皆様、こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は本州からおこしのリピーターのT様と札幌国際スキー場よりアプローチして、余市岳へ…登ろうとしましたが敗退して朝里岳で帰ってきました。この日は天候は曇り、ながらも札幌国際スキー場へ着いてみると青空もチラホラと見えていました。しかし、場内アナウンスで強風のためゴンドラ運行が早めに終了するかもしれない旨が流れてきました。上空を見ると、たしかに雲の流れは早そう。ウィンディの風力は5m…。しかし、スキー場内はそれほどでもありません。気温もプラス気温で暖かく、これなら様子を見つつなんとか行動は出来そうかな…と考えておりました。


とりあえずスカイキャビン(一番上まで行くゴンドラ)に乗って…今回はスノーシューでの登高なので、ストックなどと一緒に抱えてスキー場の最上部に降り立ちました。上部でも雪は少ないですね。しかも気温が高く重い雪でした。このとき風は既にややあるな、風裏でスノーシューを履いたり用意をしたいなという感じでした。準備をしてスキー場の裏を登高していきます。この距離でも雪煙で朝里岳は見通せません。昨日いくらか雪が降ったようなので、ラッセルは少し有りましたが、既に先行者がいるようでトレースが着いておりました。しばらく樹林帯を進んでいくと、スノーモービルが登って、少し脇の疎林の中で上部の様子を伺っていました。風の強さから進むのか迷っているようでした。尾根に上る前の樹林帯で3~4mほどの風。これなら行けるかなぁという感じ。さらにトレースを拾いつつ進んで、尾根に上がると風が更に強くなってきました。尾根上で4~5mといったところ。気温がそれほど高くないといっても、顔の一方が強く風に当たり続けていくと凍傷の危険があります。時折顔を休めつつも少しづつ朝里岳に向かって登高していきます。



ようやく朝里岳の頂上付近に近づいてみるも、風と完全ホワイトアウトで全く行動不可といった様子。別パーティも下山してきてしまいました。風の強さもさることながら、視界不良で上下左右全く判断がつかなくなってきました。残念ながらここで撤退決定。此処から先の、通称「飛行場」といわれるだだっ広い雪原を突破するには視界が悪すぎます。そんなこんなで引き返し、樹林の風を避けられる場所で、ビーコン捜索の訓練などをしつつ、山頂カフェで3時間ほどもT様とおしゃべりをしつつコーヒーをいただきました。帰路は手稲の弟子屈ラーメンに寄って、また更に山のネタで話し込んでやっと帰りました笑
T様、今回は天気残念でしたが、これに懲りずにまた遊びに来てくださいませ。よろしくお願いいたします!
余市岳はアプローチもよく冬の間多く登られていますが、事故も多い山で、天候が悪い時の道迷い、雪崩、雪庇の踏み抜きなど、リスクは色々とある山ですので、ご注意ください。
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