2023秋、最近のヒグマ事情

皆さまこんにちは。ガイドの西田です。最近とみに北海道のみならず日本全国で熊の人身事故や被害が頻出しており、マスメディアのニュースで取り上げられることが多くなりましたね。北海道でのヒグマの事故も2013年あたりから右肩上がり的に増えており、特に令和の時代に入ってからは、被害件数の増大はもとよりハイキングや登山行動中の事故も見受けられるようになってきてしまいました。つい先日は大千軒岳で登山者の事故があった模様ですね…。白雲の避難小屋でも随分長いことヒグマが近くに居座ってテントサイトが利用不可となっていたのも記憶に新しいところです。

そして、10月の半ばほどのことですが、とうとう私の友人からも被害者が出てしまいました。林道で親子熊に出くわし、肩を噛まれて複雑骨折。眼もやられて失明も懸念されるような事態だったようです。いよいよヒグマの脅威の拡大を実感してしまいましたね。昔の開拓時代のような北海道に戻ったかのようです。

さて、それでは登山活動において、どうこの昨今のヒグマ事情を乗り切るべきなのでしょうか。これはもう色んな事を一つ一つ注意深く行動するしか無いと思います。基本的に熊と鉢合わせにならないための行動をとる。 これは熊鈴、ホイッスルなどの利用(絶対に有効な手段ではないとも認識すべき)もそうなのですが、山の中、林道で素早い移動形態(走る、自転車、スキー)は用いるべきではないです。幌尻でトレランをやっている人が偶に居ますが、そのうち事故が起こりそうで怖いですね。沢沿いでもお互いの物音や存在が瀬音によってかき消されるので注意が必要です。また早朝薄暮時の行動は避ける。熊スプレーは必ず携行。連絡手段も必ずもつ。ヒグマ誘引となる匂いの元は身に着けない(落とさない)、などなど。ザックのデポはやばいという認識ももう流石に定着してきましたかね。基本的なことは守りたいところです。

皆様どうかご安全に登山されてくださいね。