝撃的な美味しさでした。

ご参加いただいたI様、O様、本当にお疲れ様でした!また次の計画でお会いしましょう。

2026年6月28日 雄阿寒岳登山ガイド

初夏の爽やかな風と、力強い緑に包まれる季節。今回は6月28日に案内した、神秘の山・雄阿寒岳(標高1,370m)の登山ツアーの様子をレポートします!

阿寒摩周国立公園のシンボルであり、深田久弥の日本百名山にも選ばれている雄阿寒岳。雌阿寒岳の活発な火山風景とは対照的に、鬱蒼とした原始林と苔むした世界が広がる、まさに「静寂の山」です。

⛰️ 登山ルート・概要

  • コース: 滝口登山口 ~ 一合目(滝見池) ~ 五合目 ~ 雄阿寒岳山頂(往復)
  • 歩行時間: 約5時間〜6時間(休憩含む)
  • レベル: 中級向け(急登や岩場あり)

🥾 当日のタイムライン&ハイライト

🌲 07:30 | 滝口登山口から出発!苔と原始林の世界へ

阿寒湖の東端にある「滝口」から登山開始。一歩足を踏み入れると、そこは外界とは隔離されたような深い針葉樹林。6月末のこの時期は、森の緑が最も瑞々しく、エゾマツやトドマツの巨木が私たちを迎えてくれます。

ガイドのワンポイント:

序盤の「滝見池」周辺は、苔がしっとりと輝いていて最高の癒やしスポット。じっくり足元を観察すると、小さな高山植物やキノコが顔を覗かせています。

🧗 09:30 | 三合目〜五合目:容赦ない「一合一会」の急登

雄阿寒岳の本番はここから。一合目から山頂まで、とにかくひたすら直登が続きます。ジグザグの少ない男らしい(?)ルートです。

標高が上がるにつれ、足元は木の根から徐々に大きな岩がゴロゴロする道へと変わっていきます。息を整えながら、一歩一歩確実に登っていきました。

🌸 11:00 | 八合目:視界が開け、高山植物の楽園へ

樹林帯を抜けると、一気に視界が広がります!この日はハイマツの緑が鮮やかで、6月下旬ならではの高山植物(イワヒゲやコマクサの蕾など)が少しずつ姿を現してくれました。

振り返ると、眼下には美しく輝く阿寒湖、そして遠くにはペンケトー・パンケトーの神秘的な湖群が!この絶景を見た瞬間、これまでの疲れが吹き飛びます。

👑 11:45 | 雄阿寒岳 山頂(1,370m)到着!

無事に山頂に到着!

山頂からは、対角線上に佇む雌阿寒岳阿寒富士がくっきりと見えました。荒々しく噴煙を上げる雌阿寒岳を、こちらの雄阿寒岳から静かに見下ろす贅沢。

心地よい山頂の風に吹かれながら、皆さんでお弁当を食べ、最高の達成感を味わいました。

📝 6月28日の登山を振り返って(ガイドより)

6月28日の雄阿寒岳は、「夏山の始まり」を感じる最高のコンディションでした。

この時期の注意点として、以下のポイントが挙げられます。

項目状況とアドバイス
気温・服装登り始めは汗ばみますが、八合目以降の稜線や山頂は風が強く肌寒いです。ウインドブレーカーやレインウェア(防風用)は必須
虫対策森の中はブヨや蚊が活動し始めています。ハッカ油や虫除けスプレー、防虫ネットがあると快適です。
体力配分急登が続くため、ふくらはぎへの負担が大きいです。歩幅を小さく、ゆっくり登るのがバテないコツです。

これからはコマクサなどの高山植物が本格的な見頃を迎えるベストシーズン!

次回のツアーも、安全第一で素晴らしい景色をご案内します。

ご参加いただいたS様、本当にお疲れ様でした!また一緒に北の大地を歩きましょう!

2026/06/23~26 道東トレッキング・自然満喫リクエストプラン

初夏の風が心地よく吹き抜ける6月23日〜26日の4日間、道東の魅力を一気に駆け抜けるプライベートトレッキングツアーのガイドを務めさせていただきました。

新緑の美しさ、ダイナミックな火山地形、そして道東ならではの野生動物との出会いなど、毎日がハイライトの連続だった4日間の様子をレポートします!

