利尻山登攀史

今日、秀岳荘北大店をブラブラしておりましたら、このような書籍を発見しました。

利尻登攀史
利尻登攀史

題して「利尻山登攀史」札幌登攀倶楽部編となっております。いやぁこれはすごい本ですねえ。北海道アルパインの先駆者、レジェンド達がみんな出てきます。

登攀の一つ一つの記録は間違いなく命懸けの仕事の結果…。まさに胸アツ!血と汗と涙の結晶とはこのような物の事を言うのではないでしょうか。一人1Fの書籍売り場で内容を追いつつ「なんとまぁ…」と唸ってしまいました。

僕は不勉強ながらこの本の存在を知らなかったのですが、初版は1997年3月30日、改訂版の発行が2018年8月30日ということで、よくぞ改訂版を発行してくれたものと思います。先輩たちのご尽力にはただただ敬意を表すばかりです。秋は読書の季節でもあることですし、皆さんもぜひ!

2018年4月23~24日 芦別岳・本谷&Ⅰ稜

N君の結婚式を終えて、天気の良いうららかな春の日に芦別岳を訪れてみました。北海道の春の味覚といえばやはり行者ニンニク!行者ニンニクと言えば芦別岳!なんでここはこうもネギが多いんでしょう?ビールでも飲みながらO氏とネギだくジンギスカンと洒落こもうと思いきや…もうちょいで飯をくいっぱぐれるかもしれなかった面白おかしな山行でした。今回初めて登ったⅠ稜はやや藪っぽいリッジでしたが、芦別岳や十勝連峰の展望が素晴らしいルートでした。今回は新しいGoproで撮影してみました。

芦別岳のアイヌネギ
芦別岳のアイヌネギ

23日晴れ
8:30 旧道登山口~10:20 ネギ採り~11:00 ユーフレ小屋~11:40 本谷ゴルジュ~15:00 芦別岳ピーク~16:15 ユーフレ小屋泊

暖かい天気のいい日。旧道のアップダウンは大汗をかいてしまう。のんびりと進んで、途中の河原でネギを採集。ほんの数分で軽めに二袋分。ユーフレ小屋に泊装備を置いて本谷を登る。やっぱり今年は雪が少ない、が、やっぱり本谷の中はそこかしこデブリの山。ゴルジュの雪は低くなってクラックが入って気持ち悪いが、まだ大丈夫なようだ。でかいキノコ雪も結構気になる。
1時間半ほど登ってⅠ稜の取り付き付近を偵察。ニペソツ東壁とは打って変わってわかりやすいスカイライン。適当に側壁からリッジに上がって、そのままひたすら藪っぽいリッジを登高すればピークへ導かれると見た。運動がてらピークまで上がって一時間ちょいで小屋まで下った。
さて、今山行の核心はここからであった。なんと二人ともライターを忘れて飯が食えないんである。しかしO氏が床板の下から腐ったさびさびライター(当然点かない)を見つけてきて、そのライターを分解して圧電装置をガスに近づけてなんとか着火したという事件があった。

24日晴れ
6:00 ユーフレ小屋発~8:45 Ⅰ稜取り付き~9:30 2P目~10:00 3P目~10:30 4P目~10:40 5P目~11:10 6P目~11:30 7P目~12:15 8P目~12:30芦別岳ピーク~14:30ユーフレ小屋~16:30旧道登山口

小屋のネズミの運動会もなんのその、ぐっすり眠って今日も元気に本谷に入る。
さすがO氏は昨日の疲れも全く見せず、さっさとⅠ稜までたどり着いてしまった。稜を頂上側に回り込んだ藪ミックスの雪壁からロープを付けてリッジに乗りあがることにする。2Pまるまる伸ばしてリッジにたどりついたはいいが、気温が高く汗をかきまくる。さらに緩い藪リッジに40mほどロープを伸ばすと広めのルンゼが出てきた。このルンゼをかすめるようにしてリッジを巻き上がると、両面の展望が開ける。さらに進むと今度は一段下がったコルの先に短い凹角がでてきた。これはビレイ点から見ると立っていて難しそうに見える。が、近寄ってみると寝ていて大したことはない。
ここから1P繋ぐとピークにたどり着いた。
全く風もなく気持ちのいいピーク。十勝連峰が雲間に見え隠れしている。
デナリではこんなにのんびりと春の日差しや風を楽しめないだろうな。生きて帰ってきたらどこの山へ行こう。いやいや帰ったら即知床のガイドだな~などと考えながらのんびり下ってユーフレ小屋で泊装備を片づけて16:30には旧道登山口におりましたとさ。

2016年9月20日~21日 ポントナシベツ直登沢

ポントナシベツ直登沢・テン場にて
テン場にて

2016年9月20日~21日、目下鋭意編集作業中の新版「北海道の山と谷」の踏査で、ポントナシベツ岳直登沢に行って参りました。今年はお盆明けより天候が最悪…。連続台風により日勝峠をはじめ国道や高速道路などの通行止めが相次ぎ、十勝や日高など平野部の水害規模も大きく、沢登りの計画は中止に次ぐ中止となってしまいました。中の川右股、アルファ&ガンマルンゼ、ポントナシベツ直登沢と、大きな計画の中止を続けざまに余儀なくされてましたが、三度目の正直としてやっとポントナシベツの完遂を果たすことができました。

ポントナシベツ直登沢・直登沢出合の大滝
直登沢出合の大滝

久しぶりの大きめの沢で、焚き火やツェルト泊、夜空の星、大滝の高巻きなどを堪能できました。この沢の核心、直登沢大滝の岸壁はかなり崩壊しているようで北大Pが登ったときのクラックや凸凹はスッキリと無きものに…。元々斜めに走っていた水流はすだれ状に広がっていました。いやはや、今年は沢登りには辛い年でしたね。