皆様、こんにちは。登山ガイドの西田です。2025年8月羅臼岳でヒグマの人身事故があり、痛ましくも一名の方が亡くなってしまいました。この事例は知床に関わる多くの関係者にとってショッキングな出来事であり、しかし想定し恐れていた事が現実となってしまったという印象もまた正直なところです。
羅臼岳や知床硫黄山、知床五湖、羅臼湖、カムイワッカ湯の滝など、他に類を見ないほどのヒグマ密生地・知床の多くの景勝地において、これまで重大なヒグマの人身事故が起きていなかったのは、ひとえに知床財団や、ガイドなどの関係者の尽力の賜物であったと思います。知床五湖のレクチャーの内容を見聞きしていてもそれは明らかで、ガイド登山やトレッキングでは体系的にしっかりしたリスク管理があるからこそヒグマ事故は起こっていないのです。
しかし、こと一般の登山者においては、本来ヒグマ個体の増加に従い厳正化・精緻化していかなくてはならないリスク管理が伴っておらず、無自覚的にも山中でのリスクフェーズを上げていってしまっているのというのが現状です。それは、山レコやヤマップで上がっているような行動や計画の内容を見たりするにしても感じます。(無理な計画・スピードハイクみたいな日帰りなどの計画が多い。)または例えば、よくあるでしょう?インスタのヒグマの動画。あれもですね、SNSにアップするため車を停めてヒグマに近づき動画を撮影するという何気ない行為がヒグマに人馴れを促し第三者へのヒグマ遭遇リスクを上昇させてしまうのです。また、これまたよくいますが、ザックのサイドポケットにペットボトル挟んでいる人。あれもペットボトルなど挟んでいるだけで未対処では山中で逸失しやすく、それこそガイド中に私は年間何本も拾って処理しています。これは、甘い飲料であればヒグマの誘因リスクにおいてかなり危険な状況を招いてしまいます。こんなの考えれば当たり前じゃないですか。トムラウシ南沼や白雲岳、羅臼平などの分岐でも、ザックデポしてる登山者の多かった多かったこと。こういった想像力を欠いた人間の危険行為は無自覚的にであっても悲惨な事故の要因となるのです。
私は残念ながら、羅臼岳や知床、幌尻岳、大雪山、などのヒグマ個体の多い山域では事故の危険性はそこそこ上がっていると考えています。多分次は日高?ってところでしょうか…。
以上のことにより当方では利用案内において「ヒグマ対策について」という項目を追加いたしました。よろしくお願いいたします。




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