2024/07/01、02、03、05 芦別岳、夕張岳(中止)、ニペソツ、石狩岳

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は本州からおこしのT様と表題のように芦別岳、夕張岳(中止)、ニペソツ、石狩岳へ行ってまいりました。このうち夕張岳は、初日の芦別岳が悪天候で消耗戦だったこともあり、なにせ表ルートが通行止めで登れるのは超絶ヤブの金山コースということから、協議の結果中止にして、上記三座を登ってまいりました。

初戦の芦別岳は朝から結構な雨と風で、時間3~5ミリ、風速10mオーバーと、催行可否ギリギリといった天候。ながらも芦別岳はほぼ頂上直下まで樹林帯なので、雷の不安はなかったことから強行突破で頂上まで行きました。ただし、悪天時の行動では、立ち止まると身体が冷えてしまうため、休憩もそぞろに行動し続ける体力的マージンが必要です。T様は200名山コンプリートを目ざして日頃のトレーニングもこなしておられる強靭な体力の持ち主でしたので不安もなく行けました。が、このような行動形態はお客様を選ぶでしょうね。まずはそつなく芦別岳ゲット。

二日目の夕張岳はヤブヤブで強度が高すぎると判断、またダニだらけになるのも必至なのでパス。然別湖でナキウサギを見物しつつ、半レスト。

三日目はニペソツ。この日は天候も良く、朝から清々しい天候でした。やや風もあったのでそれほど暑くもなく、ロングコースのニペソツにはうってつけの日。長い樹林の登山道をじわじわとトレースし、天狗平に着くと、秀峰ニペソツが天を突くかのように鎮座していました。久しぶりのニペソツでしたが、やっぱりこの山は美しいですね。ロックガーデンではナキウサギの声も聞かれました。そんなこんなで、11時間ほどでニペソツ山もゲット。

四日目は石狩岳。石狩岳は1日の強風で林道に倒木があるのではないかという懸念がありましたが、林野でそそくさと片付けてくれたようで、なんなく長い長い林道より車止めまで到着。天候はこの日も晴れ。急峻なシュナイダー尾根を頑張って上っていくと、音更山分岐を過ぎたところの雪渓付近でヒグマが居ました。距離は60メートルほど。そこそこ近い距離です。その気になればヒグマくんは我々のもとに数秒で到達することでしょう。声をかけて藪の中に退避してもらい、慎重に頂上を目指しました。ちなみに下山時も車止め付近に別の個体が一頭居ました。そんなこんなで13時頃下山。

石狩岳・ヒグマ
石狩岳・ヒグマ

T様この度は、200名山3座完登おめでとうございました。また、色々なお話を聞かせていただいて楽しかったです。また遊びにいらっしゃってくださいね。よろしくお願いいたします。

2024/05/08 旭岳業務登山ガイド

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。5月の上旬に旭岳へ業務登山で行ってきました。この日のお客様は昨年もご一緒させていただいたI様、D様。このお二方はとある事業様ですがロケハンにて旭岳を試登されたいとのことで、ご依頼をいただきました。当方では、いろいろなご縁もありまして、このような業務登山も少なくないのですが、私としては各方面の様々なプロとお仕事を一緒にさせていただいて大変勉強にもなり、とてもありがたく思っております。

さて、この日の旭岳といえば、平地はまぁ曇り時々晴れ、という感じでありながらロープウェイで姿見に上がってみるとガス多しといったところ…時折青空や山影が望まれる程度という感じでイマイチのコンデション。雪はやはり少なく、尾根上はもうあまり雪は残っておらず、石室から上はほぼ登山道は夏道が出ているような状態でした。結果的にその後も景色はあまり見えず残念でしたが、ギリギリ地形的な特徴は把握していただけたかとは思います。本番に期待ですね。旭岳温泉まで降りてみると、湧駒別の水芭蕉やエゾリュウキンカが綺麗に咲いておりました。

I様、D様、本番もご安全に。またよろしくお願いいたします!

2024/03/28 鶴居~摩周湖トレッキング~屈斜路

みなさま、こんにちは。ガイドの西田です。先日は京都からお越しのK様ご家族とともに、鶴居村~摩周湖スノーシュー、屈斜路とめぐりつつタンチョウを見たり、トレッキングをしつつ、硫黄山、屈斜路湖と巡ってまいりました。いやぁ、どこをとっても晴れた日のここらへんは気持ちがいいですよ。

鶴居ではエゾフクロウを観察しに行ったのですが、あいにくフクロウくんはお留守。しかし!その途中で、かなりたくさんのタンチョウを観察でき…ただけではなく、カナダヅルも観察出来ました。僕はカナダヅル君を直接見たのは初めてです。結構遠目だったので、なんかグレーっぽいのが居るなぁタンチョウの子供かぁなどと考えていたのですが、家に帰って望遠で撮った写真をよ~く見てみると、タンチョウのように頭ではなく顔が赤いので、あ!これは違う種だと気づきました。サンクチュアリなんかにマナヅルなども居るようで、なかなか鳥も面白いですよねぇ。

そして、鶴居から摩周湖に移動しておそらく今季最後のスノーシュートレッキングをしてみました。摩周の外輪は風が少々ありましたが、よく晴れて展望もよく素敵な風景が望めました。遠く湿原や太平洋、斜里岳、雌阿寒雄阿寒の山並みなどなど。摩周外輪のダケカンバのアーチの道はハリー・ポッター的ですよねぇ。

