ゴローの登山靴・ブーティエル、開封&レビュー動画をYou tubeに公開

こんにちは登山ガイドの西田です。先日2月の半ばくらいのことですが、昨年2023年9月下旬に注文していたゴロー・ブーティエルがとうとう到着いたしました。私がブーティエルを作成していただくのは今回が3回めで、初代を14年、2代目を7年履きました。共にリソールは1回だけだったのですが、登山ガイドという職業柄やはり使い方が激しいようで…なんせ3シーズン全ての山でどちらかを履いていましたから…ちなみに数えてみると2023シーズンはお客様の登山のガイディングが30回ほどで、そのうち10回が山中泊付きの登山でした。まぁ、これでは登山靴も酷使と言って過言ではない状態でしょうね。しかも北海道の山の登山道はワイルダネス度が高く、登山靴への負荷も高いですからね~。リソールしながら7年というのもある意味よくもった方ではないでしょうか。初代が14年もったのは、最後の方は痛みすぎていてあまり履いて居なかったということもあります。一般の方でしたら何十年ももつかもしれませんね。

以前より私は再三申しておりますが、このブーティエル、履き心地はまずもって極上です。だってパターンオーダーですからねぇ。しかもオールレザーなので、履けば履くほどに足型によく馴染み、一度これを履くと他の靴では不満を感じるようになってしまうかもしれません。ただし、足型は人それぞれ千差万別なので、オーソドックスな足型で既成靴でもなんでも割とよく合うような人には色々な選択肢もあるので、この限りでは無いとは思いますが。目指す山も体力も人それぞれですしねえ。とはいえ、昔ながらの求道的な職人さんのカウンセリングを元に作成されるこの靴は、そもそもの作り・材質の良さも相まって、やっぱり素晴らしいと思います。登山靴界のオールデン、JMウェストンであります(知らんけど)。というかですよ、14年前のオーダー履歴がきっちりと残っていて、登山靴の痛み方の変遷から僕の体型変化などを踏まえたおすすめのカスタムなどを相談させていただけましたが…これって凄いことだと思いません?わたくしもこのようなお客様を思った仕立てのできるガイドでありたいと思っております。今シーズンはこの靴でお客様のご案内を差し上げようと思っている次第でございます。

そんなゴロー君への思いをこの度は動画にしてみました。一回ちゃんとまともにガイドとして、こういう語り込みの動画を作ってみたかったんですよねぇ。で、作ってみると以外なほど難しかったです。語りの部分の細かな修正はもちろん、光の具合やら、ホコリの映り込みやら…結構何十回となく撮り直してしまいましたが…所詮素人の余技ですが、ユーチューバーという人たちはこれを毎日のようにやっているのですから大変ですねぇ。とまぁ、そんなこんなでございますが、ゴロー・ブーティエルの開封&レビュー動画でした。ひまつぶしにでもご笑覧くだされば幸いです。

2024年 冬シーズンの買ってよかったおすすめのギア達

皆さまこんにちは。登山ガイドの西田です。以前アップした「買ってよかったギアたち」のページは当ホームページでも一二を争う人気記事でしてね。皆様山の装備や、便利グッズにはご興味がお有りのようですね。というわけで2024年の冬シーズンの買ってよかったおすすめギア達をご紹介したいと思います。

■TSL 418 UP&DOWN GRIP

これ(アイキャッチ画像)はおフランス製のスノーシューなのですが、正月のカムエクや2月の知床アイス探検で使用するために購入しました。大きな特徴は、ヒールリフターがクライミングサポートとして機能しつつも完全にキャンセルすることが出来、つまりブーツフィット部分がゼロポジションよりさらに地面側へ倒れ込む仕様になっており、下降歩行時のヒールステップの安定性がかなり高いことです。スパイクはピンのようなポイントと縦のギザギザ、前爪という構成でなかなか登攀性も高いと思います。実は当方ではお客様のレンタル装備として、スノーシュートレッキングで使っているものは廉価版の305 ACCESSというモデルで、これもダウングリップ以外は同じような仕様で、着脱が用意で軽快に使える機種です。なにより2~3万円で買える安さが良いですね。というより、私は某社の定番スノーシューは元価格もメンテナンス性もあまり良くなくて好きではないんですがね。ユーザー登録なしではベルトの交換すらしてくれません。TSLのスノーシューはガッツリ使い込んでおり、実績的に信頼感があります。モンベルからも機能性の高い新機種が出るようなので気になるところです。

