2024/02/23~24(予備日25日)斜里岳登山ガイド 

皆様わんばんこでございます。登山ガイドの西田です。先日は超極寒のマイナス20℃の中、斜里岳へ登ってまいりました。今回ご案内させていただいたのは、最近は毎年2~3回も北海道へ遊びに来てくれている、H様ご夫妻。この方達は最初は阿寒やオンネトーのトレッキングから始まって、夏山登山、冬山へ、と段々ステップアップして、とうとう厳冬期の斜里岳へ挑戦していただく運びとなったのでした。きちんとした装備・服装、リスクコントロールの技術が出来ているお二人だからこそ完遂できた計画だったかと思います。

初日は絶好の天気の中、豊里から林道をスノーシューで歩きCo800m付近でC1。今回下ろし立てのエスパーステントと、MSRのストーブの炎のゆらぎが心地良い~。水作りを経て、夕食はジンギスカン。しっかりと栄養を摂ったので、夜にはテント内もマイナス15℃の世界となりましたが全く寒いとは感じませんでした。やっぱり食事は大切ですねぇ。

翌日はやや曇りがちながら青空も見えているといった天候の中、アタック装備にてスノーシューでサクサクと登行。流石に気温が低く、休憩していると寒くなってきます。Co1250付近でアイゼンに履き替え、段々と細くなっていくリッジや北壁花道手前の鎖場や、頂上直下の最後の登りも難なくやり過ごし、11時半に頂上へ到着。根北から上がってきた登山者さんに集合写真を撮っていただき早々と下降。下りでは天気が抜けるような青空となり、流氷を眺めつつの最高の天上のスノーシュー下降となりました。15時テン場撤収~16時登山口、17:30車止め着という流れ。素晴らしくよくコントロールされた、ナイスな登山だったと思います。

25日は能取岬でトレッキング。残念ながら流氷は接岸していませんでしたが、知床連山や遠音別岳、海別岳、斜里岳、摩周岳などが綺麗に見えておりました。やっぱり能取は素晴らしい場所ですよ。3日間とも最高の天気に恵まれ良き計画となりました。さてH様、次回のトムラウシでも良き自然の体験ができるといいですね!この度はありがとうございました。またよろしくお願い致します。

2024/02/12 阿寒の森トレッキング

こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は久しぶりに阿寒でのスノーシュートレッキングを催行させていただきました。今回おこしいただきましたのは、オンネトーもご一緒させていただいたリピーターのT様ご家族3名様。当日の天候は晴れで、気温はマイナス5〜1度位だったでしょうか。阿寒としては温暖な朝で、おだやかな雰囲気の中スタートとなりました。雄阿寒の登山道下部をスノーシュートレッキングしながら太郎湖次郎湖などを歩くのですが、T様は久々のスノーシューと起伏のある地形にご苦労の様子。雪も焼結が進んでいないサラサラ雪で足が取られるため、歩きにくかったですね。そんなこんなで、普段より2時間位長い事遊んでしまいましたが、T様この度もありがとうございました。気が向いたらまた遊びにいらっしゃってくださいね!よろしくお願い致します。

2024/02/02 摩周湖トレッキング・阿寒アイヌコタン・屈斜路湖周遊

皆様こんばんは。2月の初旬に摩周湖トレッキング・阿寒アイヌコタン・屈斜路湖周遊をご案内させていただきました。今回のお客様はJTB経由でご依頼を頂いた海外からおこしのK様。阿寒湖の鄙の座にお泊りで、表題のようなリクエストしていただいたのでした。

アイヌコタンではアイヌシアターイコロ、私の母の刺繍、丸木舟制作の現場などを見学。それから移動車で摩周湖へ移動、なんと今回は運転手さん付きだったのですが…。摩周湖でスノーシュートレッキング。摩周湖のスノーシュートレッキングは催行が意外とというか、当然ながらというか霧の摩周湖といわれるだけに、視界が悪かったり、吹きさらしなだけに風が強いことが多く条件が難しいのです。なんで、私の場合屈斜路湖とセットにしておいて状況によってフレキシブルに変更が可能なように計画することが多いですがね。

この日は、歩いていると摩周湖の湖面が広く見えてカムイシュ島も遠望できるようにまでになりました。途中キタキツネに会ったりしながら硫黄山や砂湯なども周遊し、17時くらいに阿寒湖へ戻ったのでした。K様この度はありがとうございました。また遊びにいらっしゃってくださいね!

