2026年7月4〜6日(予備日7日) 旭岳〜トムラウシ縦走登山ガイド

7月上旬の表大雪から東大雪へと繋ぐ「旭岳〜トムラウシ縦走」。高山植物が一斉に咲き誇り、日本離れしたスケールの大きな景色が広がる、まさに国内最高峰の縦走ルートです。今回は、7月4日〜6日(予備日7日)に開催された2泊3日の登山ガイドプランの様子をレポートします。

🏔️ 計画概要

  • 日程: 2026年7月4日(土)〜7月6日(月)[移動日:7月3日(金)、予備日:7月7日(火)]
  • ルート: 旭岳温泉 ~ 旭岳 ~ 白雲岳避難小屋(泊) ~ 忠別岳 ~ ヒサゴ沼(泊) ~ トムラウシ山 ~ 短縮路登山口
  • 宿泊形態: 白雲岳避難小屋、ヒサゴ沼避難小屋(今回は両夜とも小屋泊を利用)

🥾 縦走レポート

【Day 1】7月4日:カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)の懐へ

ルート:旭岳ロープウェイ姿見駅 ~ 旭岳 ~ 裏旭 ~ 白雲岳避難小屋

初日は旭川から移動し、旭岳ロープウェイを利用して一気に標高を上げ、姿見駅からスタート。北海道最高峰・旭岳(2,291m)への登りは砂礫の急登ですが、一歩ずつ高度を稼ぎます。山頂からは、これから歩む大雪山の広大な大パノラマがお出迎え。

裏旭の雪渓を慎重に下り、お鉢平のダイナミックな景観を横目に進むと、足元にはエゾタカネスミレやコマクサなどの高山植物が優しく咲き誇っていました。この日の宿、新しく綺麗な白雲岳避難小屋に到着後は、夕日に染まるゼブラ雪渓を眺めながら、翌日への期待に胸を膨らませました。※テント場にはヒグマが現れたりしているため閉鎖中でした。

【Day 2】7月5日:大雪山の核心部、遙かなる平原をゆく

ルート:白雲岳避難小屋 ~ 高根ヶ原 ~ 忠別岳 ~ 化雲岳 ~ ヒサゴ沼避難小屋

この縦走のハイライトとも言える、日本屈指のロングトレイルへ。 白雲岳避難小屋を出発すると、目の前に広がるのは「高根ヶ原」の文字通り天空の平原。どこまでも続く木道と、巨岩が転がる忠別岳への登り、そして高原敷に広がるお花畑――。キバナシャクナゲ、ミヤマタネツケバナ、ウルップソウ、エゾオヤマノエンドウなどが沢山咲いておりました。本州の山では味わえない圧倒的なスケール感に、お客様からも感嘆の声が漏れます。ヒグマの痕跡は数多く有り、あたりに注意を配りながらも進みました。

化雲岳(かうんだけ)を越え、残雪の斜面を下りていくと、静寂に包まれたヒサゴ沼避難小屋に到着。湖畔に佇む美しい小屋で、軽量特化の乾燥野菜の鍋やアルファ米などの温かい夕食を囲み、一日の疲れを癒やしました。小屋には他に佐々木翔平ガイドが率いるツアーグループも居て、彼が言うには午前中は天沼の辺りから雪渓の上にヒグマが歩いているのが見えたとのこと。

【Day 3】7月6日:神々の座、トムラウシ山頂へ

ルート:ヒサゴ沼 ~ 日本庭園 ~ 北沼 ~ トムラウシ山 ~ 前トム平 ~ 短縮路登山口

最終日は、いよいよ聖地・トムラウシ山(2,141m)を目指します。 ヒサゴ沼から雪渓が大きく残る登山道を詰め、巨岩が織りなす「日本庭園」へ。残雪と高山植物、岩のコントラストが庭園のように美しいエリアを抜けると、山頂直下の「北沼」が現れます。まだ一部に氷雪を残す神秘的な沼の横を通り、最後の岩場を登りきると……ついにトムラウシ山頂に到達!