■モンチュラ ライトキャップ

モンチュラ ライトキャップ
モンチュラ ライトキャップ

これはバラクラバ、いわゆる目出帽ですね。バラクラバは特に厳冬期の冬山でも悪条件下においてとても重要な装備の一つです。顔を強風や低気温による凍傷から守ってくれる心強い味方。ハードシェルのフードのフィッティングと合わせて、しっかりとこだわりたいところです。このモンチュラのバラクラバは何より立体裁断で顔や頭にきれいにフィットするところが素晴らしい!目周りや口元で余計なボリュームが出来ず視界が遮られないため足のステップが見やすいです。生地も適度な保温性と通気性が相まって心地よく、口に通気の穴が空いているのでメガネやゴーグルも曇りにくくなっております。耳も音が遮られないようにメッシュになってるという徹底ぶり!はっきり言って他のアウトドアメーカーのものは概ねワークマンで売られているものと機能的にはそんなに強い競争力を持っていませんが、このモンチュラのバラクラバは8800円しますが指名買いするだけの価値は十分にあると思います。こんなこに細部にこだわりのある逸品は他に無いと思いますね。

■プロテクトJ1

プロテクトJ1
プロテクトJ1

これはマラソンなど長時間のスポーツ時に使うための皮膚の保護用クリームです。普段重荷を担いで長時間歩くことの多い私にとって無くてはならないもので、靴ずれ予防として足にはもちろん、ザックのショルダーやウェストハーネスのスレ予防として、肩や腰などにも塗ったりします。効果も持続性も高く、登山には非常に有用なものですね。これを塗って更に局所的にテーピングなどで保護をすればかなり靴ずれは予防できるでしょう。山屋さんにはもちろん他のスポーツ愛好家にも非常におすすめできるものです。

■防寒テムレス+Tips

テムレス
テムレス

テムレスはもはや海外でもユーザーが多くいるほどの定番ですからご存知の方も少なくないことでしょう。もちろん素晴らしく有用なこの手袋ですが、冬の登山者向けにもう少し進んだティップスをお伝えしてみましょう。テムレスは操作性や快適性を重視し、保温性はそこそこのアイテムとして皆さん納得してお使いのことと思いますが、すこし保温性を上げられる工夫があるのです。それにはまず「アンダーカフ」で使うこと。つまりグローブの裾をジャケットの袖の中にたくし込んで使うことです。これだけで保温性は一段階上がります。そして「VBL」で使うこと。VBLとはベイパーバリアライナーの略で、簡単に言うと第一レイヤーに未透湿素材を用い覆ってしまう…早い話が一番下に薄々のビニールやニトリルなどの手袋などをつけることです。こうすることにより、汗の気化熱で手が冷えづらくなり、テムレス自体にも汗による湿気が移らなくなります。ただしこの薄々手袋はタイトフィットであっては血行を阻害し逆に寒くなるので、適度なゆとりが必要です。一番下のレイヤーにはすこし大きさにゆとりのある物をチョイスしましょう。ちなみにテムレスにはデメリットもあって、よく知られたビレイ・懸垂下降時の巻き込み不具合の他にも、低温環境でストックやピッケル・ショベルのグリップなどと共に雪を握り込んでしまうと氷化しやすいというのがあります。グローブが完全防水で薄い材質のため、雪が僅かずつ溶けてしまうためでしょうね。このようになってグリップに付いた氷を握り込んでいるとその氷がどんどん肥大していき、手も冷えて滑るので氷をその都度落とすしかないです。これは積雪時のアイスクライミング時にも滑る感じがになります。テムレスを使う際にはそれ相応の作法があるということですね。いずれにしてもこのグローブは、おおくのアウトドアメーカーの開発者が作ったグローブを差し置いて、もはや登山には無くてはならないものになったと言えます。

