2023/08/10~12(予備日13日)幌尻岳新冠ルート登山ガイド

皆様こんばんは。登山ガイドの西田です。先日は新冠ルートより幌尻岳へ登って参りました。今回で幌尻岳は今シーズン3回目。ご一緒させていただくのは、御歳77の男性K様でいらっしゃいます。このK様、コロナ禍&林道通行止めなどにより幌尻岳の挑戦は3年越しとなり、額平川ルート・幌尻山荘の予約争奪戦に敗れ、新冠ルートへの転戦となったのでした。因みに、もし額平川ルートで予約が取れていたら、先の大雨による増水によりどうなっていたかはわかりません。これも運と言えるでしょうねぇ。

さて、いつもどおり前泊は「ふかふか亭」。美味しいご飯と快適な一夜を過ごした我々は一路岩清水林道をイドンナップ山荘へと向かいます。天候は曇。昨年の大雨の被害は甚大でしたが、さすが日高南部森林管理署さんと新冠の工事業者さんですね。あれだけ酷いズタズタだった林道も今年はすっかり元通りに。3時間ほどのドライブの後イドンナップ山荘駐車場へ車をデポ。いつもどおりゲートの隙間をくぐって幌尻林道へ。

長い長い林道をヒグマ避けの声を出しながら、いこい橋〜大理石沢〜雷沢〜原石沢〜奥新冠ダムと歩みを進めます。今年はアブはそれほど多くないようですね。額平川ルートほどヒグマの痕跡は多くは無かったです。とはいえ糞は3箇所ほどありましたが。この林道は当然ながら行きはほぼじんわりとした登りなので、初日の重いザックを担いだ身にはこたえます。そんなこんなで6時間ほどの林道歩きで新冠幌尻山荘へ。登山者は小屋に10人ほど。沢での行水が最高に気持ちいい。

翌朝は4時起き朝食の後、5時出発。天候は晴れ時々曇り。昨年の大雨の影響は登山道にも及んでおり、下部の沢沿いの部分は流されて斜面のヤブを突っ切ったルートが新設されていました。チシマザサ生い茂る急峻な尾根を登り、お花畑に出るとこのあたりも登山道が流されている場所がチラホラと。咲いていた花はミヤマアキノキリンソウ、ミヤマアズマギク、ウサギギク、チシマフウロ、エゾツツジ、エゾシオガマ、サマニヨモギ、イワギキョウ、イワブクロ、アキカラマツ、ホソバトリカブト、ウスユキトウヒレン、ハイオトギリ、ミヤマリンドウ、エゾオヤマリンドウなどなど。もう花が秋のものになりつつありますね。そんなこんなで11時過ぎに幌尻岳頂上着。視界はまずまず。時間はかかりましたが、無事に登頂することが出来て何よりでした。

K様この度はありがとうございました。また北海道へ遊びに来てくださいね!

2023/08/01~5 斜里岳、雌阿寒岳、トムラウシ、十勝岳、登山ガイドプラン

皆様こんにちは、登山ガイドの西田です。先日は九州からお越しのY様(とご家族3名様)と共に表題の通り斜里岳、雌阿寒岳、トムラウシ、十勝岳の登山ガイドプランを催行させていただきました。結果的には十勝岳以外は登頂することが出来ました。斜里岳、雌阿寒岳は天候も上々で夏の爽やかな登山をお楽しみいただけたのですが、トムラウシの催行当日はやや不安定な天気。曇り空&時々雨といった空模様…ながらも、なんとか雨雲の間隙をついて登頂を果たすことができました。ロックガーデンではナキウサギの姿も見られました。十勝岳はお客様のお疲れもあり、残念ながら天気も悪かったので中止に。代替プランとして美瑛や富良野の観光をお楽しみいただきました。北海道を代表する100名山のこの4座一時にねらうこの計画はなかなかダイナミックなもので、困難もありましたが結果的には素晴らしい旅だったかと思います。Y様、この度はありがとうございました。また遊びにいらっしゃってくださいね!

