2024/09/01、02 羅臼岳登山ガイド

皆さまこんにちは。登山ガイドの西田です。9月の頭は羅臼岳からスタートでした。台風の影響も気になるところでしたが、蓋を開けてみればなんのその。青空の広がる良き羅臼岳登山となりました。天気予報や台風の経路予想などそれほどアテにはなりませんのでね。予報のみのでジタバタしても始まりません。現着してからの判断を基本とすべきなのです。(登山を強行するべしという意味では全くありません)

この日程は羅臼岳に連チャンで登りましたが、風はややあったもののいい具合に登頂が出来ました。国後や硫黄山も見渡せて、眺望もよかったですね。T様、H様、S様、そしてK様、この度はありがとうございました。またよろしくお願いいたします!

2024/08/25~27(予備日28)、幌尻岳からの転戦で知床連山登山ガイドプラン+サブプラン色々

皆さまこんにちは。登山ガイドの西田です。先日はいつもの常連様H様ご夫妻と幌尻岳へ…は全く行ける余地もなく、知床連山へと転戦して見事に完遂してきました。なにせ今シーズンの8月は台風の連続で、天候が不安定。大雨で額平川は濁流となり林道の崩落もあったようでシャトルバスはしばらく運休とのこと。

千歳空港での集合30分後には協議の結果知床へと移動を開始。ただしこれは行き当たりばったりの行動ではなく、あくまで想定内。沢沿いルートである幌尻岳の催行中止はよくあること。あえて山域の離れた知床半島でのサブプランを立てていたのでした。テントやその他の遊び道具など、色々な物で満載の車でしばしの大移動。これはプライベートガイドならではのフットワークの軽さですねぇ。

そんなこんなで千歳空港から7時間ほどでサクッとウトロ夕陽台野営場へ。天候は幸運なことに知床半島だけはなんとかなりそでした。ただし、前線の影響を受けた天候であり期間中は不安定さが予想されたので、最小限の荷物に軽量化したうえで二つ池泊での1泊2日のスピード勝負とすることといたしました。初日は曇り時々晴れといった天候。順調に羅臼岳へ上り、三峰、サシルイ、オッカバケへと進みます。三峰の水場はここ最近の雨も虚しく雫が滴るのみで使い物になる状態ではありませんでした。それにしてもハイマツのヤブをくぐる際に湧き上がってくる羽虫の多いこと多いこと。これは最近の北海道の夏山の特徴となってきてしまいましたねぇ。ちなみに簡潔に書いていますが、ここまでの道中も決して楽な道ではなく上級者向けのルートとなります。

二日目は曇り時々雨、風がやや強いといった予報でした。雷の注意報も出ているのでなるべく早く動き出すことに。3時起き4時40分発くらいでテントを撤収して出発。もう稜線の風は完全に秋。気温は10℃前後といったところでしょうか。たしかにふわふわと風はあるものの南岳~知円別まではハイマツが守ってくれます。荒涼とした地の果ての稜線の上でシレトコスミレの株の多さに驚きながら、休憩もそぞろに歩みを進めます。知円別分岐着が7時頃。中の廊下からはいよいよ強風の細尾根の登高となります。ここが知床連山の核心で風があるとここを渡る際にハイハイを余技なくされてしまいます。この日の風は強い時で8~10mほど。さすが強者のお二人は難なくトレースしてくれました。頼もしい!こけし岩を過ぎ、第二前衛峰から先は、もはや風が支配する世界でしかも雨もパラついています。100リッターザックが猛烈に風で押され、時折耐風姿勢で耐えながらも、なんとか硫黄沢へ入ると風が止みました。ここからは枯滝やハイマツのトンネルなどをくぐり抜け、12:30に新噴火口の最上部へ到着。標高を下げると青空が出てきました。まさにザ・知床。クルクルと変化の激しい山です。ここで携帯の電波が入るので、ウトロハイヤーさんにあと二時間ほどで下山すると連絡。送迎を希望する場合は前もって予約を入れておきましょう。そしてキャンセルの際も必ず連絡を入れましょう。運転手さんはいつも心配してくれています。