■ワークマン バズヒートフライヤーパンツ

ワークマン バズヒートフライヤーパンツ
ワークマン バズヒートフライヤーパンツ

ワークマンもまたアウトドアウェアメーカーにとっては恐ろしいほどの脅威で、多くのアイテムは登山活動に十分に使えてしまします。このバズヒートパンツは端的に言うとナノエアパンツみたいな透湿インサレーションパンツなのですが、機能性はなかなかどうして悪くないもので、透湿性・保温性ともに程よく十分です。もちろん本家のナノエアパンツも高機能なのですが、パタゴニアで滅多にラインナップに乗らず、なかなか買えません。それに引き換えワークマンの物はお店に行けばいつでも買えてしまいます。しかも安く。このパンツは大人気のようで、かなり売れているようですね。同素材のジャケットもあります。

オンネトーの動画など…

数年前から四季を通してちょこちょこ撮っていたオンネトーのビデオクリップを編集し、ムービーポエムに仕立て上げてみました。ムービーポエムってなんやねん?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、私が勝手に考えただけのモノです。これは、マイルス・デイビスがジョセフ・ザヴィヌルの名曲「in a silent way」を「トーンポエム」と表現していたことにインスパイアされたものです。ま、ただの素人動画なのですが…。

さて、このオンネトーのビデオですが、春のバージョンと秋のバージョンの二本立てとなっておりまして、これをご覧いただけばグリーンシーズンのオンネトーはかなり予習していただける運びとなっております。自然散策ガイドプランのご参考にでもしていただければ幸いです。今回はドローン映像もフューチャーされてます。

ここ最近の、買ってよかった!素晴らしきギアたち5選

どうもお世話になっております。ガイドの西田です。

実は、なにを隠そうわたくしは非常に新しい物好きです。登山用品や色々な道具類など、最新のとか最軽量とかいうものに目がないタイプで、むやみやたらと最新ギアを導入してみたくなってしまいます。まぁゴローの登山靴だけは例外で、これはクラシックタイプの登山靴ですが。そうして新しいギアを使って色々と実験をしてみたい性分なのですよね。まぁ、すんごい良かった!というものも有ればなんやこれ金返せ!という失敗も色々あります。

そんな新しいもの好きの私がここ最近使ってみて「これは良かった!みんなもこれ買ったほうがいいよ!」というものをお知らせしてみましょう。なんといいますか、私は性格上皆さんのよき人柱タイプの人間なので良かったら参考にしてみてください。

 

5位、ナンガオーロラライト寝袋

ナンガオーロラライト600SPDXと800DX
ナンガオーロラライト600SPDXと800DX

このナンガのオーロラライトというシリーズは、外側がオーロラテックスという防水透湿素材になっているシュラフカバーのいらないタイプの寝袋です。デナリに行くとき某好日山荘の店長さんにそそのかされて買ったものですが、これは本当に買って良かったですね。羽毛の高品質は言わずもがなで、縫製や構造も素晴らしく羽毛が抜けてくるという事はほぼありません。やはり防水透湿の外側のおかげで、長期山行でもロフト低下は起こりにくいです。厳冬期のテント泊で霜が寝袋のガワにたくさん着いてもサッと手で払えば無かった事に!ジッパースライダーが特殊な形をしていて噛みこみもしにくい点も気に入っています。尚且つシェルのかぎ裂きなども無料で面倒を見てくれる永久保証!…いやなんと素晴らしい。
私はすでにナンガの寝袋は3つ持っているにもかかわらず、更にもう一つ夏用のオーロラライト380か450を買い足して通年オーロラライト体制で行こうと思っているほどです。近ごろはUDD(ウルトラドライダウン)という超撥水ダウンのシリーズも出ているようで気になるところです

https://nanga.jp/product/sleeping-bag/aurora-light/aurora-light-450-dx-2019/

 