2024年 冬シーズンの買ってよかったおすすめのギア達

皆さまこんにちは。登山ガイドの西田です。以前アップした「買ってよかったギアたち」のページは当ホームページでも一二を争う人気記事でしてね。皆様山の装備や、便利グッズにはご興味がお有りのようですね。というわけで2024年の冬シーズンの買ってよかったおすすめギア達をご紹介したいと思います。

■TSL 418 UP&DOWN GRIP

これ(アイキャッチ画像)はおフランス製のスノーシューなのですが、正月のカムエクや2月の知床アイス探検で使用するために購入しました。大きな特徴は、ヒールリフターがクライミングサポートとして機能しつつも完全にキャンセルすることが出来、つまりブーツフィット部分がゼロポジションよりさらに地面側へ倒れ込む仕様になっており、下降歩行時のヒールステップの安定性がかなり高いことです。スパイクはピンのようなポイントと縦のギザギザ、前爪という構成でなかなか登攀性も高いと思います。実は当方ではお客様のレンタル装備として、スノーシュートレッキングで使っているものは廉価版の305 ACCESSというモデルで、これもダウングリップ以外は同じような仕様で、着脱が用意で軽快に使える機種です。なにより2~3万円で買える安さが良いですね。というより、私は某社の定番スノーシューは元価格もメンテナンス性もあまり良くなくて好きではないんですがね。ユーザー登録なしではベルトの交換すらしてくれません。TSLのスノーシューはガッツリ使い込んでおり、実績的に信頼感があります。モンベルからも機能性の高い新機種が出るようなので気になるところです。

■モンチュラ ライトキャップ

モンチュラ ライトキャップ
モンチュラ ライトキャップ

これはバラクラバ、いわゆる目出帽ですね。バラクラバは特に厳冬期の冬山でも悪条件下においてとても重要な装備の一つです。顔を強風や低気温による凍傷から守ってくれる心強い味方。ハードシェルのフードのフィッティングと合わせて、しっかりとこだわりたいところです。このモンチュラのバラクラバは何より立体裁断で顔や頭にきれいにフィットするところが素晴らしい!目周りや口元で余計なボリュームが出来ず視界が遮られないため足のステップが見やすいです。生地も適度な保温性と通気性が相まって心地よく、口に通気の穴が空いているのでメガネやゴーグルも曇りにくくなっております。耳も音が遮られないようにメッシュになってるという徹底ぶり!はっきり言って他のアウトドアメーカーのものは概ねワークマンで売られているものと機能的にはそんなに強い競争力を持っていませんが、このモンチュラのバラクラバは8800円しますが指名買いするだけの価値は十分にあると思います。こんなこに細部にこだわりのある逸品は他に無いと思いますね。

■プロテクトJ1

プロテクトJ1
プロテクトJ1

これはマラソンなど長時間のスポーツ時に使うための皮膚の保護用クリームです。普段重荷を担いで長時間歩くことの多い私にとって無くてはならないもので、靴ずれ予防として足にはもちろん、ザックのショルダーやウェストハーネスのスレ予防として、肩や腰などにも塗ったりします。効果も持続性も高く、登山には非常に有用なものですね。これを塗って更に局所的にテーピングなどで保護をすればかなり靴ずれは予防できるでしょう。山屋さんにはもちろん他のスポーツ愛好家にも非常におすすめできるものです。