2023/07/24~27 幌尻岳額平川ルート登山ガイド

皆様こんにちは。北海道の登山トレッキングガイドの西田です。さぁ今回は皆様お待ちかねの幌尻岳の記事です。昨年は8月の大雨での通行止めによる中止となってしまっていたため、この度は非常に久しぶりの幌尻岳額平川ルートのガイディングとなりました。今回ご案内させていただくのは関西からお越しのS様御一行4名様。お客様は12月1日の予約争奪戦をクリアして随分と前から意気込んで計画を組み立ててくださっていたのでした。

まずは7/24(移動日)は、お客様と千歳空港にて合流をし富川のマックスバリュで行動食の準備をし豊糠山荘へ。翌7/25、天候は曇り時々雨(0.5~1mm程度)と微妙ながら、朝は降っておらず出発することに。シャトルバスの2便(8:00)にゆられつつ一時間ほどで第2ゲートバス停(8:45)へ。身支度をして林道を歩き北電取水施設へ(11:30)、ヘルメット着用、渡渉用の靴に履き替えて、最初の渡渉点より額平川へ突入(12:00)、渡渉点の水位は概ね膝下〜太もも程度でした。最初の渡渉で渡るのに苦労するようなら危険増水水位なので諦めて引き返しましょう。今回のお客様はワークマンのネオプレン靴で渡渉していましたが概ね問題はなかったようです。ただし、当然沢専用の靴ではないので石の上では多少滑ります。解決策としては古い靴下をネオプレン靴の外に履かせると大分良くなるようです。歩きに自信がある人はこれでも大丈夫ですね。お金に余裕がある人はフェルト靴を。そんなこんなで幌尻山荘着が14:00。

幌尻山荘の宿泊者数は全部で30名程度(満員時50名)。予約時のパンク状態は旅行代理店の占有が原因なのでしょうか。キャンセルはやはり多いそうで東大雪荘などと一緒の状態ですね。バイオトイレが治っているようで使えるようになっていました。トイレ使用協力金は一日1000円(携帯トイレ一個付き)、携帯トイレブースは無料、毛布、シュラフ、上水は500円です。バイオトイレは朝5時くらいから7:30(消灯時)まで、ザックは小屋の下の倉庫へ、ザックや沢シューズなど濡れ物は基本的に小屋内へは持ち込まないように。

7/25アタック日、夜半に局所的な大雨。3:30くらいにはみんなごそごそやりだし始まるので外の様子を見に行くと、まだ雨模様&沢の増水少々。どうやらこの日は短期的にザッと降り出す不安定な天気。出発を遅らせ雨をやり過ごすことに。6:00発、命の水8:00着。山腹斜面の急登が身体にこたえます。9:00カールバンド到達。どこもかしこもヒグマの掘り返しあとだらけ。圏谷のお花畑が素晴らしい。ガスの間から北カール、戸蔦別岳のルートが覗いたり消えたり。10:20幌尻岳着。気温14℃くらい、風は5〜6メートル程度。なかなか寒く残念ながら視界もそれほどない。戸蔦別岳ラウンドは諦め、記念写真を撮って休憩をしピストンだけで下山することに。花は、ミヤマアズマギク、ウスユキトウヒレン、ナガバキタアザミ、ウサギギク、ハクサンイチゲ、ハイオトギリ、チシマツガザクラ、リンネソウ、イワヒゲ、イワブクロ、イワギキョウ、エゾシオガマ、ヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、エゾツツジ、チシマフウロ、トカチフウロ、ムカゴトラノオ、アオノツガザクラ、ミヤマダイコンソウなどが咲いていました。写真を撮ったりナキウサギに遭遇したりしながら、14:20幌尻山荘着。

7/26、朝3:30起床(目が覚めてしまう)、山荘5:30出発、北電取水施設7:30、第2ゲート10:20、シャトルバス12:00~豊糠山荘着12:45、帰路の林道は熊糞が10個以上あり(行きでは無かったもの)、なおかつ食痕も非常に多くかなり緊張をしつつ下山しました。林道で見られる花はオニシモツケ、サラシナショウマ、マツヨイグサ、ハンゴンソウ、アカツメクサ、ウツボグサ、ノリウツギ、キツリフネ、ツルアジサイ、ムシトリナデシコなど。

S様、T様、T様、K様、今回はうまくいきましたね!ジャンケンポンにはまた次の機会に。また北海道へ遊びに来てくださいね!