360度の大パノラマを堪能した後は、前トム平を経てカムイ天上、そして短縮路登山口へ。長い下り坂を全員で声を掛け合いながら無事に下山。達成感に満ちた最高の笑顔でツアーを締めくくりました。

💡 ガイドからのワンポイント・総括

7月上旬の大雪山は、「最高の高山植物」と「残雪への対応」が同居する季節です。

  • 雪渓の歩行: 裏旭やヒサゴ沼周辺、日本庭園付近など、例年この時期はまだ大きな雪渓が残ります。今回は6本爪軽アイゼンを状況に合わせて使用し、安全第一で通過しました。
  • 防寒と防水: 晴れれば楽園ですが、遮るもののない稜線で雨風に晒されると一気に体温が奪われます。予備日(7日)を設定したゆとりある計画だったからこそ、天候を見極め、終始安全なペース配分で素晴らしい縦走を完遂することができました。

予備日は釧ちゃん食堂の海鮮丼や、豚田の豚丼などをご賞味いただき楽しく過ごしました。ちなみに入山前の移動日(3日)に旭川で食べたスガワララーメンの塩ラーメンは衝撃的な美味しさでした。

ご参加いただいたI様、O様、本当にお疲れ様でした!また次の計画でお会いしましょう。

2026年6月28日 雄阿寒岳登山ガイド

初夏の爽やかな風と、力強い緑に包まれる季節。今回は6月28日に案内した、神秘の山・雄阿寒岳(標高1,370m)の登山ツアーの様子をレポートします!

阿寒摩周国立公園のシンボルであり、深田久弥の日本百名山にも選ばれている雄阿寒岳。雌阿寒岳の活発な火山風景とは対照的に、鬱蒼とした原始林と苔むした世界が広がる、まさに「静寂の山」です。

⛰️ 登山ルート・概要

  • コース: 滝口登山口 ~ 一合目(滝見池) ~ 五合目 ~ 雄阿寒岳山頂(往復)
  • 歩行時間: 約5時間〜6時間(休憩含む)
  • レベル: 中級向け(急登や岩場あり)

🥾 当日のタイムライン&ハイライト

🌲 07:30 | 滝口登山口から出発!苔と原始林の世界へ

阿寒湖の東端にある「滝口」から登山開始。一歩足を踏み入れると、そこは外界とは隔離されたような深い針葉樹林。6月末のこの時期は、森の緑が最も瑞々しく、エゾマツやトドマツの巨木が私たちを迎えてくれます。

ガイドのワンポイント:

序盤の「滝見池」周辺は、苔がしっとりと輝いていて最高の癒やしスポット。じっくり足元を観察すると、小さな高山植物やキノコが顔を覗かせています。

🧗 09:30 | 三合目〜五合目:容赦ない「一合一会」の急登

雄阿寒岳の本番はここから。一合目から山頂まで、とにかくひたすら直登が続きます。ジグザグの少ない男らしい(?)ルートです。

標高が上がるにつれ、足元は木の根から徐々に大きな岩がゴロゴロする道へと変わっていきます。息を整えながら、一歩一歩確実に登っていきました。

🌸 11:00 | 八合目:視界が開け、高山植物の楽園へ

樹林帯を抜けると、一気に視界が広がります!この日はハイマツの緑が鮮やかで、6月下旬ならではの高山植物(イワヒゲやコマクサの蕾など)が少しずつ姿を現してくれました。

振り返ると、眼下には美しく輝く阿寒湖、そして遠くにはペンケトー・パンケトーの神秘的な湖群が!この絶景を見た瞬間、これまでの疲れが吹き飛びます。

👑 11:45 | 雄阿寒岳 山頂(1,370m)到着!

無事に山頂に到着!