■防寒テムレス+Tips

テムレス
テムレス

テムレスはもはや海外でもユーザーが多くいるほどの定番ですからご存知の方も少なくないことでしょう。もちろん素晴らしく有用なこの手袋ですが、冬の登山者向けにもう少し進んだティップスをお伝えしてみましょう。テムレスは操作性や快適性を重視し、保温性はそこそこのアイテムとして皆さん納得してお使いのことと思いますが、すこし保温性を上げられる工夫があるのです。それにはまず「アンダーカフ」で使うこと。つまりグローブの裾をジャケットの袖の中にたくし込んで使うことです。これだけで保温性は一段階上がります。そして「VBL」で使うこと。VBLとはベイパーバリアライナーの略で、簡単に言うと第一レイヤーに未透湿素材を用い覆ってしまう…早い話が一番下に薄々のビニールやニトリルなどの手袋などをつけることです。こうすることにより、汗の気化熱で手が冷えづらくなり、テムレス自体にも汗による湿気が移らなくなります。ただしこの薄々手袋はタイトフィットであっては血行を阻害し逆に寒くなるので、適度なゆとりが必要です。一番下のレイヤーにはすこし大きさにゆとりのある物をチョイスしましょう。ちなみにテムレスにはデメリットもあって、よく知られたビレイ・懸垂下降時の巻き込み不具合の他にも、低温環境でストックやピッケル・ショベルのグリップなどと共に雪を握り込んでしまうと氷化しやすいというのがあります。グローブが完全防水で薄い材質のため、雪が僅かずつ溶けてしまうためでしょうね。このようになってグリップに付いた氷を握り込んでいるとその氷がどんどん肥大していき、手も冷えて滑るので氷をその都度落とすしかないです。これは積雪時のアイスクライミング時にも滑る感じがになります。テムレスを使う際にはそれ相応の作法があるということですね。いずれにしてもこのグローブは、おおくのアウトドアメーカーの開発者が作ったグローブを差し置いて、もはや登山には無くてはならないものになったと言えます。

■ワークマン バズヒートフライヤーパンツ

ワークマン バズヒートフライヤーパンツ
ワークマン バズヒートフライヤーパンツ

ワークマンもまたアウトドアウェアメーカーにとっては恐ろしいほどの脅威で、多くのアイテムは登山活動に十分に使えてしまします。このバズヒートパンツは端的に言うとナノエアパンツみたいな透湿インサレーションパンツなのですが、機能性はなかなかどうして悪くないもので、透湿性・保温性ともに程よく十分です。もちろん本家のナノエアパンツも高機能なのですが、パタゴニアで滅多にラインナップに乗らず、なかなか買えません。それに引き換えワークマンの物はお店に行けばいつでも買えてしまいます。しかも安く。このパンツは大人気のようで、かなり売れているようですね。同素材のジャケットもあります。

2024/01/08 摩周・屈斜路湖&神の子池トレッキング

皆さまこんにちは。ガイドの西田です。先日は表題の通り摩周・屈斜路湖&神の子池トレッキングを周遊プランとして催行させていただきました。このプランは、エリアが広いので一日で行けるギリギリの線を攻めています笑。今シーズンは雪は少ないですが、なんとかスノーシュで歩けるくらいには積雪もあり、静かなウォーキングを楽しめました。某リゾート開発の資金が入るらしいこの地域ですが、やっぱり見どころは多いですね。M様また遊びに来てくださいね!

2024/01/05~06 上ホロカメットク山&三段山BC・登山ガイド

皆様、こんばんは。先日は常連のお客様HA様と上ホロカメットク山と三段山へ雪上トレーニングとバックカントリースキーを目的として行ってまいりました。最近の北海道は本当に雪が少ない!それでもなんとか天候によるリスクや積雪などを考慮し白銀荘ベースでこのような計画を提案させていただきました。強風や雨で雪面状況はなかなかリスキーで行動が制限されましたが、やっぱり三段山のパウダーと白銀荘のあずましさは素晴らしいです。夕食は上富良野の「まるます」にて焼肉を食しました。HA様、またお時間があるときにでも遊びにいらっしゃってくださいね~!

登山靴の話(ゴロー・ブーティエル vs スポルティバ・エクイリビウム)

こんにちは、登山ガイドの西田です。登山において行動中にもっとも重要なギアといえば、それはもう登山靴ということになりますね。私は職業柄、登山靴には毎日毎日晴れの日も雨の日も大変お世話になっております。また、重要なギアなので最もこだわりや愛着も強いですね。ガイドは重めの荷物を担いでお客様の安全を確保しながら怪我無く、さまざまな悪路を年間何十日も歩き続けなければなりません。まぁ当然ですが登山がハードになるほど登山靴の重要性は増していきますね。それは一般登山者にも同じなのですがこれは軽視されがちで、山で見かけるかぎりスニーカーとそれほど変わらないような柔かめのライトな靴を履いている人が多いですね。「登山靴」といえないようなスニーカーに近いもの、トレランシューズやアプローチシューズを履いている人も多いです。が、基本的には足腰の筋力の弱い一般登山者の方が登山靴にかかる重要性は強いのですがね。 若い人やパワーのある人は、体力で全てをカバーすればスリッパでもなんでも大丈夫です笑