4位 パタゴニア ナノエアライトハイブリッドフーディ

パタゴニア ナノエアフーディとナノエアライトハイブリッドフーディ
パタゴニア ナノエアフーディとナノエアライトハイブリッドフーディ

パタゴニアのナノエアはもう定番ですね。簡単に申しますと、これは新タイプの中綿入り中間着という感じのウェアです。私はこれを今年まで体験したことがなかったのですが(なぜならとんでもなくお高いので)みんな着ているのでさぞかし良いのだろうなとは思っておりましたが…で、実際使ってみてびっくり!想像を上回る素晴らしさですね。はっきり言って現状の中間着の中では最強ではないでしょうか。今まで中間着としてフリースを着ていたところをこのナノエアで置き換えると、とても具合がよろしい!特徴としては、保温性が高いわりに透湿性が非常に高く汗抜け抜群。暖かいのに蒸れないという奇跡的な感覚!ストップアンドゴーを繰り返したり、重荷を背負った本気の登山のミドラーとして大変よくフィットします。フードのカットも良いので、よほど低温だったり強風だったりしない限り単体バラクラバの出番は無くなります。というより、フードもやっぱり透湿性が高いとすんごい快適なのです!というわけで本気の冬季登山用にはフーディタイプが絶対おすすめ。フリースの時代からなかなか華々しいブレイクスルーだと感じました。私はナノエアフーディを一着買って非常に気に入り、即座にナノエアハイブリッドフーディも買い足しました。無印ナノエアは少し保温性が高めなので日本国内の山岳環境ではナノエアライトハイブリッドの方がつぶしはきくと思います。パタゴニア製品はどんなに物が良くてもセールスが振るわなければ容赦なくディスコンになってしまうので、こういう絶対的に良い物はさっさとゲットしましょう。

https://www.patagonia.jp/ms-nano-air-light-hybrid-hoody/84415.html

 

3位 マジックマウンテン SIREX カンチェンジュンガ

マジックマウンテン SIREX カンチェンジュンガ
マジックマウンテン SIREX カンチェンジュンガ

これはオランダ産の特殊なフォームで作られているクローズドセルタイプのマットです。特徴は195センチで150グラムという超軽量性。山では195センチなど文字通り無用の長物ですので半分に切って使いますが、そうすると75グラムという信じられない軽さになってしまいます。75グラムといえば、軽量の肉抜きフォージドタイプの環付きカラビナくらいの重さですよ!なんと軽い…。保温性もまずまずでR値はおそらく1.8くらいでしょうか(自分の体感的にはアルミ蒸着の付いてないクラシックリッジレストと同じくらい…※体感には個人差がありますのでご注意ください)普通に北海道の冬山でも使えていますので、かなり有用性は高いと言えるでしょう。欠点はやや傷がつきやすいという事くらいでしょうか。リッジレストはボロボロになっても20年とか平気で使えますが、このマットはさすがにそこまではもたないと思われます。個人的にはインフレータブルタイプは、穴が開いたり、内部剥離して変な形に膨れてきたりしやすいのであまり好みではなく、最近の本気登山の際は完全にこれ一択です。

https://www.amazon.co.jp/マジックマウンテン-MAGIC-MOUNTAIN-カンチェンジュンガ-IBKJ195/dp/B017YUFCHY/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%82%AC&qid=1586259887&sr=8-1

 

2位 エッジタクティカル サングラス

エッジタクティカル オーバーロード
エッジタクティカル オーバーロード

これは端的に言いますと、めちゃくちゃ曇りにくいアンチフォグレンズのサングラスです。なんでも米軍仕様らしいのですが日本ではモデルガンとかサバイバルゲーム用品の店で売っています。北稜クラブのダニーアーノルドことW君がKURI ADVENTUREさんの動画で見知ったらしく教えていただきました。とにかくこのサングラスはホントに曇りにくいです。曇らないというのはどういうことかというと、親水性があってレンズ上で水分が水滴状にならないので視界が確保されるという仕組みらしいですね。登山中に入山から下山までずーっとかけていて曇らないのは自分が知る限りこのサングラスだけ。これをかけたままフードを被ってアウターシェルのジッパーを最上部まで上げて顔を完全に覆っても全然曇りません。つまり、強風下でも顔を完全に保護できるのです。結果としてゴーグルは不要になり、安全性にも軽量化にも寄与します。間違いなくおすすめの逸品!