山頂からは、対角線上に佇む雌阿寒岳阿寒富士がくっきりと見えました。荒々しく噴煙を上げる雌阿寒岳を、こちらの雄阿寒岳から静かに見下ろす贅沢。

心地よい山頂の風に吹かれながら、皆さんでお弁当を食べ、最高の達成感を味わいました。

📝 6月28日の登山を振り返って(ガイドより)

6月28日の雄阿寒岳は、「夏山の始まり」を感じる最高のコンディションでした。

この時期の注意点として、以下のポイントが挙げられます。

項目状況とアドバイス
気温・服装登り始めは汗ばみますが、八合目以降の稜線や山頂は風が強く肌寒いです。ウインドブレーカーやレインウェア(防風用)は必須
虫対策森の中はブヨや蚊が活動し始めています。ハッカ油や虫除けスプレー、防虫ネットがあると快適です。
体力配分急登が続くため、ふくらはぎへの負担が大きいです。歩幅を小さく、ゆっくり登るのがバテないコツです。

これからはコマクサなどの高山植物が本格的な見頃を迎えるベストシーズン!

次回のツアーも、安全第一で素晴らしい景色をご案内します。

ご参加いただいたS様、本当にお疲れ様でした!また一緒に北の大地を歩きましょう!

2026/06/23~26 道東トレッキング・自然満喫リクエストプラン

初夏の風が心地よく吹き抜ける6月23日〜26日の4日間、道東の魅力を一気に駆け抜けるプライベートトレッキングツアーのガイドを務めさせていただきました。

新緑の美しさ、ダイナミックな火山地形、そして道東ならではの野生動物との出会いなど、毎日がハイライトの連続だった4日間の様子をレポートします!

【1日目:6月23日】タンチョウとの出会いと、大地の息吹を感じる火山トレック

  • コース: 釧路市丹頂鶴自然公園 〜 阿寒・白湯山(はくとうざん)トレッキング

釧路市丹頂鶴自然公園&阿寒国際ツルセンター

旅の始まりは釧路から。まずは「釧路市丹頂鶴自然公園」と「阿寒国際ツルセンター」へご案内しました。

この時期は運が良ければ春に生まれたばかりのヒナに会える季節。今年も愛らしい姿を見せてくれ、お客様からも思わず笑みがこぼれます。優雅に佇む親鳥の姿は、まさに道東のシンボルそのものです。

阿寒・白湯山トレッキング

午後からは阿寒湖畔へ移動し、白湯山へ。

ここは、かつて火山活動によってできた「ボッケ(泥火山)」や気孔が点在する、大地のエネルギーを間近に感じられるトレイルです。

新緑の森を抜けると、あちこちから勢いよく吹き出す白い湯気と、硫黄の香りが。この季節はしばしばキタキツネの子供達が元気に森の中で遊んでいる姿を観察出来ます。阿寒の豊かな自然が、この火山の恵みによって育まれていることを体感できる素晴らしいスタートとなりました。

【2日目:6月24日】屈斜路カルデラを遊び尽くす!大パノラマと神秘の森

  • コース: 美幌峠 〜 和琴半島トレッキング 〜 藻琴山(もことやま)登山

美幌峠

朝一は、天下の絶景・美幌峠へ。

目の前に広がる日本最大のカルデラ湖「屈斜路湖(くっしゃろこ)」の青さと、中央に浮かぶ中島。息をのむほどの大パノラマに、お客様もしばし言葉を失うほどでした。

和琴半島トレッキング

峠を降りた後は、屈斜路湖に突き出た和琴半島へ。

1周約3kmの散策路は、巨木の森と湖畔のコントラストが美しい癒やしのルートです。ここでも半島の先端近くでは温泉が湧き出ており、道東の火山カルデラならではの地形をのんびり歩きながら満喫しました。

藻琴山登山

2日目の締めくくりは、屈斜路湖の北側にそびえる藻琴山への登山です。

標高1,000mに満たない山ですが、見晴らしは抜群!ハイマツ帯を抜けて山頂に立つと、午前中にいた美幌峠や和琴半島、さらには遠く知床連山まで見渡せる360度の大展望が待っていました。心地よい疲労感とともに、カルデラの大きさを再確認した一日です。ただし、6月はダニが多いので要注意!下山後のダニチェック&温泉はかかせません。