端的に申しますと、柔らかすぎる靴は登山行動中のリスクに繋がりやすいです。歩みスピードも落ち且つ疲労しやく、雪渓やザレ、岩稜などの不安定地形にも弱いです。なぜでしょうか?4WDの車の構造を考えてみましょう。スズキのジムニーやランクルなどの車はラダーフレームといって、シャシーがはしご状の構造になっており車体の剛性を向上させています。この頑丈な骨組みにより凹凸の激しい悪路などで車体が捻れたり撓んだりすることによるパワーのロスを防いでいるのですね。

これは登山靴も同じことが言え、高い剛性をもつ靴は不整地ほど真価を発揮します。柔らかい靴は靴全体が不整地形の凹凸をそのまま受け、ソールもロールして踏ん張りがききません。ソールパターンも倒れやすくフリクションが犠牲になりがちです。柔らかいアッパーは当然足首や甲などの保護力も弱いです。なんで、柔らかい靴は悪路では安定性が悪く滑る疲るというわけです。軽くて安めの値段設定なので、どうしてもみんな手を出しちゃいがちですがね。トムラウシや大雪山などを歩く一般的な用途の「登山靴」を想定しても、両手で 曲げようとしてもソールが屈曲しずらい程度の靴の剛性はあったほうがいいです。

私が個人的に最も信頼して長年履いているバランスの良い登山靴は「ゴロー・ブーティエル」(写真真中・右端)。この靴は表出し皮革とゴアテックスブーティでできており、巣鴨の職人さんがカウンセリングと採寸のすえセミオーダーメイドで作ってくれるド定番。 やっぱりオーダー&革のフィット感と質実剛健な作りは逸品です。ソールを 張り替えながら茶色は14年、黒い方は7年履きました。今シーズンはガイドが忙しく計画もハードだったせいか、どちらもミッドソールが破損してしまい退任となってしまいましたが、すぐさままた新しいのをオーダー中です。そしてびっくりしたんですが、電話で森本さんのお話を聞いたところ靴の状態から私の体型や足幅の変化を指摘されるんです…。 そしてミッドソールにも皮革を使った特別スパルタン仕様の一足を提案していただきました。いやぁ出来上がるのが楽しみ!

で、シーズン中にピンチヒッターで購入したのが最近山の中で見かける機会が多い「スポルティバ・エクイリビウム」(写真左端)。これは特に同業者が履いている人が多いので、気にはなっていたんですよね。印象としては最新の靴ということもありとにかく軽量。足入れも既成靴としてはトップクラスでしょう。しっかりとしたシャンク・アッパー剛性、であるにもかかわらず足首の屈曲性もいいですね。フリクションも相当いいです。これはアルプスの岩稜むけということもあるのでしょう。ただし、足がかなり蒸れやすいのが気になりました。靴の総評としてはすいませんすっごく良いのですが、所詮プレタポルテとクチュールの違いです。その道うん十年もの職人さんのカウンセリング付きのゴローはやっぱりすごいですよ。私はどちらかというと新しもの好きな気性ですが、登山靴の関してはオールドスクール派ですね。履き続けてきた結果としてますますゴローが好きなんでしょうがないっす。

有限会社ゴローさん、矜持を持った素晴らしい仕事を続けていてくれて感謝です!

有限会社 ゴロー (goro.co.jp)

2023/09/15~17(予備日18日)旭岳~トムラウシ縦走登山ガイドプラン

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。9月も半ばを過ぎましたね。今年は暑い夏が続き、山中も異常な高温でなかなか大変でしたね。さて先日は、本州からおこしのK様、H様お二人を旭岳~トムラウシ縦走登山ガイドプランへご案内させていただきました。

初日は旭川空港にてお客様と合流。そのまま旭岳温泉へ移動。今回は山岳スキップさんの運転代行を依頼させていただいているので、車の予備キーを大雪山荘さんへお預けします。大雪山縦走は車の回しの問題がありますからね。山岳スキップさんを利用するとスムーズに車を旭岳からトムラウシ短縮登山口へ移送していただけるので、大変ありがたいです。