試しに加湿器の湯気に当ててみますと…水の膜が出来て視界は遮られません。このため乾くのも早いです。

https://www.amazon.co.jp/【EDGE-TACTICAL】OVERLORD-Tactical-Eyewear-G-15/dp/B07LGS2MWZ/ref=sr_1_2?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&dchild=1&keywords=%E3%82%A8%E3%83%83%E3%82%B8%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB&qid=1586259569&sr=8-2

 

1位 ヘリテイジ クロスオーバードーム2

ヘリテイジ クロスオーバードーム2
ヘリテイジ クロスオーバードーム2

これは去年の秀岳荘のセールで39000円になっているのを小一時間迷いに迷って買ったものですが、これもめちゃくちゃ良いです。とどのつまりは770グラムの超軽量シェルターなのですが、快適性は高く普通のシングルウォールテントと居住性はそんなに変わりありません。770グラムといえば、私が23年前買ったその当時の最軽量テント「石井ゴアライト1人用」1500グラムの約半分ですから時代は変わったものだなぁと思います。シェルターとはいえ2人用(210×130センチ)が1キロを割るのは自立するクロスフレームタイプでは不可能だとばかり思っていました…。仕舞寸法も2人用ツェルトと同じ位と極小です。ちなみにこのクロスオーバードーム、テントではなくシェルターですので、パネルの透湿性がやや低いです。つまりベンチレーションを全絞りに閉め切ると窒息の恐れがあるので要注意。最初これを知らずに(というか知ってて無視して)悪天候の中で閉め切っていると苦しくて死ぬかと思いました。実はこのクロスオーバードームを使う上でここが忘れてはいけないポイントで、雪や風が吹き込もうとも絶対にベンチレーションは閉め切ってはいけないのです。ベンチレーションさえ閉め切らなければ、普通より少し寒いけど快適な超軽量シェルターなのというわけです。あとの留意点は超軽量なだけにパネルやボトムが薄いということくらいでしょうか。最近はニューバージョンが出るようで、それは防水性も透湿性も軽量性もアップして、ベンチレーションは絶対に閉め切れないように煙突部分の先端がメッシュになっていました…。ヘリテイジもなかなか意欲的な商品を開発しますねぇ

https://heritage.co.jp/Gears/COD.html

というわけで、みなさんも色々試してみると面白い発見がありますよ。その際はお知らせいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

ゴローのブーティエル、リソール完了。

皆様お世話になっております。ガイドの西田です。新型肺炎コロナの影響ですっかり静まり返ってしまった北海道の体験観光業界ですが、早期収束の願いもこめつつグリーンシーズンに向けてギアの整理や修繕・準備など行っている今日この頃でございます。

山道具で最も大切なギアといえばやっぱり登山靴ですね。というわけで、今回はわたくしの夏山登山ガイドのすべての山行の相棒であるゴローのブーティエルをリソールに出してみました。そろそろ靴底のゴムがちびてきていて、若干滑りが気になっていたんですよね。ちなみに、張替えのサインは、かかと側のソールが溝より数ミリ削れると目安だそうです。

古びたソールのゴロー・ブーティエル
古びたソールのゴロー・ブーティエル

そんな私の黒と茶のブーティエルですが、茶はかれこれ11年、黒は4年ほど履いております。このよく知られたセミオーダー登山靴であるゴローブーティエル君、これだけ履いておりますと元々の足入れの良さ・フィット感も相まって、極上の履き心地でまさに登山靴のロールスロイス…もう普通の既成登山靴など履けなくなってしまいました。ま、ロールスロイスなど乗ったことはございませんが…。

リソール後のゴロー・ブーティエル
リソール後のゴロー・ブーティエル

リソールは3月末に出して一週間ほどで完了し返ってきました。料金は一足9000円(税別)、かかとの革のほつれなども治していただきました。うーん、新しいソールは気持ちが良いですね!というわけで、今シーズンもよろしくお願いいたします!