【3日目:6月25日】カルデラ壁の稜線歩きから、太平洋の野生王国へ

  • コース: 西別岳〜摩周岳(カムイヌプリ)登山 〜 尻羽岬(しりぱみさき)ラッコ観察

西別岳〜摩周岳登山

3日目は「霧の摩周湖」の南東に位置する西別岳からスタート。

この時期の西別岳は、初夏の花々が咲き乱れる素晴らしいフラワーロードです。西別岳の山頂を経由し、そのまま摩周湖のカルデラ壁(外輪山)を伝って摩周岳(カムイヌプリ)を目指します。

切り立った崖のすぐ横を歩くルートはスリル満点!眼下に広がる「摩周ブルー」の湖面は、言葉にできないほどの神秘的な美しさでした。

尻羽岬でラッコ観察

山を降りた後は、一気に南下して太平洋に面した厚岸町の「尻羽岬」へ。というのも、翌日は海岸線の海霧(ジリ)が予想されたので、

緑の草原がそのまま海へと落ち込む絶壁の岬です。ここでの目的は、近年このエリアに定住している野生のラッコ!

双眼鏡を覗くと、波間にぷかぷかと浮かびながら毛並みを整える愛らしいラッコたちの姿を無事にキャッチ。山の絶景から海の野生動物まで、道東の多様性を凝縮したような一日となりました。

【4日目:6月26日】旅のフィナーレは、圧倒的なスケールの釧路湿原

  • コース:ノロッコ号〜 釧路湿原展望台 〜 達古武(たっこぶ)自然散策路トレッキング

最終日は、日本最大の湿原「釧路湿原」へ。

釧路湿原展望台

まずは釧路湿原展望台から全体のスケール感を遮るものなく見渡します。どこまでも続く地平線と緑の絨毯は、まさに日本離れしたスケール感です。

くしろ湿原ノロッコ号

午前中は観光列車「くしろ湿原ノロッコ号」に揺られ、車窓からのんびりと湿原の景色を堪能。歩くのとはまた違う、ゆっくりと流れる北の大地の時間を楽しみました。

達古武自然散策路トレッキング

旅のラストを飾るのは、湿原の東側に位置する達古武自然散策路。

ここは湿原の静寂を肌で感じられる隠れた名ルートです。木道を歩きながら、カヌーが行き交う達古武沼や、湿原特有の植物、そして美しいさえずりを聞かせてくれる野鳥たちに癒やされました。

一歩一歩、4日間の思い出を振り返るようにゆっくりと歩を進め、無事に全行程を終了しました。

ガイドより総括

4日間とも天候に恵まれ、道東の「山・湖・海・湿原」のすべてを五感で味わい尽くす充実のトレッキングツアーとなりました。

初夏のこの時期は、新緑が最も瑞々しく、高山植物も咲き始め、動物たちも活発に活動する最高のシーズンです。

ご参加いただいたR様、本当にお疲れ様でした!また季節を変えて、美しい道東の自然の中でお会いできる日を楽しみにしております。

2026/06/21 ニペソツ山登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。6月21日の夏至、東大雪の気高き尖峰・ニペソツ山(2,013m)のガイド山行の様子をまとめました!プロの登山ガイドの視点から、この時期ならではの魅力とリアルなトレイルの状況をお届けします。

【登山レポート】6月21日 夏至のニペソツ山。残雪と高山植物の楽園へ

6月21日、一年で最も昼が長い「夏至」の日に、深田久弥が日本百名山に入れなかったことを悔やんだ名峰・ニペソツ山へお客さまと共に行ってきました。

現在のメインルートである幌加温泉コースは、往復約25km、標準コースタイム13時間超えのタフなロングトレイル。体力的にはハードですが、それを補って余りある絶景に出会えた一日の記録です。

🏔️ 6月21日現在のトレイル状況と見どころ

1. 樹林帯~前天狗(残雪と踏み抜きに注意)

登山口からしばらくは、美しい針葉樹林の急登が続きます。標高を上げるにつれ、この時期特有の「夏道と雪渓のミックス」に。 前天狗の手前の沢型からは部分的にしっかりとした雪渓が残っており、特に早朝の低気温での雪の氷化によるスリップに注意が必要です。今回はお客様も慣れている方でしたので軽アイゼンで素早く切り抜けられましたが、不安な方は12本爪アイゼンやピッケルの携行をおすすめします。

