冬の登山: 野中温泉から雌阿寒岳、オンネトーを巡って

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は久々に雌阿寒岳の登山に行ってきました。久々と言いましても、夏シーズン終わりからですので数ヶ月来ということにはなりますが。今回は本州からおこしのI様を野中温泉~オンネトーラウンドでご一緒させていただきました。催行当日は天気予報は晴れ…ながらも実際に現地に赴いてみると、ややガスっぽい雰囲気。気温はそれほど低くないものの(マイナス6~7℃くらい)風も3~4mくらいあるかなといったところ。野中温泉さんは先日の火事で無惨にも残骸だけになってしまっておりました。お客様はスノーシューは2回目ということでしたが、なんのそのといった感じで、力強い歩みが頼もしく感じました。7号目あたりで一応アイゼンピッケルに換装し登行。雲の間から時折青空が見えていました。雪が少なく締まっていることもあり、頂上まで3時間で到着。早いですね。

少し休憩した後、オンネトールートへ。阿寒富士分岐で阿寒富士に登るか迷いましたが、上空の風の強さとガスっぽさが気になり断念。そのままオンネトールートへ下ります。あたりは次第に青空に。と、七合目の下りあたりで、私がプロトレックを落としてしまっている事に気づき、大急ぎで探しに戻ると、沢型の渡りの箇所でバンドが外れて転がっておりました。危なかった~。気を取り直して、オンネトールートの気持ちの良い樹林の中を、海外遠征や本州や北海道の山の事などを、ああでもないこうでもないとお話しながら下っていったのでした。オンネトー登山口へは14時前着。素晴らしいですね。夏道を普通に歩いているのと変わらないスピードです。オンネトーの畔からは、雌阿寒岳と阿寒富士が微笑みかけてくれておりました。I様、素晴らしゅうございましたね。今後とも北海道の山、海外、色々な場所に挑戦し、様々にインスパイアされてくださいね。ありがとうございました。またよろしくお願いいたします~!

2025/02/20オンネトー、02/21阿寒の森スノーシュートレッキング

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。今年はコロナ以降久々に、阿寒湖やオンネトーのトレッキングプランのご依頼をよくいただいております。2025/02/04の2つ玉低気圧の大雪により、阿寒湖やオンネトーにも雪が降り積もり、冬っぽい景色となりましたので、スノーシュー催行にとっては良かったですね。トレッキング系もちょくちょくご依頼をいただくので、以前みたいにホテルにパンフレットを置いていただくように画策中です。

今年からカメラを新調したこともあり、しかもレンズまで持ち歩いていますので以前にもまして思い出を残す方向性においては力を入れております。オンネトーも阿寒湖周辺エリアも雪化粧の森がいい感じで、とっても静謐で気持ちの良いトレッキングとなりました。雪のふわふわした感じ、お客様のいい表情を写真に収めることが出来てわたくしとしても嬉しかったですね。

M様、C様、この度はありがとうございました。また気が向いたら遊びにいらっしゃってくださいませ。よろしくお願い致します。

Be-Palに花の写真が掲載されました

こんにちは。登山ガイドの西田です。実は先日、雑誌「BE-PAL・2024年 4月号」に私の拙影による写真のいくつかが掲載されました。お花見ミニハイクという内容で、お花の綺麗なおすすめハイキングルートのご紹介として僭越ながら私が登場しています。実はわたしは雑誌に写真や自分の姿が掲載されるという経験はこれが初めてでして。もしよろしければご笑覧くださいませ。よろしくお願いいたします

2023/05/02~04 トムラウシ山&雌阿寒岳 ゴールデンウィーク山行

今シーズンのゴールデンウィーク山行は、群馬からお越しのH様お二人と残雪のトムラウシ、さらにH様のご両親もご一緒しての雌阿寒岳をご案内させていただきました。入山前の天気予報は前の週くらいまであまり良くなく心配もありましたが、蓋をあけてみると全日上々の天気で計画を完遂することができました。