14時頃下山をし、温泉の後は斜里のクリオネキャンプ場へ移動。からの焼台でBBQ、サンマ・とうもろこし・豚サガリなどを食しつつ祝杯。クリオネキャンプ場は料金も安く、広く、近くに温泉も有り、ゆる~い感じで良いですね。翌日は大雨予報だったので、網走の北方民族博物館でうちの母ちゃんのアイヌ刺繍をご鑑賞いただきつつ、能取のサンゴ草、北見でハッカ記念館、およびトリトンでお寿司、〆に大雪山高原温泉にお泊りいただき旅の疲れを癒やしていただきました。最終日は糠平から幌鹿峠を抜けて、然別湖でカヤック、カフェ無番地でフレンチトースト、平取ジャンケンポンでビーフカツ定食などをご賞味いただき、夢いっぱいお腹いっぱい楽しさ満載の転戦プランは完結となりました。

こんな盛り沢山な山もなかなかないのではないでしょうか。H様この度もありがとうございました。次の作戦も考えたらまた連絡させていただきます。よろしくお願いいたします~!

2024/08/22、08/23 斜里岳&羅臼岳登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は北海道道東の百名山のツートップとなる、羅臼岳と斜里岳に登ってまいりました。この二座はやはり不安要素もそこそこありますので、ガイディングのご依頼は多いです。さて、催行当日の天候は両日とも曇り時々晴れといったところ。今シーズンの北海道はお盆を過ぎると割合に涼しくなってきました。ただし、台風や低気圧に伴う前線がやたら来るので、天候はずいぶんと不安定で予報がほとんど当たりません。

この催行でご一緒させていただいたお客様は本州からおこしのM様。とっても快活な方で、初日はウトロのボンズホームから移動して斜里岳へ向かいました。いつものようにヘルメットを被って、意気揚々と沢筋の登山道を登っていきます。斜里岳の沢ルートでは毎年のように沢で転倒しヘリコプターで運ばれる方が居るので、最近は特に私達ガイドはヘルメット着用を推奨しております。羽衣の滝、万丈の滝、見晴らしの滝などを超え、馬の背を超える頃にはあら不思議。段々と雲が晴れてきて、知床連山まで見えているではありませんか。卒なく15時過ぎには下山して再びウトロへ。

翌23日は羅臼岳登山。今シーズンは私はまだ羅臼岳ではヒグマにはあっていません。これはいつもなら珍しいことで、暑さで環境に変化があったためかもしれませんね。この日も天候は曇りながらも、かえって陽射しの強い中歩くよりは楽で、調子良く頂上へと登り切ることが出来ました。雲は割合に高く、この日は雲海とはなりませんでしたが、遠望は割合にきき、時間によっては国後島や硫黄山まで見渡せませいた。ただしこの日は風もなく穏やかだったため、頂上の虫が結構いましたね。そんなこんなで卒なく15時には下山という形となりました。

M様この度はありがとうごじました。また気が向いたら遊びにいらっしゃってくださいませ。よろしくお願いいたします。

2022/07/26 羅臼岳登山ガイド

この日は大変天気がよく、朝から久々の青空ということで張り切って羅臼岳登山を催行いたしました。ごいっしょさせていただいたのはリピーターのKご夫妻。今年の羅臼岳は去年ほどにはまだ暑くもなく登りやすかったですね。花はエゾカワラナデシコ、エゾイボタ、エゾヤマハギ、チングルマ、カラフトイチヤクソウ、リンネソウ、イワヒゲ、チシマノキンバイソウなどが咲いていました。K様、また気が向いたら遊びに来てくださいね~!