我が家の登山靴たち
我が家の登山靴たち

阿寒周辺スノーシュープラン・積雪状況のお知らせ

みなさまこんにちは。ガイドの西田です。
今シーズンは本当に雪が少ない!2020/1/14現在のところ阿寒周辺の積雪は5cmに満たないといった程度でしょうか。北海道東部の太平洋側は、元々雪の少ない地域特性を持ってはいますが、少なくとも私の幼少時よりの記憶ではこのような状態は例年に無いと思います。

この小雪状況によってスノーシュープランの催行には変化がございまして、おあかんプランではまだスノーシューを使っての自然散策のご案内はできておりません。おあかんプランの散策ルートである雄阿寒岳登山道の下部は、起伏が多めで、露出した地面へのインパクト配慮から、十分な積雪がないとスノーシューが利用出来ません。今のところ、防寒長靴をお履きいただいたうえでの自然散策という形をとらせていただいております。足元は通常より軽めの散策となりますが、これも自然の状況によるものとご理解の程よろしくお願いいたします。

エゾユキウサギの足跡
エゾユキウサギの足跡

オンネトーも雪は少なめですが、通常通りスノーシュートレッキングをお楽しみいただくことが可能です。雪の少なさから、オンネトーの湖上はまだまだ歩きやすいく、場所によっては風で雪が飛ばされ湖の表面の氷が露出しています。

オンネトー
オンネトー

年々変化の気になる北海道の冬の状況ですが、最近非常に特徴的な風物も目にしております。そのお話はまた次回にて…。

2019/11/30 オンネトー全面結氷のお知らせ

 

今年は最近になっていきなり寒くなりましたね。これはオンネトーもいい具合に結氷していることでしょう!ということで、カメラと三脚を携えて見に行ってみました。

オンネトー・アイスバブル
オンネトー・アイスバブル

やはり!今年は晴れた低温の日が続いていたため、綺麗に油氷となって結氷していました。油氷というのは、表面に雪がついていない水分のみが凍った状態の氷のことで、陽に透かして見ると虹色に見えたりするので油氷と呼ばれています。(阿寒湖独特の言葉かもしれませんが、どうなんでしょう…。)

ストップモーションのように結氷した湖面は美しく、上に乗ると底が透けて見え恐ろしくもあります。アイスバブルも沢山あってなかなか素敵。自然にできたスケートリンクですね。

氷の厚さはひびを観察するに3~4cmといったところでしょうか。岸近くではまだミシミシひびが入るので怖いです。時折湖全体が氷の収縮音でバキーンと鳴ったりもします。オンネトー茶屋方面の湖上にはテラテラの氷の上に薄雪の風紋が出来ていて、これまた綺麗!

氷の造形
氷の造形

この時期だけの特異なオンネトーの美しさを体験しようと、マニア達が沢山訪れていました。スケートや自転車に乗っている人達も!ちなみに阿寒湖は滝口のあたりから徐々に凍ってきていますが、全面結氷はまだしばらくかかりそうです。

オンネトーでスケート
オンネトーでスケート

オンネトーには湯壺(湖底から温泉が湧いている場所)などもあり、湖面上に乗るには注意を要します。私のまわりには凍った湖の氷が割れて亡くなった人もいます。気を付けて自然をお楽しみくださいね。

凍ったオンネトー
凍ったオンネトー

雪が降る阿寒湖のゴールデンウィーク

皆様、ゴールデンウィークが始まりましたがいかがお過ごしでしょうか。

北海道には寒気が入り込んだせいで、いきなり氷点下近くの気温となり、阿寒湖畔では昨夜から今日にかけて雪が降りました。

2019ゴールデンウィークのアイヌコタン
2019ゴールデンウィークのアイヌコタン

皆様お気を付けください!このGW辺りに冷え込んで季節外れに雪が降るというのはまさに阿寒湖あるあるなのです。なので、地元の人間はゴールデンウィークが空けるまでは夏タイヤに履き替えないのが普通です。特に今日は日中の気温が零度近くまで低くなっておりますので、暖かい上着などをご準備の上お出かけください。多分明日からはまた暖かくなると思いますが…。