2023/07/23 斜里岳登山ガイド

こんにちは。北海道の登山トレッキングのガイドの西田です。先日は斜里岳へ札幌からお越しのリピーター・T様御一行をご案内させていただきました。催行当日は晴れ時々曇りとまずまずのお天気。珍しく私はこれが今シーズン初の斜里岳のご案内でした。

夏の斜里岳は沢の渡渉がた楽しい!滝がダイナミック!夏空に水しぶきが映えておりました。危なげもなく登頂も出来、新道の眺望もたっぷり楽しめました。花はオニシモツケ、ミソガワソウ、ヨツバシオガマ、イワギキョウ、タカネトウチソウ、ミヤマダイコンソウ、ナガバキタアザミ、フタマタタンポポ、レイジンソウ、ミミコウモリ、リンネソウなどが咲いていました。

T様、この度はありがとうございました。お元気な皆さまとお会いできて僕も元気をもらいました。またよろしくお願い致します。

2023/07/19~20 大雪山・旭岳~裾合平ラウンド&愛山渓登山ガイド

皆様こんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。先日は大雪山は旭岳~裾合平ラウンドと、愛山渓トレッキングに行ってまいりました。今回ご一緒させていただくのは北海道ご在住のO様。前回は雄阿寒岳をご一緒させていただいたリピーターさんです。この方は北海道の方ということもあってか、なぜでしょう随分昔からの知り合い、または親戚であるかのような親近感を覚えてしまいます。

さて、19日は天気予報は曇り時々雨といったところだったのですが、ロープウェイで姿見を降りるときには曇り、ながらも旭岳の頂上につく頃には青空もチラチラと覗いているという感じでした。後旭側の雪渓もさすが道産子とあって非常に上手いです。広々としたどこがピークかわからない間宮岳をやりすごし、中岳分岐を降りて中岳の湯に到着。ここには携帯トイレのブースがあります。少し休憩をした後裾合平へ。そろそろチングルマは散りはじめといったところで、綿毛になっている株も多くなっておりました。

翌20日は愛山渓トレッキングということで、愛山渓~松仙園~6の沼~愛山渓という道のりを周遊してみました。この 松仙園 ルートは長らく廃道状態になっていたものが有志のお力により2020年に復活、7/14~9/30の期間開通だそうです。この 松仙園 ルート もかなり素晴らしい自然散策が出来ますね。釧路湿原や雨竜湿原などとも違った、高山の麓の深山の雰囲気に満ちたワイルダネスが広がっておりました。

私達は花を見ながらゆっくりと時間をかけて巡ったので、所要時間はなんだかんだで7時間ほどかかりました。ルートはわかりやすいものの、ぬかるみがあったり、登りもそれなりにあり、なによりヒグマの気配が濃厚なため、誰でもハイどうぞというルートでは全く無いです。普通に熊スプレーと登山装備で来たほうが良いです。ですが歩くと気持ちのいい素敵な場所ですね。花はワタスゲ、キソチドリ、ミヤマリンドウ、タチギボウシなど。モウセンゴケもたくさん見られました。O様今回も楽しゅうございましたね。また次もよろしくお願いいたします。

2023/07/15~16 大雪山・旭岳~黒岳石室~裾合平ラウンド登山ガイド

皆様こんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。初夏の盛りに大雪山へ行ってまいりました。今回は当初、旭岳~トムラウシ縦走を企てていたのですが、白雲山避難小屋の付近でヒグマの出没が相次いでおり避難小屋が利用禁止になってしまったのと、日程中の天候も雨マークがチラホラと微妙だったため、プランを変更して旭岳~黒岳石室~裾合平~姿見ロープウェイというラウンドコースに計画変更をしました。

今年はやはりヒグマの出没や目撃情報などが多いですね。白雲避難小屋では親子熊などを含む複数の個体が出没しているようで、なかなか危険な状態となっていたようでしたね。このような危機的な状況であっても、写真を撮ったり見物したりでリテラシーのない登山客が多いことから小屋の利用停止という異例の事態となったようです。16日に小屋の利用禁止は解かれたのですが、いやいや16日から通常営業ですってあなた熊にはそんな人間の都合は通じるわけもなく…。つまり、白雲避難小屋以降の縦走路はおそらく今シーズンは少なくとも当面のところはリスキーなはず。そんなわけで、私達はあっさりトムラウシへの縦走は手控え、黒岳石室~裾合平ラウンドに切り替えたのでした。

