2024/08/05~07(予備日08日) ペテガリ岳登山ガイド

皆様こんばんは。登山ガイドの西田です。先日は夏の盛りに、新生・日高山脈襟裳十勝国立公園の遥かなる盟主ペテガリ岳に登ってまいりました。この山は先日も道迷いによる遭難が発生したばかりの、なかなかどうして厳しい山です。今回ご一緒させていただくのは、昨年カムイエクウチカウシ山をご案内させていただいたO様。200名山に挑戦中のベテラン様です。

さて、初日は三石道の駅にて集合。コンビニで軽く買い物を済ませ神威山荘までのドライブ。林道は相変わらずで、崩れてはいませんが石がゴロゴロしていて、たまに車から降りて石をどけたり倒木をどけたり。林道は神威山荘手前で川の流れによって破断されていました。昔のように横付けは出来ません。ここから、しばらく作業道をたどりニシュオマナイ沢の支流を辿り、ピリガイ尾根を乗っ越します。沢筋はわかりやすく水流通りといったところ。そんなに水量は多くはないですが沢靴は必須でしょう。とりあえず、小さい羽虫の多いこと多いこと!刺す虫でないのが幸いですが鬱陶しいことこの上ない。乗越しを下降し、昔の人工林混じりの平場に着くとやや地形が解りにくいですが、鹿道と踏跡を見間違うことのないように林道へ。ここから一時間ほどでペテガリ山荘へ着きました。山荘には我々以外にも3パーティほど。翌日の天気予報は曇り降水確率40%。

翌日は3時起き4時発で挑戦しようとするも、出発間際にザーザー降りの雨に。ひとまず一時間ほど様子を見ていると、小降りになってきたので出発してみることに。スタートからつづら折りの急坂なので、ゆっくり歩いて体を慣らします。幸い雨はあがったようで、曇り空の合間に青空もチラホラと見えだします。ここからはヒグマに注意しつつ、ひたすらに尾根を登ってゆく。アップダウンもそれなりにあり、じわじわと体力を消耗させられます。Co1301から北東に向きを変え、一旦ギャップを乗り越すとヤブっぽくなります。構わずヤブをひっ掴みつつ登高していくと、昨シーズンの秋にでも登山道整備が入っているのでしょうか、ヤブが開けてきました。ここからさらに登ってゆくと偽ピーク(であることは知っている)を見つつ、12時頃に頂上に着きました。本ピークには頂上看板があって遠望出来るのですぐわかります。そんなこんなで眺望はあまりなかったけど、ピークにて写真を撮り少し下ったところで休憩。ここから途中ガサゴソ音にビビリながらも、17時頃下山終了。

翌日はのんびり用意をして再度虫だらけになりつつもピリガイ尾根を乗っこし、お昼前には昆布温泉に着きました。ペテガリ岳はやっぱりロングルートで体力を消耗させられますね。今回は天候もやや不安定さがあって緊張感がありましたね。O様今回はありがとうございました。また気が向いたらよろしくお願いいたします!

2023/07/04~06 ペテガリ岳業務登山ガイド

みなさまこんにちは。北海道の登山ガイドの西田です。先日、環境省の調査のお仕事でペテガリ岳へ行ってまいりました。期間中は幸いなことに晴れ時々曇りというお天気で、結果から申しますと守備よく調査を終えることができました。ペテガリ岳の登山口までは元浦河林道より神威山荘へ車で入り、そこからニシュオマナイの支尾根を沢装備で乗り越して、ペテガリ山荘へアプローチする必要がありますが、なんとあいにくちょうど日程が林道工事とぶつかってしまい元浦川林道は通行止め…。しかし、思い出しました。ペテガリには高見ダム経由でペテガリ山荘まで入れる静内中札内線というとんでもない道が通じていることを。

ペテガリ岳・登山道
ペテガリ岳・登山道

静内中札内線は、その名の通り日高山脈を横断し静内と中札内を繋ぐ道として建設が始まりましたが、険峻な地形や自然の脅威により難工事に次ぐ難工事となり、計画は頓挫。今はひっそりとダムの管理道として森の中にその姿を潜めています。結局我々は公的業務用途としてこの路線の通行許可を取得し、ペテガリ山荘に向かったのでした。里から山荘まで所要時間ゆうに3時間。立派な道ですがなんと深山のなかにあることか。 カムエクとコイカクの土手っ腹に穴を開け、これを中札内まで繋ぐとはなかなか無謀でですなぁ。コイボクや七の沢が道路になるって話ですからね。そして上部に行くほどにヤブヤブになっていく長大なペテガリの西尾根を登りながら思いました。やっぱり日高は本当に深い。深くて険しく、美しい。

S様この度はありがとうございました。色々なお話を伺えて楽しかったです。また調査行きましょう!そして日高南部の森林管理署のみなさま、いつも本当にありがとうございます。

ペテガリ岳・ピーク遠望
ペテガリ岳・ピーク遠望