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2021/07/29 幌尻岳チロロ林道ルート登山ガイディング(日帰り)

皆様こんにちは。ガイドの西田です。ますます暑くなってまいりましたねー。そんな夏の盛りの今日このごろですが、今回は以前斜里岳をご案内させていただいたM様を幌尻岳チロロ林道ルート…それも日帰りというオーダーでご案内させていただきました。

幌尻岳のチロロ林道ルート日帰りといえば、おそらく国内一般登山道の中でも屈指の大変なルートかと思われます。全行程25km/15時間に及び、1300mもの標高差に加え、ヒグマが多数出没し天候条件も厳しいという困難のオンパレード。このルートは端的に申しまして、超上級者向けと言っていいでしょう。

4時に林道終点を出発し、登頂が12時、19時に下山しました。残念ながら天気は終日イマイチで、曇り時々雨たまに薄日が差すといったところ。途中すれ違ったパーティは1組だけ。北戸蔦別岳の北カールにはヒグマが歩いていました。稜線の殆どの場所でスマホの電波(楽天モバイル)が通じるようになっていたのには驚きました。

この時期の花は、エゾツツジ、ハイオトギリ、チシマツガザクラ、コエゾツガザクラ、ユキバヒゴタイ、カトウハコベ、イワツメクサ、イワギキョウ、イワウメ、チシマノキンバイソウ、ヒダカキンバイなどが咲いておりました。

このルートは、7つ沼のカールバンド以後は露出箇所が多くなるので、強風だとなかなか厳しい状況となります。雨で身体が濡れているとそれも尚更。一枚追加出来る行動着や防寒着、テルモスなどの用意があったほうがいいでしょう。里は30℃でも頂上稜線では低体温症の心配をしなくてはいけないのが北海道の山の厳しいところなのです。

ちなみに、北海道の山では頂上アタックのために荷物をデポすることはヒグマの誘引の原因となりますので厳禁です。2021/07/02にも北戸蔦別岳でヒグマに追いかけられた人がいるそうな。また、トイレは携帯トイレを使用しましょう。トイレ紙だらけになった7つ沼カールや北戸蔦別岳のテン場は見たくないですね。

さてお客様のM様はこれで99座目の百名山。次の羊蹄山も頑張ってくださいね。次回もよろしくお願いいたします。

2021/07/11 羅臼岳登山ガイド

雪渓が消えゆく初夏の羅臼岳へ、札幌からお越しの3名のお客様をご案内させていただきました。こちらのお3方は、いつも一緒に登山をされている仲良し3人組だそうで、お花がお好きで写真を撮りたいのでその時間がほしいというリクエストでご案内させていただきました。

羅臼平より国後島を望む
羅臼平より国後島を望む

7月初旬の羅臼岳は、ちょうど雪渓が消えた後の大沢や肩の部分などで盛大なお花畑を見ることができます。お客様からお花の名前が憶えきれないというお声が上がるほどに、たくさんの高山植物を見ることができます。今回はそんなたくさんの花々の一部を紹介してみましょう。

このお三方は次は斜里岳も挑戦したいということで張り切っていました。登山を通じて家族のような絆があって、とっても素敵ですね。T様、E様、M様この度はありがとうございました。また次の機会にお会いいたしましょう~!

2021/06/18 晴天の雌阿寒岳登山ガイド

みなさまこんにちは。ガイドの西田です。先日は雌阿寒岳へお客様をご案内させていただきました。最近はぐずついた天候の日が多かったのですが、この日は例外的に穏やかでとっても天気がよく素晴らしい登山日和でした。

雌阿寒岳のイソツツジ
雌阿寒岳のイソツツジ

登山道脇ではイソツツジが見頃で、ハイマツトンネルの傍らの群生が咲き乱れています。またオンネトールートの7~8合目付近ではメアカンキンバイ、コマクサなどの株はがきれいに咲いておりましたよ。このような岩礫帯の高山植物は踏圧の影響を受けやすいので、登山道からは足を踏み外さないように気をつけてくださいね。

雌阿寒岳のメアカンキンバイ
雌阿寒岳のメアカンキンバイ

この日は晴天の割に気温はそれほど高くなかったので、霞が昼になっても少なく眺望に透明感があって爽やかでした。上部からは遠く大雪やトムラウシ山、東大雪、斜里岳、知床連山などなど、近隣の山々がきれいに見えておりました。

雌阿寒岳のコマクサ
雌阿寒岳のコマクサ

この日は野中温泉~オンネトールートのラウンドコースでゆっくり雌阿寒岳のお鉢を巡って歩き、オンネトールートに下山してのんびりと湖面に映る雌阿寒岳を眺めながら野中温泉に歩いて戻りました。U様、気が向いたらまた遊びにいらっしゃってくださいね。