2020/09/22 羅臼岳登山ガイド

この日は東京からお越しのI様を羅臼岳へご案内させていただきました。いつも通り前日よりウトロへ移動すると、やはり普段より人の少ないウトロの町で、セブンイレブンも24時間営業を休止しておりました。営業は朝6時からとのことですので、登山の際の朝食・行動食などお買い求めの際にはご注意ください。幌別川の橋の上には数台も車が止めてあり、川で魚を取っているヒグマの写真を撮っているのでした。この様な路上駐車が多いのもまた知床です。みなさま車の接触事故など十分にお気を付けください。

さて、お客様と合流の後に、岩尾別登山口より出発しようと入山帳簿に記入しようとしてみると「登山口より10~15分ぐらいのところにスズメバチの巣があり、被害者がでています。ご注意ください。」との注意書きがありました。スズメバチは9月~10月に繁殖期を迎え動きが活発になります。日本では年間約30人ほどがハチに刺されて命を落とし、動物の被害としては最も深刻なものです。ハチ毒アレルギー(アナフィラキシーショック)のある方は要注意!身体の周りをハチが飛び始めたら近くに巣がある証拠です。ゆっくりその場を離れましょう。間違ってもハチを手で追い払ったりしないように。外敵と思われて総攻撃を誘発します。

さて、そんなこんなで用心深くいつもの登山道を上がっていきましたが、なんとなく秋も深く静かな羅臼岳でしたね。もうオガラバナ、ミネカエデ、ミネザクラ、ウラシマツツジやチングルマなど高山帯の植物は紅葉が始まっていました。終始ガスっぽいこの日の羅臼岳でしたが、一番天候が良かったのは頂上到着時で、風もそれほど強くなくのんびりと休憩をとることが出来ました。なんとなくヒグマが現れる気がして用心していたのですが、この日は幌別川以外では結局現れずじまいでしたね。I様は翌日も斜里岳・トムラウシと梯子をしてお帰りになったご様子。また気が向いたら北海道へ遊びに来てくださいね。よろしくお願いいたします。

2020/7/28、30 羅臼岳・斜里岳登山ガイド

いやぁ、最近暑くなってきましたねぇ。一昨日と今日で羅臼岳と斜里岳のガイドを行ってまいりました。二日間とも天気予報は曇りでしたが、幸いなことに開けてみれば天気はなかなか良く、羅臼岳は下部はガスで頂上では雲の上に抜けた青空、斜里岳では始終晴天と上々の結果となりました。

大沢上部にて
大沢上部にて

羅臼岳では雲間に知床連山や国後島が望め、斜里岳ではオホーツク海や斜里や清里の畑の景色がよく見えておりました。とっても素晴らしい二日間の景色を見られて、お客様もご満悦。

斜里岳頂上

コロナの影響で道の駅や平地など、また山そのものにもいつもより人が少ない様子。すこしづつ以前の状況に戻ることを祈っております。K様、S様、今日はお疲れ様でした。またよろしくお願いしますね!

熊味峠付近より

真っ白な羅臼岳…

昨日今日は、知床は羅臼岳にて毎度お馴染みの知床山考舎の滝澤ガイド・伊藤ガイドと共に今シーズン最後となる登山道整備及び携帯トイレブースの冬囲い作業を行ってまいりました。

 

羅臼岳登山道も下部の樹林帯ではもうすっかり晩秋といった感じで紅葉がとても綺麗でした。知床の紅葉といえば、羅臼岳・岩尾別温泉ルートはミズナラやダケカンバなどオレンジや黄色になる樹種が多く、羅臼温泉ルートはハウチワカエデやエゾヤマザクラなど赤系の樹種が多めに混じり、尾根を挟んでそれぞれ違った印象があって面白いです。葉っぱが落ちた樹林の登山道からはいつも以上に硫黄山がよく望めます。

 

大沢より上ではすっかり登山道も雪や霜、エビのしっぽに覆われておりました。綺麗である反面、この時期の山は天候によっては状況が一変しやすくもあり、低体温やルートロスの危険性も高くなっています。登山される方はしっかりとした装備とリスクマネジメントと共に行動してくださいますようお願いいたします。

ボッカ業務からの道東三山ツアー、そしてまたボッカ業務

みなさまお久しぶりです。すっかりと夏山登山ガイド業務の日々を過ごしております。ず~っと出ずっぱりで山中に居りまして、なかなか連絡が取れなかった関係者の皆様すいません。