山岳スキップ
http://sangaku-skip.jp/

さて、入山初日。天候は朝から晴れ。 気温は15℃前後とかなり高め。この時期としては異常な高温と言っていいでしょう。 秋の澄んだ 空気のなか 6:30始発のロープウェイに乗って旭岳を登高します。ピーク着が9:00。少し休憩をして後旭のガレガレの下りを経て、北海岳着が11:30、白雲岳分岐が13:00。今シーズンのヒグマ頻出状況にあって、さすがに白雲岳分岐にはもうザックをデポする人は居ませんでしたね。白雲岳着が13:30。この暑さとあってはまだまだ紅葉はすすんでいませんが、素晴らしい秋晴れの景色でした。白雲岳避難小屋着が14:30。水場はかなりチョロチョロになっていましたが、まだ枯れてはいませんでした。そんなこんなで浄水したり夕食をとったりしつつ、19時くらいに就寝。冬用シュラフを持ってきたわりに、かなり暖かい小屋の中だったので、布団のように上にかけて寝ました。

翌日はいつものように4:00起き5:30発。この日の天候は曇模様であったものの早朝の気温としてはやや高めの10℃前後。風が5mほど。高根ヶ原付近の吹きっさらし地形では風がかなり抜けますが、この日はレインウェアやウィンドブレーカーを着るだけでなんとも無かったですね。6:30高根ヶ原分岐、9:00忠別岳、12:30化雲岳。歩みを進めるにつれ天気が良くなりまた暑くなってきました。全体を通してかなり異常高温の大雪縦走と感じましたね。この日の泊地ヒサゴ沼着は14:30。テン場にはテントが5張りほど。雪渓からの流水は僅かになっていましたが、なんとか取れました。(まぁここは沼の水もあるので、水には困りませんが。)あたりにはナキウサギの声がこだましておりました。夕食を食して19時就寝。

最終日は午後から天気が崩れる予報だったので、早めの3:30に起床、5:00出発。 天候は高曇りながらも雲海も広がる感じで晴れ間も覗いておりました。旭岳や十勝岳も時折雲に隠されながらも基本的にはすべて見通せております。天上の景色を望みながらロックガーデンのアップダウンを経てトムラウシピーク着が9:00。前トム平が11:00。短縮登山口着が15:00でした。蓋を開けてみれば、3日間ともずーっと見晴らしのいい最高の大雪縦走でしたね。今回は珍しくヒグマも見かけませんでした。予備日は荒天の予報だったので、里場の観光などを経て終了。K様、H様この度はありがとうございました。

ちなみに、大雪縦走は普通こんなに簡単にはいきません。この次の週には山中では気温が0℃近くまで一気に下り、霜や薄氷が観測されています。このような状況の急変が大雪山の怖いところなのです。 シーズンも終盤ですが、 紅葉の大雪もみなさまご安全に登山されてくださいね。

2023/08/28~30幌尻岳額平川ルート(予備日31日)

みなさまこんにちは。登山ガイドの西田です。先日は本州からフェリーにておこしのY様パーティを幌尻岳へご案内させていただきました。この数年の幌尻岳額平川ルートはコロナ&林道の通行止めなどと数年来もの足踏みを余儀なくされておりましたので、このほどの山行はまさに満を持してのものとなりました。

さて、いつものとおり前泊は「豊糠山荘」にて。まずは山行の完遂を祈っての乾杯となります。もちろん夕食のメニューはジンギスカン。なかなかどうしてここのジンカンも美味なのでして。ここ豊糠山荘には北海道には珍しく客室にクーラーが部屋についているのです。う〜ん快適。

そんなこんなで8月28日、天候は晴れ時々曇と上々。いつものとおりバスは8時発の2番に乗りまして、9時に2番ゲート着。林道をてくてく歩いて北電取水施設着が11時頃。渡渉ポイントから四の沢出会いが12:30。幌尻山荘着が13:30頃。この日は我々を含めて、宿泊客は20人ほど。えーと…あれ?予約時の大混雑・即完売状況はなんだったのでしょうか。

翌29日はアタック日。別のガイドパーティが10人ほど。4時起き5時発。命の泉7時着。カールバンド7時着。カールの中にゆったりとヒグマが朝ごはんを探して動いているのが見えました。頂上着が9時。あいにくガスが上がってきたのでトッタベツラウンドはパス。のんびり写真をとって、小屋帰着が13:30。この日は午後発のパーティが居て19時オーバーの小屋帰着となっていました。多分ガイドパーティですが、こういう無茶な時間割はどうかと思いますね。この日はトッタベツラウンドはやめて、パワーが幾分温存されたので、翌朝の下山は1便にすることに。機動力が十分なパーティであれば、5時発で1便に乗ることが出来ます。

今回は額平川の水も少なく天候も安定していて、そつなく登頂安着が果たせました。Y様、この度はありがとうございました。またよろしくお願い致します!