さて、まずはトムラウシ。今シーズンは東大雪荘の周りや林道にすでに雪はありませんでしたが、林道の終点だけに除雪のこんもりが溶け残っており、短縮登山口までは車で入れませんでした。近年の少雪ではこの時期に冬尾根など登れるわけもなく、夏道の温泉ルートからスタートします。とはいえ、完全に雪がないのはco900くらいまでで、以降は雪上での登高。ゴールデンウィークのトムラウシはまだ入山者も少なく、トレースもまばら。雪が出てくると夏道はどこか判別はできませんので、地図を見ながら読図で進んで行く必要があります。トムラウシの温泉ルートは地形がややはっきりしない部分もあり、割とちゃんとした読図が要求されます。

残雪の樹林帯をスノーシューでえっちらおっちら登高していき、短縮登山口の合流点も過ぎ、程なく進むとカムイ天上に出ます。ここあたりから一気に視界は開け、トムラウシのピーク方面、ニペソツ、石狩岳などの東大雪の山々、十勝連邦、夕張・芦別の山々などが見渡せるようになります。さらに進んでいくと、山腹斜面をトラバースしながらゆっくりと高度を下げ、コマドリ沢の出合いに到達します。この時期のトムラウシは少雪でほぼ全域わたって雪崩のリスクは低いと言えるでしょうが、唯一この山腹のトラバースとコマドリ沢の出合い周辺は雪面温度が上がるタイミングでは気をつけたい場所ですね。

コマドリ沢から前トム平までは、 夏にはナキウサギがたくさん鳴いているロックガーデン脇ののっぺりとした沢型を登行。汗をかきかき少しづつ高度を上げていきます。 前トム平 へのエッジを乗り越えると段々と風が出てきました。前トム平からはいよいよトムラウシのピークがどーんと迫ってきます。トムラウシの公園を経て南沼のテントサイトへ上がると、やっぱり風が少しあります。天候が安定していたので、この日の中にピークアタックへ向かうことに。

キツネなどにやられないようにザックの中から食料などを抜いて、テント泊装備は岩の上にデポ。アタック装備で頂上を目指します。アイゼンピッケルで30分ほど頑張ると、景色のいいトムラウシの頂上へ到着しました。ここでお客様と猫耳をつけて記念撮影。トムラウシの双耳峰ピークが猫のように見えたからとのこと。しかし、ピークはやはり風が強かったです。こんなにも天気が良いのに、やっぱり大雪は甘くない!そんなこんなで、ザックを回収して16時頃にはトムラウシ公園の上のちょっとした、岩陰のピットにテントを張り泊まることに。この時点でなかなか風がありテントを張るのも一苦労でした。気温は低く無いのが幸いでしたが、夜半には風がテントを叩く音で何度も目が醒めたものです。

翌朝は風もあることから、4時起き6時発で早めにテントを撤収して下山することに。朝食を食した後、締まった雪面で転滑落しないようアイゼンピッケルで慎重に下りました。下山時はコマドリ沢の沢型の長い下りが緊張するポイントですが、ゆっくりと下れば問題とはなりません。そんなこんなで昼ぐらいには下山。東大雪荘の日帰り入浴は13時からなので、くったり温泉でお風呂へ入り、帯広で豚丼と芽室の道の駅でソフトクリームを食し阿寒へ移動。

翌日5/4はH様のご両親と合流して、雌阿寒岳へ登りました。雌阿寒岳もまたこの既設としては非常に少雪で、野中温泉ルートでは殆ど雪がありませんでした。この日もまた天気はまずまずで、開けた景色を存分にご覧頂くことが出来ました。オンネトールートの下りでは上部の一部と、樹林内の日陰の部分で雪が出現。氷化している部分もあったため、念のため軽アイゼンやチェーンスパイクを使用。こういう状況ではチェーンスパイクがあると役立ちますね。トムラウシ・雌阿寒岳と、天候にも恵まれ素晴らしい計画が出来て何よりでした。H様この度はありがとうございました。またぜひ遊びに来てくださいね!