6月下旬から2週間ほど知床連山にてボッカ業務を行っておりますまして、ウトロに長逗留しておりました。今年の知床は驚くほど雪が少なく、すでに雪渓はほぼ無くなってしまいました。花が早めに咲いていて、この時期訪れられたお客様はラッキーでしたね。

羅臼岳から知床連山
羅臼岳から知床連山

ボッカ業務が終わったら、直ぐに道東三山(羅臼岳、斜里岳、雌阿寒岳)登山ガイドツアーをお馴染みの知床山考舎の伊藤ガイドと共にご一緒させていただきました。伊藤ガイドとはデナリにも一緒に行った腐れ縁ですので、もはや勝手知ったるコンビネーション。小難しい説明やレクチャーは彼女に任せて、私は肉体労働と無駄話に徹底いたします(嘘)
羅臼岳も斜里岳も雌阿寒岳も良い天気に恵まれ、絶好の登山日和でしたね。どの山でも一足も二足も早く花が咲いていて、お客様は写真を撮るのに忙しかった模様。

そして、道東三山登山ガイドツアーが終わった翌日からは、またボッカ業務で雌阿寒岳へ。なかなか体力勝負な今日この頃ですが、間髪入れずお仕事がドシドシ入ってうれしい限りです。

さて、お次はトムラウシ登山ガイド編にてお会いいたしましょう~!

2017年10月14日 知床登山道整備・ヒグマの痕跡

夏山シーズンの締めくくりとして、知床山考舎http://info.trek-shiretoko.com/の滝澤ガイド、伊藤ガイドと共に知床の登山道整備を行って参りました。この、いつもお世話になっている世界遺産の極上トレイルも上部では雪に覆われ、ひっそりと初冬の雰囲気です。

 

初冬の羅臼岳
初冬の羅臼岳

 

銀冷水で携帯トイレブースの冬囲いをしていたら、気づかないうちに登山道方向に熊が横を歩いた足跡がついておりました。雪上についた足跡にはくっきりと爪の痕が残っております。しかも下山間際にはまた別の熊の姿も。

 

熊の足跡@知床
熊の足跡@知床

 

下の画像は東大雪での作業中に撮ったものですが、このように樹にもくっきりと爪痕がついたいることもよくあります。縄張りを主張するためにつけられたりするようですが、いやはやスゴい威力ですねぇ。 

 

樹についた熊の爪痕@東大雪
樹についた熊の爪痕@東大雪

 

おもしろい熊の痕跡としては下のようなモノもありました。

 

カーブミラーについた熊の足跡
カーブミラーについた熊の足跡

熊はとても頭がいいので、ふと見えたカーブミラーに写った自分の姿が気になったんでしょうねぇ。想像するとなんだか微笑ましいものですが…。山に入る時はやっぱり油断はできません。皆さんもご注意を。

 

紅く燃ゆるハウチワカエデ
紅く燃ゆるハウチワカエデ

 

2017年7月23日~25日 知床連山(羅臼岳~硫黄山)縦走

笑顔のとっても素敵なK様と、7月23日~25日にかけて知床連山・羅臼岳から硫黄山の縦走をしてきました。K様は鹿児島からお越しの方で、北根室ランチウェイを踏破、その後勢い余って知床連山へと足を伸ばしてきた強者…。

岩尾別温泉から羅臼岳を経て二ツ池でテント泊、二日目は硫黄山へ登ってカムイワッカ登山口へ下山。微妙な天気予報とは裏腹に終始雨に降られることもなく、存分に地の果ての極上トレイルを楽しんでいただけました。やっとついた硫黄山ではコマクサや一輪だけ咲き残ったシレトコスミレがお母さんをお出迎え。

最終日は予備日の消化として羅臼湖でのトレッキング&羅臼で海鮮丼を賞味していただきました。いやーえがったですねお母さん。山のことや九州のことなど、色々なお話をしていただけて楽しかったです。また北海道に遊びに来てくださいね!