2019ゴールデンウィークの阿寒湖02
2019ゴールデンウィークの阿寒湖02

路面には雪があまりついていませんが、日影などは怪しい箇所もあるかとは思います。また阿寒湖周辺は鹿が大変多く、接触事故も少なくありませんので十分にご注意の上、楽しいゴールデンウィークをお楽しみください。

2019ゴールデンウィークの阿寒湖03
2019ゴールデンウィークの阿寒湖03

阿寒湖周辺、夏シーズン突入

今年は例年以上に阿寒湖に春が訪れるのが早いようです。雪も非常に少なく、気温も24日は20℃以上ありました。

オンネトー林道は4月12日に開通していますので、普通に車でオンネトー湖畔まで行くことが出来ます。まだオンネトーには薄い氷が張っていますが無くなるのは時間の問題でしょう。だいぶエメラルドグリーンの湖面が透けて見えています。薄氷とエメラルドグリーンのコントラストが綺麗です。雌阿寒岳の雪はもう7割がた無くなってきました。ふきのとうもだいぶ法面に出てきました。

オンネトーのふきのとう
オンネトーのふきのとう

阿寒湖も氷はだいぶ薄くなっています。湖水開きは4月29日になりますので、遊覧船はそれ以降の航行となります。雄阿寒岳の登山道も例年と比べると相当に雪が少なく、もう普通に登山靴で登れます。しかし、26日の夜から雪が降るようですので登山道には若干雪がかぶるでしょう。こんな急変する天気傾向もまた、春の阿寒の特徴で、みんなスノータイヤの履き替えはGW明けから様子を見つつ行うというのが通例となっています。

春の雄阿寒岳
春の雄阿寒岳

春の静かな阿寒湖周辺もなかなか魅力的で、グリーンシーズン突入直後の自然散策プランもまたおススメです。

 

2019’阿寒湖氷上フェスティバル・メイキングビデオ

冬の阿寒湖の風物詩と言えば氷上フェスティバルですが、皆年も明ければ店を閉めてひっそりと冬眠状態であった大昔の阿寒湖を盛り上げようと50年以上も前から地元の有志の手作りイベントとして運営されています。

そんな阿寒湖の氷上フェスティバルの舞台裏を含めたメイキング風景を、無駄に4kで撮影してムービーポエムに仕立て上げてみました。

撮影はSONYのRX100m6とGopro Hero7にて行っています。
カラープロファイルはSONYはHDR/HLG(PP10)のポン出し、GoproはProtune FlatにGopro ProtuneというLUTを当てています。

こうして見ると、RX100m6のムービー性能はやはり素晴らしいものがあります。惜しむらくは手振れ補正の弱さですが、レンズスタビライズのみでも意外と見れる気もしますね。Gopro Hero7の画も解像度、色味ともになかなか良好です。ハイパースムースの安定化機能はさすがというほかありません。

雪像制作風景
雪像制作風景

ちなみにこのビデオでは、撮影状況が-15℃を下回ることも少なくありませんでした。冬にGoproとRX100m6を併用すると、Goproの耐寒性の高さがよくわかります。RX100m6はマイナス15℃ではもってせいぜい15分。バッテリーが何本も使わさります。Goproは特に気を使うこともなくホイールローダーの屋根につけっぱなしにしてタイムラプスとかやってますが、普通に一時間半以上回ります。そんなわけで、北海道の人が外でアクティビティーを撮影をするならGopro Hero7しか選択肢はないでしょうね。

このビデオで、冬の阿寒湖や家族的なジモティーの雰囲気を感じていただけたら幸いです。

ガイドプランの際には写真はもちろん、動画撮影サービスも行っていますのでご希望の方はお知らせください。実は僕は昔はブライダル撮影のアルバイトなどをやっていた時代もあったりして、こういうのは大好きなクチなのです。

氷上フェスティバルの貴公子・ひろよし
氷上フェスティバルの貴公子・ひろよし