雌阿寒岳・オンネトー
雌阿寒岳・オンネトー

ギアレビュー・カスケードワイルド フォールディングテーブル

久々に友人が店長をやっている札幌ファクトリーの好日山荘をブラブラしていたら、大変いいギアを見つけたので紹介します。端的に申しますと、プラダンでできた重量60グラムの超軽量折り畳みテーブルです。こいつは耐熱性が163℃だそうで、熱いコッヘルを乗せても溶けることはありません。サイズはA4くらいで半分に畳めます。

カスケードワイルド02
折りたたんだ状態

折り紙みたいな構造なので、多少ぐらつきはしますが鍋やコップを乗せたくらいでは大丈夫です。テーブルになっている所がミソで、単なるブス板一枚より野外活動におけるティータイムが大幅に文化的になりますね。仕舞ったり組み立てたりも簡単で、手軽で軽くてなかなか良いですよ。値段は1700円ほどでした。

裏から見た状態

今までガイド時はアルミのフォールディングテーブルや、テント泊では昔ながらのべニアで出来たブス板を持ち歩いたりしてましたが、今後はこれでいってみようと思います。さらに軽量化を目指すとすれば、素のプラダン一枚でブス板の代わりにはなるでしょうね。

という、今回はおもしろギアの紹介でした。

釧路湿原の動画 芦原の神様・サルルンカムイ

GW前の空いた時間を利用して釧路湿原の動画を撮ってみました。このGWはコロナ禍による都市部の緊急事態宣言などあって、当方のガイドスケジュールでもキャンセルが多発しました。これはもう仕方のないことで皆様のご自愛を願うばかりですが、これはこれとて自然の景観・風物はたおやかに超然と未来永劫変わらず私たちの周りに存在しています。そんな何気なく日常的に存在する私の周りの自然ですが、NHK「グレートネイチャー」の撮影がきたりするような、なかなかどうして実はとってもダイナミックなものなので、今回はとりあえず釧路湿原に出かけて行って色々と撮影してみました。

今回の動画は、誰でもちょっと散歩すれば見られる釧路湿原の景色をテーマとし、早朝、昼、夕方のそれぞれの時間に3日間で撮ったカットを構成して編集してみました。なにぶん素人の余技ですので、大したものではございませんが、自粛でお家でのんびりされているような皆様にも釧路湿原を画面に映し出して少しでも雰囲気を感じていただけたら幸いです。

ちなみにサルルンカムイとは丹頂の事で、芦原の神様のような意味のアイヌ語です。サルが葦の意味でカムイが神様のことですね。保護センターで育った丹頂なんかは幼鳥のころから人間を見て育っているので、ものすごく人懐っこい神様もいます。

2021/4/17 NHK BSプレミアム「体感!グレートネイチャー▽激写!“世界一”の御神渡り~北海道東部 氷の大地」出演

皆様、こんにちは。ガイドの西田です。2021/4/17 NHK BSプレミアムにて放映の「グレートネイチャー」に出演させていただきましたよ。結氷直後のオンネトーでのアイスバブル観察シーンを撮影していただきました。オンネトーや雌阿寒岳などはまさしく私が幼少のころから慣れ親しんできた故郷の自然ですので、こうした環境をNHKさんに取材していただき、また自分が紹介できたことをとても光栄に思います。

オンネトーアイスバブル
オンネトーアイスバブル

撮影は実は2021/12/3のオンネトー・アイスバブル観察ツアーの直後で、タイミングよくオンネトーが凍り、透き通った湖面とアイスバブルを撮影することが出来たので素晴らしい映像になりました。番組は他に屈斜路の御神渡りや、豊頃のジュエリーアイス、伊達の氷筍など北海道の冬の美しい風物が紹介されており、さすがプロのみなさんの撮影や編集技術の成果として分かりやすく迫力のある映像に仕上がったおりました。

はてさて、そんなこんなで今年の冬も11月下旬~12月初冬あたりはアイスバブル観察ツアーを行おうと思っていますので、ご興味のある方はぜひ。

結氷直後のオンネトー
結氷直後のオンネトー

2021/03/15 阿寒の森スノーシュートレッキング

みなさまこんにちは。ガイドの西田です。いやー北海道もいよいよ春めいてきましたねぇ。今年はまた雪の少ない年で、道東ではスノーシューを活躍させられる機会が限られていましたが、それでもスノーシュートレッキングプランのお客様をご案内させていただけて幸いでした。

阿寒の森・ツルアジサイ
阿寒の森・ツルアジサイ

3/15に阿寒の森トレッキングプランをご案内させていただいた折は、春の散策プラン恒例の林内は雪解け水が凍ってツルツルアイスバーンという状態で、なかなかシビアなコンディションでした。こんな時は軽アイゼンを履いていただいてのご案内とさせていただいております。散策ルートの半分は軽アイゼン、さらに半分はスノーシューおよび長靴での行動と、春のトレッキングプランはバリエーション様々です。