姿見のロープウェイからカムイミンタラに降り立ち、旭岳を登り、後旭の雪渓をやり過ごし、強風の北海岳に到達。シトシトと雨の中を行軍しつつ黒岳石室に着いたのでした。天気予報のためか小屋には思った以上に登山客が少なく、快適な夜を過ごす事が出来たのでした。翌朝はガスがかかったり晴れたりで、前日よりはマシな天気。北鎮岳北側の雪渓はまだそれなりの規模で唯一軽アイゼンを使いました。中岳温泉の足湯を楽しみ裾合平へ到達すると、そこはあたり一面チングルマの花畑です。この期間あたりが最終見頃と言っていいところでしょうか。他にも花は、アオノツガザクラ、エゾノツガザクラ、キバナシャクナゲ、ミヤマリンドウ、ヨツバシオガマ、イワヒゲ、イワブクロ、タカネスミレ、ミヤマキンバイ、クモマユキノシタ、チシマクモマグサ、エゾノリュウキンカなどが咲いていました。そんなこんなで、大雪山の素晴らしい景色、また厳しさなどなどを存分に体験出来たのでした。H様、S様、S様、色々とお話できて楽しかったです!また来年も楽しみにしております。

2023/07/08~11 利尻山・礼文島登山ガイド

みなさま、こんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。先日は久々に利尻山へ登って、礼文島へトレッキングに行って参りました。初日はお客様と千歳にて合流後、稚内へ6時間のドライブ。そしてフェリーに乗って利尻島へ。朝8時に千歳を出発すると、18時半くらいに利尻へ到着する計算になります。宿泊は鴛泊の「群林風(グリーンウィンド)」さん。海の幸を中心としてウニもあったり食事が大変美味しく、宿主さんたちの細やかなご配慮がとっても素敵な宿なのです。

さて利尻山登山当日ですが天候は晴れ時々曇と上々ながら風が6〜7mほどと風に左右される利尻らしい天気。風が山にあたり雲がかかる時間もあるだろうなぁと予想しておりました。宿の送迎にて北麓登山口に降り立った我々は、樹林の登山道をゆっくりと歩きだします。シーズン最盛期とあって登山者は多く、に野営場にもたくさんのテントが張られていました。久々の利尻の北陵は海からの風が心地よく、花を愛でながら歩いているといつの間にか頂上へ着いているといった感じでした。花は、リシリヒナゲシはもちろん、ボタンキンバイ、リシリゲンゲ、リシリオウギなど利尻ならではの花がいっぱいに咲き乱れておりました。

翌日は予備日として設定してあり、利尻を順当に登れた場合は礼文トレッキングという設定にしておりました。そんなこんなで、朝一のフェリーで礼文島へ。香深より桃岩コースをトレッキング。歩みを進めるにつれ礼文島ならではのたおやかな丘陵草原の景色が広がっており、レブンウスユキソウ、サクラソウモドキ、シラゲキクバクワガタ、オオアマドコロ、レブンハナシノブ、イワベンケイ、ヒオウギアヤメ、レブンソウ、チシマゲンゲ、レブンシオガマ、チシマフウロ、エゾノシシウド、オオカサモチ、オオハナウド、エゾレンリソウ、リシリソウ、ハナイカリなどが咲いておりました。

花いっぱい美味しいものいっぱいの利尻・礼文の旅。いやぁ言うまでもなくおすすめです。H様、S様また遊びに来てくださいね。

2023/07/04~06 ペテガリ岳業務登山ガイド

みなさまこんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。先日、環境省の調査のお仕事でペテガリ岳へ行ってまいりました。期間中は幸いなことに晴れ時々曇りというお天気で、結果から申しますと守備よく調査を終えることができました。ペテガリ岳の登山口までは元浦河林道より神威山荘へ車で入り、そこからニシュオマナイの支尾根を沢装備で乗り越して、ペテガリ山荘へアプローチする必要がありますが、なんとあいにくちょうど日程が林道工事とぶつかってしまい元浦川林道は通行止め…。しかし、思い出しました。ペテガリには高見ダム経由でペテガリ山荘まで入れる静内中札内線というとんでもない道が通じていることを。

ペテガリ岳・登山道
ペテガリ岳・登山道

静内中札内線は、その名の通り日高山脈を横断し静内と中札内を繋ぐ道として建設が始まりましたが、険峻な地形や自然の脅威により難工事に次ぐ難工事となり、計画は頓挫。今はひっそりとダムの管理道として森の中にその姿を潜めています。結局我々は公的業務用途としてこの路線の通行許可を取得し、ペテガリ山荘に向かったのでした。里から山荘まで所要時間ゆうに3時間。立派な道ですがなんと深山のなかにあることか。 カムエクとコイカクの土手っ腹に穴を開け、これを中札内まで繋ぐとはなかなか無謀でですなぁ。コイボクや七の沢が道路になるって話ですからね。そして上部に行くほどにヤブヤブになっていく長大なペテガリの西尾根を登りながら思いました。やっぱり日高は本当に深い。深くて険しく、美しい。