2. 前天狗~天狗のコル(高山植物の目覚め)

視界が開け、前天狗に飛び出すと目の前に「東大雪の槍ヶ岳」とも呼ばれる鋭利な山容がドカン!と現れ…といいたいところですが、あいにくのガス…。視界は悪いながらも、天候の不安定さはさほど感じられなかったので、更に歩みを進めます。

しかし、この稜線歩きのご褒美が、咲き始めたばかりの高山植物たちです。

  • キバナシャクナゲ(淡い黄色の大きな花がハイマツの緑に映えます)
  • コケモモの小さな蕾
  • メアカンキンバイ(黄色い絨毯のよう)

そして、岩場からは「チチッ、チチッ」とエゾナキウサギの可愛い警戒声が響いていました。運よく岩の隙間から顔を出してくれた姿を観察でき、疲れが一気に吹き飛びます。

3. 天狗のコル~山頂へのビクトリーロード

天狗のコル(鞍部)へ一度大きく下る斜面ではさらに体力が削られます。一歩々々慎重に、下りはスリップに注意しながらステップを刻みます。 ここからの登り返しは岩がゴロゴロした急登。一歩一歩確実に足を運び、ついに標高2,013mの頂へ!

夏至の突き抜けるような青空のもと、山頂からは十勝岳連峰、大雪山系、そしてお隣の石狩岳へと続く大パノラマが広がっていました。遮るもののない360度の絶景は、ロングコースを歩き抜いた人だけが味わえる特権です。

💡 ガイドからのワンポイント・アドバイス

6月下旬のニペソツ山に挑戦する際は、以下のポイントを意識してください。

⚠️ 水分の確保と、ヒグマ対策は万全に

  • 行動水: 遮るもののない稜線歩きが長いため、気温が高くなると一気に水分を消費します。最低でも2.5L〜3Lの水を持参しましょう。
  • クマ鈴・スプレー: 東大雪エリアは濃いヒグマの生息地です。樹林帯では声を出し、必ずクマスプレーをすぐ抜ける位置に装備してください。
  • 行動食: 10時間近い行動になるため、シャリバテ(エネルギー切れ)を防ぐために、歩きながらこまめに補給できるジェルやナッツが有効です。
  • 天候:長い頂上稜線ではしばしば急な天候変化が問題になることがあります。無理のない行動を心がけましょう。

夏至の長い1日をフルに使い、大きなトラブルもなく卒無く幌加温泉へ下山。いや〜えがったえがった。ニペソツ山はこれから本格的な夏山シーズンを迎え、高山植物がさらに咲き乱れます。タフですが、間違いなく北海道屈指の名峰です。ぜひ皆さんも万全の準備で挑戦してみてくださいね。

ご参加いただいたIさま、本当にお疲れ様でした!また次の山でお会いしましょう!

2026/06/17 石狩岳登山ガイド

皆様こんにちは。初夏の風が吹き抜ける6月中旬。北海道大雪山系の東側に位置する、日本二百名山の一座「石狩岳(1,967m)」へ行ってきました!今回は、6月17日に催行した登山ガイドの様子をお届けします。

⛰️ 今回のルートとコンディション

  • 日程: 2026年6月17日
  • 天候: 晴れ(晴天の絶景!)
  • ルート: シュナイダーコース 往復
  • 登山レベル: 上級(急登、わずかに一部残雪)

1. 登山口〜尾根取り付き:新緑と渡渉

険しいく長い林道を進み、いざ登山開始。とりあえず標識がヒグマに破壊されておりましたが北海道の深山ではよくあることです。この時期の石狩岳は、エゾハルゼミの大合唱とみずみずしい新緑に包まれています。 登山道最初に沢渡り(渡渉)がありますが、水量は平年並み。石が滑りやすいので気をつけてください。一歩一歩慎重に足を置くようお客様をサポートしながら進みます。

2. シュナイダーコース:「胸突く急登」

名物「シュナイダーコース」に入ると、一気に傾斜が増します。木の根や岩を掴みながらグングン高度を上げる、まさに体力勝負のエリア。 標高1,500mを過ぎたあたりから、日陰に残雪(雪渓)がポツポツと現れ始めますが問題にはなりません。