阿寒の森・02
阿寒の森・02

春の自然環境は日差しが暖かくまた陽も長いので少し気が緩みがちですが、アイスバーンがあったり湿雪で身体が濡れたり、意外と状況が移り変わりやすく天候も不安定さがある場合も多いので気をつけましょう。

さてスノーシュープランももう最終便といったところです。里ではふきのとうや福寿草が咲き始めていますね。コロナ禍がまだ落ち着かない北海道の体験観光シーンではありますが、落ち着けばまたGOTOやどうみん割りなども再開されることと思いますので、グリーンシーズンもよろしくお願いいたします!

阿寒の森・三国峠コーヒー
阿寒の森・三国峠コーヒー

知床のアイスクライミング

2021/02/23~28の日程で仕事の上得意および北稜クラブのメンバーであり友人の板橋氏輝海と知床半島のアイスクライミングエリア開拓の旅に行ってきました。やはり知床の自然は雄大でダイナミックでとても素晴らしい旅でした。

滝の川の滝
滝の川の滝

岩尾別ゲートから入り、カムイワッカ湯の滝を越え硫黄沢のよこあたりから海岸へ出てC1、硫黄沢河口のヨウシペツの滝(70m)を登攀後ルシャ方面へ移動、ルシャの先の滝の川の滝(60m)を登攀後、トシトルパウシの滝(100m)を登り、ルシャから岩尾別まで34キロ歩いて帰りました。

トシトルパウシの滝
トシトルパウシの滝

この旅の期間中体重は5キロ減り、パートナーの板ちゃんは足を痛めてびっこひきながら歩いてました。今年も暖冬で流氷はかなり少なく、氷瀑の結氷状態もよくはありませんでしたが、結果として大物を3本登れたので良かったです。ま、私はほとんどフォローばかりで着いて行って撮影をしただけですが。下記はそんな知床アイスのビデオです。拙いものですがご笑覧いただければ幸いです。

能取岬・アイスクライミングのビデオ

皆様こんにちは。ガイドの西田です。この時期やはり流氷観察と言えば網走のオーロラ号などが有名ですが、わたくしの一押しは何と言っても能取岬。能取岬は海に突き出た展望台のようになっている神秘的な場所で、流氷が押し寄せる季節はオジロワシやオオワシが飛び交い、海にはたくさんの水鳥やアザラシも居るダイナミックで素晴らしいところです。岸壁からの氷瀑が流氷の海に落ちる風景はここならではで、能取岬には8~10か所ほどもの氷瀑が出来るのです。

三本柱の滝・ドローン
三本柱の滝・ドローン

私は時間があるときはいつでも能取岬に赴き、写真や動画を撮影したり、アイスクライミングの練習をしております。そんなアイスクライミングのトレーニング風景を動画にしてみました。自分でムーブを確認するため撮ったものなので、すこし冗長な動画ですがよければご覧ください。ま、需要はそれほどないでしょうが、色々な動画があった方が面白いと思うので敢えて撮影してみました。

能取岬のトレッキングプランは今まではリクエストで応じさせていただいておりましたが、来シーズンからレギュラープランとしてスタートする予定ですので乞うご期待。プランの紹介動画も改めて作成しますので、よろしくお願いいたします。

2020/12/02 オンネトー結氷観察ツアー

皆様こんにちは、ガイドの西田です。先日12/02にオンネトーの結氷観察のトレッキングツアーを開催いたしました。今年は例年よりほんの少し遅めの結氷でしたが、ここ一週間というもの天候が良く気温も低めに推移していたので、首尾よく催行当日には一面氷結したオンネトーの湖面を周遊することができました。

残念ながら今年は、催行日前日に少し雪が降ってしまい、湖面には薄く雪が積もってしまいましたが、それでもオンネトーの真っ白い湖面の広がる様はまさに初冬を感じさせる清らかで美しくも鮮烈な光景だったのでした。

この日は天気も良く風もおだやかでトレッキングにはうってつけの一日。のんびりと氷結湖面やアイスバブルを観察しながら湖面を歩いたり、ドローンを使って氷結状況や湯壺などを撮影してみたり、散策路を回り湯の滝や展望台まで足を運びました。湯の滝林道では珍しく熊の足跡を見かけました。熊さんものんびりと散策をしていたご様子で、しばらく湯の滝方面に足跡は続いており途中で山に入って消えていました。

そんなこんなであっという間の一日でしたが、ご参加いただいた皆様今回はありがとうございました!こうしたイベント形式のツアーも今後は展開していく予定ですので、よろしくお願いいたします。