2023/08/22~23(予備日24日) カムイエクウチカウシ山登山ガイド

こんにちは北海道の登山ガイドの西田です。今シーズンは暑いですね~。8月も下旬だというのに連日30℃以上で、いよいよ北海道の家でもクーラーが無ければ辛い感じになってきてしまいました。さて、そんな暑さ真っ盛りの最中に、この度はカムイエクウチカウシ山に行ってまいりました。今回ご案内させていただくのは、静岡県からおこしのO様。100名山を完登されて、200名山をも登られているというベテランの登山者さんです。

カムイエクウチカウシ山・八ノ沢出会い付近
カムイエクウチカウシ山・八ノ沢出会い付近

さて、入山初日は朝8:00頃から札内ヒュッテ先の駐車帯よりカムエク名物自転車アプローチにて七の沢出会いへ。これがまた全装で自転車を漕ぐというなかなかにキツイ作業。しかし自転車がなければ軽く一時間以上は余計にかかります。行きはじわっと登りなので汗が吹き出していきます。と、一時間ほどで七の沢出会いへ到着。自転車をデポして橋のすぐ脇より早速入渓。渡渉は基本的に河原の広く浅く流れのきつくないところを渡ります。カムエクは以前からそうでしたが、河原を避けた森の中に踏み跡がかなりついていて、半分以上陸の上を歩くことが出来ます。これは良いことなのかどうなのかはさておき、結構早めに八ノ沢へついてしまいます。と、七から2時間かからないくらいで八ノ沢へ。

カムイエクウチカウシ山・八ノ沢中間部
カムイエクウチカウシ山・八ノ沢中間部

八ノ沢からは、河原の石がだんだん大きくなるので、なれない人は渡渉に苦労するかもしれませんね。とくになれない人はストックに頼りすぎる傾向があるので注意してください。ストックに変な荷重をかけると、石に挟まって折れてしまいます。折れたストックの残骸が何本か転がっていました。と、出会いから2時間ほどで三股出会いに到着。ここは非常に快適なテン場ですが、テントは4~5張りくらいしか張れません。テントサイトの脇で焚き火をすることも出来ます。沢といったら焚き火ですからねぇ。水を浄水したり、食事をしたり、行水をしたりで、なんやかんやで19時位に就寝。

カムイエクウチカウシ山・三股テン場
カムイエクウチカウシ山・三股テン場

翌日は4時おき5時発、テントや泊装備をデポしてアタックにでかけます。この時最も要注意なのは、テントには絶対に食べ物や飲料、食器、行動食など匂いのするものを残してはいけません。ヒグマの誘引につながるからです。1970年の福岡大ワンゲル部のヒグマの事故はヒグマの誘引からザックの取り返しによる行動が要因となって学生3人が犠牲となっています。テントサイトはもちろん、行動中のすべての瞬間において食べ物は当然のことながら行動食の包み紙やペットボトルなどを落としたり失くしたりといったことはご法度です。私達は一応ヒグマの忌避剤をテント周りに撒いてアタックにでかけました。

カムイエクウチカウシ山・八ノ沢カール
カムイエクウチカウシ山・八ノ沢カール

三股からの急峻な滝沿いの登りと、八ノ沢カールからのカールバンドの登りを経て、4時間ほどでピークへ到着。天気は最高で、日高山脈の360度の景色が見渡せました。札内岳、北カムイ、エサオマントッタベツ岳、1839峰、1823、幌尻岳などなど。周りには百名山などとは一味違った、本気の山屋しか手を出せない日高の名峰がずらりと並んでいます。暑くなかなか大変な登りでしたが、素晴らしい頂上でした!一応予備日を設定してあったので、八ノ沢あたりで一泊してから帰っても良かったのですが、時間もなんとかなりそうなことと、体力的にも問題なさそうということで、この日の中に下山しようということに。三股のテントを畳んで、行水しながら八ノ沢を降り(15:00)、陸の高速道路をテクテクあるいて七の沢まで下って(16:30)、駐車帯に到着したのが18:00でした。

カムイエクウチカウシ山・1839峰方面
カムイエクウチカウシ山・1839峰方面

O様、この度はありがとうございました!易しくは無かったけど素晴らしい山行でしたね!また遊びにいらっしゃってくださいね。