💡 ガイドのワンポイントアドバイス 6月中旬の石狩岳は、夏道が出ている場所が大半ですが、頂上稜線上部にはまだステップの切りにくい硬い雪渓が残っていることがあります。今回は軽アイゼンを使用するほどではありませんでしたが、ストックやキックステップでの確実な足運びが求められるコンディションでした。しっかりした登山靴で臨みましょう。

3. 稜線〜山頂:高山植物の目覚めと、一瞬のドラマ

急登を登りきり、シャクナゲ岳との分岐に出ると視界が開けます! 足元をよく見ると、過酷な環境で健気に咲く高山植物たちが顔を覗かせていました。

  • ミネズオウ(ピンクの絨毯)
  • コケモモ(可愛らしい蕾)
  • コマクサ(高山植物の女王)
  • エゾノツガザクラ(小さい花の宝石)


山頂付近も晴天に恵まれ360°の展望を楽しみながら、のんびり休憩しました。荒々しくも美しい石狩連峰の稜線と、遥か眼下に広がる大雪山の奥深い大自然。 お客様からも「わー!」と歓声が上がります。この一瞬のドラマがあるから、山のガイドはやめられません。

🎒 6月中旬に石狩岳へ登る方へのメッセージ

6月17日時点の石狩岳は、「春と夏が同居する季節」です。登山口は汗ばむ陽気でも、稜線に出ると冷たい風が吹き付け、体感温度は一気に下がります。

  • 防寒着(フリースやウインドブレーカー)とレインウェアは必須。
  • 残雪の状況は日々変わるため、不安な方は軽アイゼン(チェンスパ)を御守り代わりにザックへ忍ばせておくと安心です。
  • また、この時期はブヨや蚊などの虫が多くなるので、防虫対策(ネットやスプレー)もお忘れなく!

険しい分、静かで深い北海道の山をダイレクトに体感できる素晴らしい山です。しっかりとした装備と計画で、安全に初夏の登山を楽しんでくださいね。
K様この度はありがとうございました。また気が向いたら北海道に遊びに来てくださいませ!

次回のガイドツアーもお楽しみに!

※山の状況は天候によって急変します。最新の気象情報や林道情報を確認の上、入山してください。

2026/06/16 ニペソツ山登山ガイド

皆様こんばんは。登山ガイドの西田です。6月16日、東大雪の名峰・ニペソツ山(2,013m)への日帰りガイドに行ってきました!。かつて深田久弥が日本百名山に入れなかったことを悔やんだとされる、あの鋭利な尖峰。今回は幌加温泉コースからのロングトレイル(往復約22km、行動時間約12〜13時間)に挑みました。天候にも恵まれ、この時期ならではの素晴らしい景色に出会えた一日の様子をレポートします。

タイムスケジュールとルート概況

今回は長丁場になるため、早朝からのスタートです。

  • 04:40 幌加温泉コース・登山口 駐車場出発
  • 06:00 三条沼 通過(新緑がとても綺麗です)
  • 7:30 シャクナゲ尾根展望台(ここで初めて山頂の尖がった姿が拝めます!)
  • 09:00 天狗のコル
  • 010:30 前天狗(携帯トイレブースのある広場)
  • 11:15 ニペソツ山 山頂
  • 17:30 登山口 駐車場に無事下山

本日のハイライト&ルート状況

① 序盤のドロドロと、三条沼の新緑

登山口からしばらくは、この時期特有のぬかるみが目立ちます。スパッツ(ゲイター)は必須ですね。一歩一歩慎重に進みながら高度を上げていくと、三条沼周辺では瑞々しい新緑の木々たちが迎えてくれました。

② 残雪の状況:天狗のコル〜前天狗

6月中旬のニペソツは、まだまだ雪が残る「夏山への過渡期」です。 特に前天狗への登りには大きな雪渓が残っています。朝方は雪面が硬く締まっていることもあるため、今回は12本爪アイゼン&ピッケルを持参して大正解でした。踏み抜き(雪が腐って足がズボッと埋まる現象)にも注意しながら、安全第一でルートを選んで登りました。