2021/4/17 NHK BSプレミアム「体感!グレートネイチャー▽激写!“世界一”の御神渡り~北海道東部 氷の大地」出演

皆様、こんにちは。ガイドの西田です。2021/4/17 NHK BSプレミアムにて放映の「グレートネイチャー」に出演させていただきましたよ。結氷直後のオンネトーでのアイスバブル観察シーンを撮影していただきました。オンネトーや雌阿寒岳などはまさしく私が幼少のころから慣れ親しんできた故郷の自然ですので、こうした環境をNHKさんに取材していただき、また自分が紹介できたことをとても光栄に思います。

オンネトーアイスバブル
オンネトーアイスバブル

撮影は実は2021/12/3のオンネトー・アイスバブル観察ツアーの直後で、タイミングよくオンネトーが凍り、透き通った湖面とアイスバブルを撮影することが出来たので素晴らしい映像になりました。番組は他に屈斜路の御神渡りや、豊頃のジュエリーアイス、伊達の氷筍など北海道の冬の美しい風物が紹介されており、さすがプロのみなさんの撮影や編集技術の成果として分かりやすく迫力のある映像に仕上がったおりました。

はてさて、そんなこんなで今年の冬も11月下旬~12月初冬あたりはアイスバブル観察ツアーを行おうと思っていますので、ご興味のある方はぜひ。

結氷直後のオンネトー
結氷直後のオンネトー

オンネトーの動画など…

数年前から四季を通してちょこちょこ撮っていたオンネトーのビデオクリップを編集し、ムービーポエムに仕立て上げてみました。ムービーポエムってなんやねん?とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、私が勝手に考えただけのモノです。これは、マイルス・デイビスがジョセフ・ザヴィヌルの名曲「in a silent way」を「トーンポエム」と表現していたことにインスパイアされたものです。ま、ただの素人動画なのですが…。

さて、このオンネトーのビデオですが、春のバージョンと秋のバージョンの二本立てとなっておりまして、これをご覧いただけばグリーンシーズンのオンネトーはかなり予習していただける運びとなっております。自然散策ガイドプランのご参考にでもしていただければ幸いです。今回はドローン映像もフューチャーされてます。

今シーズンのスノーシュー催行状況など

皆様お久しぶりです。ガイドの西田です。
小雪状況が続く道東ですが、寒気が入ってかなり冷え込んだなと思ったのもつかの間、ここ最近は春のように暖かくなってしまいました。

この暖気で阿寒湖にもオンネトーにも少し上水が上がっています。どうしてもスノーシューに団子雪が付くので、シリコンスプレーを塗布してみましたら、これが効果てきめんで、団子とは無縁のスノーシュー生活が送れるようになりました。寒かったり暖かかったり忙しい天気ですが、全体的に平均気温は高いようです。

それにしても新型コロナウィルスの蔓延により訪日外国人観光客はすっかり激減してしまいました。そのかわり今シーズンは国内のお客様から直前予約などで割とよくお声がけをいただいており、ありがたいばかりですが…この事態の早期収束をねがうばかりです。

 

珍しくドカ雪 in AKAN

みなさまこんにちは。お世話になっております。ガイドの西田です。
しかしなんですな。やっぱり取り返しにきましたな。ここ最近の阿寒周辺の積雪量の話ですが。

新雪の滝口付近
新雪の滝口付近

 