S様この度はありがとうございました。色々なお話を伺えて楽しかったです。また調査行きましょう!そして日高南部の森林管理署のみなさま、いつも本当にありがとうございます。

ペテガリ岳・ピーク遠望
ペテガリ岳・ピーク遠望

2023/06/24~26 幌尻岳チロロルートテント泊縦走登山ガイド

皆様こんにちは。先日は今回がお初のお客様E様と幌尻岳チロロルートをテント泊縦走として行ってまいりました。6月下旬のシーズンの幌尻は雪渓の心配は少しありましたが、結果として雪解けの早い昨今としては花のベストシーズンでした。この日はやや雲が多いかなとも思いましたが、すっかり治ったチロロ林道の奥の駐車場より泊装備を背負ってスタート。久々の北電取水口や二岐沢をやり過ごし、日高名物の急な山腹斜面をジリジリと登ります。トッタの泉で6リットルの水を担ぎ、ヌカビラ山、北トッタ別岳へ。テン場は我々二人のみ。

夕方から雲が下がってテン場は雲海の上へ。最高の眺めのなか夕食を摂って就寝。めちゃくちゃぐっすりと眠れました。翌朝は4時おき5時半発。天候は最高!ハイマツトンネルを潜りながら、トッタ別の急登や7つ沼カールバンドを経て幌尻岳頂上へ。幌尻今シーズン一回戦は上々の天気の中登頂を果たすことができました。やりぃ!7つ沼カールにはヒグマが悠然と朝食を採っていたり、雲海や、星空、谷から吹いてくる涼風、テントを叩く風の音、全てが自然の醍醐味であり私達の五感を覚醒させます。幌尻岳ってすごいなぁ、日高山脈ってすごいなぁとお客様と帰路の車の中でもずっとお話していました。E様今回はやりましたね!トムラウシでもよろしくお願いいたします。

2023/06/18~21 知床連山縦走敗退~野付半島、霧多布、知床硫黄山登山ガイド

皆様、こんにちは登山ガイドの西田です。6月下旬に今シーズン最初の大きな計画として6/18~21にて知床連山縦走登山ガイドを計画しておりました。プランは羅臼温泉から羅臼岳、三峰、第一火口、硫黄山という流れ。であったものの、残念ながら天気は初日から容赦のない風雨…。入山前から知床峠は嵐の中で、翌二日目も知床連山は軒並みガスガス&強風。初日はサブプランとして斜里岳の登山口の下見や、さくらの滝などを観光。二日目は野付半島や霧多布岬を観光いたしました。野付には初夏を彩るセンダイハギやエゾカンゾウ、ハマナスなどの花々が咲き誇り、霧多布にはラッコやアザラシが悠々と泳いでいました。野生のラッコが見られるのはここだけで、お母さんラッコが赤ちゃんをお腹に乗せて遊ばせている姿は、自然の尊さや愛おしさを感じさせるものでした。いやぁ、悪天から逃れるため移動距離は長くなりましたが、これはこれでなかなか素晴らしいサブプランでした。野付も霧多布も良いところでしたよ~。

そして3日め、今度は天気予報は快方に向かいつつあったので、岩尾別側から入山し、二ツ池にテント泊、硫黄山に下山という2日行程での連山縦走を目指してみました…が、羅臼平に着くとおおよそ7~10m/sほどの強風&ガス…。羅臼平から5時間ほどの二ツ池までの道のりは雪渓や藪こぎもある難路。迷いましたが、これでは厳しいと安全を考慮し下山。最終日にワンデイアタックにて硫黄山にトライしてみました。

そして最終日の6/21、やっと晴れてくれた知床の空のもと、久々の硫黄山に向かいました。驚くほど雪渓は少なく、雪が残っているのは硫黄沢の途中のみで、滝はほぼ雪渓から出ていました。硫黄山の肩の雪渓もかなり小さくなっていましたが、傾斜があるのでまだ軽アイゼンは必要でした。下山中には登山口近くで親子熊に遭遇。全体を通して知床はやっぱり一筋縄ではいきませんでした。そんなこんなで、やっと見れましたね~シレトコスミレ!H様、いつもいつもありがとうございます。さて次の計画はどこへ行きましょうかね!またよろしくお願いいたします。