【1日目:6月23日】タンチョウとの出会いと、大地の息吹を感じる火山トレック

  • コース: 釧路市丹頂鶴自然公園 〜 阿寒・白湯山(はくとうざん)トレッキング

釧路市丹頂鶴自然公園&阿寒国際ツルセンター

旅の始まりは釧路から。まずは「釧路市丹頂鶴自然公園」と「阿寒国際ツルセンター」へご案内しました。

この時期は運が良ければ春に生まれたばかりのヒナに会える季節。今年も愛らしい姿を見せてくれ、お客様からも思わず笑みがこぼれます。優雅に佇む親鳥の姿は、まさに道東のシンボルそのものです。

阿寒・白湯山トレッキング

午後からは阿寒湖畔へ移動し、白湯山へ。

ここは、かつて火山活動によってできた「ボッケ(泥火山)」や気孔が点在する、大地のエネルギーを間近に感じられるトレイルです。

新緑の森を抜けると、あちこちから勢いよく吹き出す白い湯気と、硫黄の香りが。この季節はしばしばキタキツネの子供達が元気に森の中で遊んでいる姿を観察出来ます。阿寒の豊かな自然が、この火山の恵みによって育まれていることを体感できる素晴らしいスタートとなりました。

【2日目:6月24日】屈斜路カルデラを遊び尽くす!大パノラマと神秘の森

  • コース: 美幌峠 〜 和琴半島トレッキング 〜 藻琴山(もことやま)登山

美幌峠

朝一は、天下の絶景・美幌峠へ。

目の前に広がる日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖(くっしゃろこ)」の青さと、中央に浮かぶ中島。息をのむほどの大パノラマに、お客様もしばし言葉を失うほどでした。

和琴半島トレッキング

峠を降りた後は、屈斜路湖に突き出た和琴半島へ。

1周約3kmの散策路は、巨木の森と湖畔のコントラストが美しい癒やしのルートです。ここでも半島の先端近くでは温泉が湧き出ており、道東の火山カルデラならではの地形をのんびり歩きながら満喫しました。

藻琴山登山

2日目の締めくくりは、屈斜路湖の北側にそびえる藻琴山への登山です。

標高1,000mに満たない山ですが、見晴らしは抜群!ハイマツ帯を抜けて山頂に立つと、午前中にいた美幌峠や和琴半島、さらには遠く知床連山まで見渡せる360度の大展望が待っていました。心地よい疲労感とともに、カルデラの大きさを再確認した一日です。ただし、6月はダニが多いので要注意!下山後のダニチェック&温泉はかかせません。

【3日目:6月25日】カルデラ壁の稜線歩きから、太平洋の野生王国へ

  • コース: 西別岳〜摩周岳(カムイヌプリ)登山 〜 尻羽岬(しりぱみさき)ラッコ観察

西別岳〜摩周岳登山

3日目は「霧の摩周湖」の南東に位置する西別岳からスタート。

この時期の西別岳は、初夏の花々が咲き乱れる素晴らしいフラワーロードです。西別岳の山頂を経由し、そのまま摩周湖のカルデラ壁(外輪山)を伝って摩周岳(カムイヌプリ)を目指します。

切り立った崖のすぐ横を歩くルートはスリル満点!眼下に広がる「摩周ブルー」の湖面は、言葉にできないほどの神秘的な美しさでした。

尻羽岬でラッコ観察

山を降りた後は、一気に南下して太平洋に面した厚岸町の「尻羽岬」へ。というのも、翌日は海岸線の海霧(ジリ)が予想されたので、

緑の草原がそのまま海へと落ち込む絶壁の岬です。ここでの目的は、近年このエリアに定住している野生のラッコ!

双眼鏡を覗くと、波間にぷかぷかと浮かびながら毛並みを整える愛らしいラッコたちの姿を無事にキャッチ。山の絶景から海の野生動物まで、道東の多様性を凝縮したような一日となりました。

【4日目:6月26日】旅のフィナーレは、圧倒的なスケールの釧路湿原

  • コース:ノロッコ号〜 釧路湿原展望台 〜 達古武(たっこぶ)自然散策路トレッキング

最終日は、日本最大の湿原「釧路湿原」へ。

釧路湿原展望台

まずは釧路湿原展望台から全体のスケール感を遮るものなく見渡します。どこまでも続く地平線と緑の絨毯は、まさに日本離れしたスケール感です。

くしろ湿原ノロッコ号

午前中は観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」に揺られ、車窓からのんびりと湿原の景色を堪能。歩くのとはまた違う、ゆっくりと流れる北の大地の時間を楽しみました。

達古武自然散策路トレッキング

旅のラストを飾るのは、湿原の東側に位置する達古武自然散策路。

ここは湿原の静寂を肌で感じられる隠れた名ルートです。木道を歩きながら、カヌーが行き交う達古武沼や、湿原特有の植物、そして美しいさえずりを聞かせてくれる野鳥たちに癒やされました。