今年はとうとう北海道東部においてはスノーシューを履く意味が見いだせないという記録的な年になるのではないかという懸念がありましたが、1月30日の大雪によりやっと、スノーシューでの雪上歩行における快適性をご実感いただける運びとなりました。なんと遅いこと…。阿寒湖氷上フェスティバルの設営にも雪が足りずに困っていたところでしたが。
ズーっと全然降らずに低気圧とともにドカッと大量に湿った雪が降るのが最近の御定まりのパターン。私の子供時代は冬といえばちゃんとどっかり雪が降っていたものですが。

私の後ろ姿・お客様より

 

そんな重い雪の中スノーシュープランをご体験いただいた皆様、ありがとうございました!晴れた日もあれば雪の日もあるのが大自然です。思う存分に阿寒の自然をご体験いただけておりましたら幸いです。また遊びにきてくださいね!

オンネトー・スノーシュー
オンネトー・スノーシュー

2019/11/30 オンネトー全面結氷のお知らせ

 

今年は最近になっていきなり寒くなりましたね。これはオンネトーもいい具合に結氷していることでしょう!ということで、カメラと三脚を携えて見に行ってみました。

オンネトー・アイスバブル
オンネトー・アイスバブル

やはり!今年は晴れた低温の日が続いていたため、綺麗に油氷となって結氷していました。油氷というのは、表面に雪がついていない水分のみが凍った状態の氷のことで、陽に透かして見ると虹色に見えたりするので油氷と呼ばれています。(阿寒湖独特の言葉かもしれませんが、どうなんでしょう…。)

ストップモーションのように結氷した湖面は美しく、上に乗ると底が透けて見え恐ろしくもあります。アイスバブルも沢山あってなかなか素敵。自然にできたスケートリンクですね。

氷の厚さはひびを観察するに3~4cmといったところでしょうか。岸近くではまだミシミシひびが入るので怖いです。時折湖全体が氷の収縮音でバキーンと鳴ったりもします。オンネトー茶屋方面の湖上にはテラテラの氷の上に薄雪の風紋が出来ていて、これまた綺麗!

氷の造形
氷の造形

この時期だけの特異なオンネトーの美しさを体験しようと、マニア達が沢山訪れていました。スケートや自転車に乗っている人達も!ちなみに阿寒湖は滝口のあたりから徐々に凍ってきていますが、全面結氷はまだしばらくかかりそうです。

オンネトーでスケート
オンネトーでスケート

オンネトーには湯壺(湖底から温泉が湧いている場所)などもあり、湖面上に乗るには注意を要します。私のまわりには凍った湖の氷が割れて亡くなった人もいます。気を付けて自然をお楽しみくださいね。

凍ったオンネトー
凍ったオンネトー

紅葉のオンネトートレッキングガイドプラン

本州出張から帰ってきて、とりあえず北海道の肌寒さに震えておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
やっぱり北海道は涼しいですね!しかし、清々しい空気と紅葉に彩られた山々の風景は素晴らしいです。食べ物もおいしい季節!秋の北海道はとっても素敵です。

白湯山展望台より
白湯山展望台より

さて、阿寒湖周辺もぐっと秋の気配が深くなってまいりました。そこで昨日は紅葉のオンネトートレッキングをご案内させていただきました。天気が良かったのでとりあえず白湯山展望台へ。ここから眺める阿寒湖は大変素晴らしく、おすすめです。ただし天気の良い時と、お時間に余裕のあるお客様限定でご案内させていただいております。

オンネトー・ハウチワカエデ
オンネトー・ハウチワカエデ

秋のオンネトーはといいますと、エメラルドグリーンに映る紅葉の色どりがまた素晴らしい!この日も沢山の観光客が足を運んでいました。樹林に遊ぶアカゲラの可愛い姿も観察できました。T様、今日はラッキーでしたね!

アカゲラ
アカゲラ

少し風の強い日でしたが、山岳環境にあるオンネトーならではの雰囲気でもあり、自然のダイナミックさを味わっていただけたと思います。秋のオンネトーや阿寒湖周辺のトレッキングプラン、ぜひご体験ください。

オンネトー02
オンネトー02