③ 出会った高山植物とナキウサギ

前天狗付近のガレ場に差し掛かると、足元にはキバナシャクナゲコケモモの小さな花が咲き始めていました。初夏の訪れを感じます。 そして、岩の間からは「ピィッ!」という甲高い声が。東大雪のアイドル、ナキウサギが顔を出してくれました! お客さまもこれには大興奮。足を止めて静かに観察する癒やしのひとときです。

④ 山頂からの絶景

前天狗を越え、最後の急なザレ場と岩場をクリアして、ついに山頂へ! 山頂からは、まだ白く雪をまとった大雪山旭岳やトムラウシ山、十勝連峰までの大パノラマが広がっていました。若干、雷の懸念される空模様であったため、そそくさと標高を下げました。


⚠️ ガイドからの安全ワンポイントアドバイス

  • 行動時間の管理: 幌加温泉コースはとにかく長丁場です。標準でも11〜13時間かかるため、遅くとも午前4時前には出発できる計画を立てましょう。
  • 残雪対策: 6月中旬〜下旬は年によって雪の量が大きく変わります。アイゼンと防水性の高い登山靴は必須です。
  • クマ対策: 最近も周辺エリアでのヒグマ目撃情報が出ています。熊鈴の携行や、音を出しながらの行動を徹底してください。
  • ロングルートのため、天候の変化に気遣いながら無理のない行動を心がけましょう。

ご参加いただいたKさま、本当にお疲れ様でした! これからは一気に夏山シーズンが本格化し、高山植物の絨毯が見事な季節になります。また一緒に素晴らしい山へ行きましょう!

2026/06/13 暑寒別岳登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。初夏の風が心地よく吹き抜ける6月13日。 今回は、北海道の名峰・暑寒別岳(しょかんべつだけ・1,492m)の登山ガイドの様子をレポートします!この時期の暑寒別岳は、残雪と新緑、そして春の花たちが織りなす、1年でもトップクラスにドラマチックな表情を見せてくれます。

⛰️ ルートとコンディション

  • 日程: 6月13日
  • 天候: 晴れのち時々曇り〜山頂にて雨のち雷雨
  • ルート: 暑寒ルート
  • 見どころ: 雪渓の登高、咲き誇る高山植物

🥾 登山のハイライト

1. 新緑のトンネルから大展望のパノラマビュー

登山口周辺は、瑞々しい新緑に包まれた気持ちの良いトレイルからスタート。鳥のさえずりを聴きながら高度を上げていくと、景色は一変。目の前にドカンと現れるのが、滝見台の大展望パノラマビューです。6月中旬ともなると、登山道上部では雪渓が現れます。急傾斜の雪渓ではアイゼンを装着するタイミングをガイドが的確に指示しながら、一歩一歩踏みしめて登ります。照り返しが眩しいので、サングラスは必須アイテムですね。

2. 「花の百名山」の真骨頂!

暑寒別岳といえば、初夏の花々。今年も期待を裏切らない素晴らしい咲きっぷりでした。

  • シラネアオイ: 雪解け間もない斜面に、大きな薄紫色の花が揺れています。
  • オオバキスミレ: 足元を黄色く彩る、小さくも力強いお花。
  • エゾイチゲ: 白く可憐な妖精のような姿に感嘆。

山頂付近の広大なお花畑では雪解けの早い斜面からは次々と命が芽吹いており、季節の移り変わりを肌で感じることができました。

3. 頂上ではアクシデントも…

最後の急登を乗り越え、ついに標高1,492mの山頂へ! 本日は視界も良好…といいたいところでしたが、暗雲が湧き上り雷が発生!そそくさと頂上写真を撮って足早に下山へ!危急な行動が功を奏し、雷は回避できたのでした。あ〜よかった!