一歩一歩、4日間の思い出を振り返るようにゆっくりと歩を進め、無事に全行程を終了しました。

ガイドより総括

4日間とも天候に恵まれ、道東の「山・湖・海・湿原」のすべてを五感で味わい尽くす充実のトレッキングツアーとなりました。

初夏のこの時期は、新緑が最も瑞々しく、高山植物も咲き始め、動物たちも活発に活動する最高のシーズンです。

ご参加いただいたR様、本当にお疲れ様でした!また季節を変えて、美しい道東の自然の中でお会いできる日を楽しみにしております。

2026/06/21 ニペソツ山登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。6月21日の夏至、東大雪の気高き尖峰・ニペソツ山(2,013m)のガイド山行の様子をまとめました!プロの登山ガイドの視点から、この時期ならではの魅力とリアルなトレイルの状況をお届けします。

【登山レポート】6月21日 夏至のニペソツ山。残雪と高山植物の楽園へ

6月21日、一年で最も昼が長い「夏至」の日に、深田久弥が日本百名山に入れなかったことを悔やんだ名峰・ニペソツ山へお客さまと共に行ってきました。

現在のメインルートである幌加温泉コースは、往復約25km、標準コースタイム13時間超えのタフなロングトレイル。体力的にはハードですが、それを補って余りある絶景に出会えた一日の記録です。

🏔️ 6月21日現在のトレイル状況と見どころ

1. 樹林帯~前天狗(残雪と踏み抜きに注意)

登山口からしばらくは、美しい針葉樹林の急登が続きます。標高を上げるにつれ、この時期特有の「夏道と雪渓のミックス」に。 前天狗の手前の沢型からは部分的にしっかりとした雪渓が残っており、特に早朝の低気温での雪の氷化によるスリップに注意が必要です。今回はお客様も慣れている方でしたので軽アイゼンで素早く切り抜けられましたが、不安な方は12本爪アイゼンやピッケルの携行をおすすめします。

2. 前天狗~天狗のコル(高山植物の目覚め)

視界が開け、前天狗に飛び出すと目の前に「東大雪の槍ヶ岳」とも呼ばれる鋭利な山容がドカン!と現れ…といいたいところですが、あいにくのガス…。視界は悪いながらも、天候の不安定さはさほど感じられなかったので、更に歩みを進めます。

しかし、この稜線歩きのご褒美が、咲き始めたばかりの高山植物たちです。

  • キバナシャクナゲ(淡い黄色の大きな花がハイマツの緑に映えます)
  • コケモモの小さな蕾
  • メアカンキンバイ(黄色い絨毯のよう)

そして、岩場からは「チチッ、チチッ」とエゾナキウサギの可愛い警戒声が響いていました。運よく岩の隙間から顔を出してくれた姿を観察でき、疲れが一気に吹き飛びます。

3. 天狗のコル~山頂へのビクトリーロード

天狗のコル(鞍部)へ一度大きく下る斜面ではさらに体力が削られます。一歩々々慎重に、下りはスリップに注意しながらステップを刻みます。 ここからの登り返しは岩がゴロゴロした急登。一歩一歩確実に足を運び、ついに標高2,013mの頂へ!

夏至の突き抜けるような青空のもと、山頂からは十勝岳連峰、大雪山系、そしてお隣の石狩岳へと続く大パノラマが広がっていました。遮るもののない360度の絶景は、ロングコースを歩き抜いた人だけが味わえる特権です。

💡 ガイドからのワンポイント・アドバイス

6月下旬のニペソツ山に挑戦する際は、以下のポイントを意識してください。

⚠️ 水分の確保と、ヒグマ対策は万全に

  • 行動水: 遮るもののない稜線歩きが長いため、気温が高くなると一気に水分を消費します。最低でも2.5L〜3Lの水を持参しましょう。
  • クマ鈴・スプレー: 東大雪エリアは濃いヒグマの生息地です。樹林帯では声を出し、必ずクマスプレーをすぐ抜ける位置に装備してください。
  • 行動食: 10時間近い行動になるため、シャリバテ(エネルギー切れ)を防ぐために、歩きながらこまめに補給できるジェルやナッツが有効です。
  • 天候:長い頂上稜線ではしばしば急な天候変化が問題になることがあります。無理のない行動を心がけましょう。

夏至の長い1日をフルに使い、大きなトラブルもなく卒無く幌加温泉へ下山。いや〜えがったえがった。ニペソツ山はこれから本格的な夏山シーズンを迎え、高山植物がさらに咲き乱れます。タフですが、間違いなく北海道屈指の名峰です。ぜひ皆さんも万全の準備で挑戦してみてくださいね。

ご参加いただいたIさま、本当にお疲れ様でした!また次の山でお会いしましょう!