💡 ガイドからのワンポイント・アドバイス

⚠️ 6月中旬に暑寒別岳を目指す方へ

  • 足元の装備: まだまだしっかりとした残雪があります。軽アイゼン(6本爪以上)やチェーンスパイク、そして滑りやすい雪渓を支えるトレッキングポール(スノーバスケット付き)は必ず持参してください。
  • 防寒・日焼け対策: 登っている最中は汗をかきますが、山頂や雪渓上は風が吹くと急激に冷えます。レイヤリング(重ね着)を意識し、日焼け止めも忘れずに!
  • めちゃくちゃ虫が多いです、虫除けネットがあった方が良いです。

結びに

残雪の白、新緑の緑、そして青空と日本海のブルー。6月13日の暑寒別岳は、まさに色彩豊かなパノラマビューを望めます。今回は雷が鳴るアクシデントも有りましたが、ご参加いただいたTさま、本当にお疲れ様でした!

暑寒別岳はこれから本格的な夏山シーズンを迎え、高山植物の見頃もさらに加速していきます。次回のプランもお楽しみに!

2026/04/26 オンネトー&阿寒の森トレッキングガイド

皆様こんにちはガイドの西田です。この日程では神奈川からおこしのN様ご家族とオンネトーと阿寒の森のトレッキングをご一緒させていただきました。オンネトーへ赴いてみると、秋の倒木がまだ撤去されておらず、散策路のすべてが通行止めになっておりました。冬にアイスバブルで来た時は通行止めになっていなかったのですが…。そんなこんなで、オンネトー湖畔を少し歩き野営場なども散策しつつ記念写真なども撮りつつしていると、この日は天気も良かったのでミヤマカケスやアカゲラ君も出現してくれました。そして阿寒へ移動して、春のうららかな日和に気持ちの良い森林浴をお楽しみいただきました。林床にはヒメイチゲやスミレ、福寿草もまだ咲いていました。N様、この度はありがとうございました。また北海道へ遊びに来てくださいませ!

フランスからのお土産をありがとうございました!

先日ご案内させていただいたF様の奥様より、フランスのオリーブオイルやハーブ、マドレーヌなど、お土産をいただきました!こんなに異国情調あふれるお土産ははじめてです。実は僕は料理も大好きなので、これは嬉しい!フランスのオリーブオイルって缶に入ってるんですねぇ。オリーブオイルは我が家ではかなり使いますので、普通にありがたいっす。F様の奥様、本当にありがとうございます。そしてF様、またぜひ遊びにいらっしゃってくださいませ。よろしくお願いします!

2026/04/14~15 景色最高!美味しいもの最高!余市岳登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。表題の日程では余市岳へリピーターのT様と登ってまいりました。実はT様とは昨年の春にも同じように余市岳へ挑戦し、強風とガスで敗退しております。今回は慎重に日程を見定めて、予備日まで設定していただいて執念で登って参りました。

まずは小樽で前泊としてグランドパーク小樽へ。ここは、いわゆる小樽築港の駅ビルに接続するホテルなのですが、眺めも立地も部屋も食事も便利も良くてさいこうじゃないっすか。小樽観光の際はおすすめの宿ですね。お酒の好きなT様と歓談しつつ飲みつついつものことながら楽しい夜は更けました笑

そして翌日はちゃんと真面目に起きて札幌国際スキー場へ。少し心配でしたが、まだ雪はたっぷり残っておりました。快晴で風はいくらかあるかなといった天候。ゴンドラの頂上駅から、朝里岳を経て余市岳へ。だだっ広くて気持ちのいい尾根ルートですが、天気が悪い日には大変注意を要する山ですね。頂上直下の急登では練習も兼ねて、スノーシューはデポって、アイゼン&ピッケルで登高しました。頂上からは、羊蹄山はもちろん、尻別岳やニセコアンヌプリが見えていました。

翌日は、予備日として札幌国際スキー場でスキーを楽しみました。国際スキー場の頂上駅にはカフェがあるのですが、ここのメニューは大変素晴らしいですね。コーヒーもソフトクリームもとっても本格的なもので、スキー場のフードメニューとは思えないほど凝ったものです。しかも眺望もとっても良く、暑寒別岳や夕張岳、芦別岳、遠くに薄っすらと利尻も見えていました!そんなこんなで、T様またしても大変お世話になりました。ぜひまた遊びにいらっしゃてくださいませ。よろしくお願いします!