で、そこから硫黄山を見たり、屈斜路湖の砂湯の白鳥なども見たりしていたのですが、砂湯の沖の方にまだ御神渡がありました。今年は3月に入ってもかなり寒かったですから盛り上がったのでしょうね。カナダヅルも御神渡りも250mmの望遠(フルサイズ換算375mm)で撮ったものですが、やっぱり自然散策時は望遠レンズは必要ですねぇ。そんなこんなで、阿寒摩周国立公園を漫喫した旅となったのでした。K様今回はありがとうございました。

2024/03/08 白雲山登山ガイド

皆さまこんばんは。登山ガイドの西田です。今回は十勝平野や然別湖畔から悠然と望まれる白雲山へ登ってきました。お客様は、毎年お越し頂いているU様。この方は北海道の旅がお好きで何度も何度も足を運んでくれているマニアでして、オススメの場所や食べ物など、むしろ教えていただくことも多いようなお客様です。今回は然別の風水で集合の後、ヌプカの里登山口から日当たりの良い斜面をスノーシューハイキングで登行してみることにしました。(然別湖畔側の登山道は駐車場が離れていて、トンネルを通って結構歩かなくては到達できないので不便なのですよね。)

さて、牧草地の脇の登山口を9:20スタート。ここからすでに展望はなかなか良いのですがね。まもなく気持ちの良いダケカンバの樹林帯に入り、トラバース気味にドンドン進んでいきます。気温はそれなりに低いものの、天気がよく暖かい日差しが心地よいどころか暑くすら感じジャケットなどを脱ぎつつ調整します。のんびりとスノーシューをきしませながら登ること小一時間。「白雲山登山口~白雲山」という看板のある場所で登山道は沢筋から離れ、なかなか急峻な山腹斜面を駆け上って行きます。この山はユキウサギの足跡がとても多いですね。

標高が徐々に上がり針葉樹の混成を増しながら段々と空が近づいてくると、30分ほどで岩石山分岐に突き当たります。十勝平野や東ヌプカウシヌプリが綺麗ですねぇ。ここからさらに尾根筋を軽アイゼンに履き替えたりもしながら、一時間も進むと岩混じりの白雲山のピークです。頂上からは遠く然別湖はもちろん、ウペペサンケ山や南ペトウトル、日高山脈なども望まれました。視界が良くてとても気持ちのいいピークでしたね。

下山も足元に注意しながら、十勝平野を眼下に見ながら下っていきます。今度U様とお会いするのはパキスタン遠征の後だな…土産話をするのがまた楽しみだな、などと考えながら2時間ほどで登山口に戻ってきました。白雲山は十勝という場所柄、天候が安定していることが多く、短時間で登降できる近くて良い山。ですが、しっかりスノーシューワークや場合によってはアイゼンワークも要求される山です。晴れた日は展望もよく、初心者向けの冬山としてオススメの山です。

U様、今回もありがとうございました。またよろしくお願いします!

夏シーズンの登山ガイド・予約状況更新

皆様こんにちは。登山ガイドの西田です。そろそろ夏シーズンの北海道・登山ガイドのご予約・スケジュールの打診などなどが多くなってきました。

さて、今年のご予約状況ですが昨年ほどラッシュ状態でもなく、まだまだ空きがございます。当面9月上旬までのご予約カレンダーを更新いたしました。5月下旬~6月一杯はパキスタン・スパンティーク遠征のため策定ができなくなってしまいますが、遠征までに策定は済ませる形を考えています。今年の夏も事故無く安全第一で参りたいと心してご準備させていただいている次第でございます。どうかよろしくお願いいたします。

2024/02/23~24(予備日25日)斜里岳登山ガイド 

皆様わんばんこでございます。登山ガイドの西田です。先日は超極寒のマイナス20℃の中、斜里岳へ登ってまいりました。今回ご案内させていただいたのは、最近は毎年2~3回も北海道へ遊びに来てくれている、H様ご夫妻。この方達は最初は阿寒やオンネトーのトレッキングから始まって、夏山登山、冬山へ、と段々ステップアップして、とうとう厳冬期の斜里岳へ挑戦していただく運びとなったのでした。きちんとした装備・服装、リスクコントロールの技術が出来ているお二人だからこそ完遂できた計画だったかと思います。

初日は絶好の天気の中、豊里から林道をスノーシューで歩きCo800m付近でC1。今回下ろし立てのエスパーステントと、MSRのストーブの炎のゆらぎが心地良い~。水作りを経て、夕食はジンギスカン。しっかりと栄養を摂ったので、夜にはテント内もマイナス15℃の世界となりましたが全く寒いとは感じませんでした。やっぱり食事は大切ですねぇ。

翌日はやや曇りがちながら青空も見えているといった天候の中、アタック装備にてスノーシューでサクサクと登行。流石に気温が低く、休憩していると寒くなってきます。Co1250付近でアイゼンに履き替え、段々と細くなっていくリッジや北壁花道手前の鎖場や、頂上直下の最後の登りも難なくやり過ごし、11時半に頂上へ到着。根北から上がってきた登山者さんに集合写真を撮っていただき早々と下降。下りでは天気が抜けるような青空となり、流氷を眺めつつの最高の天上のスノーシュー下降となりました。15時テン場撤収~16時登山口、17:30車止め着という流れ。素晴らしくよくコントロールされた、ナイスな登山だったと思います。

25日は能取岬でトレッキング。残念ながら流氷は接岸していませんでしたが、知床連山や遠音別岳、海別岳、斜里岳、摩周岳などが綺麗に見えておりました。やっぱり能取は素晴らしい場所ですよ。3日間とも最高の天気に恵まれ良き計画となりました。さてH様、次回のトムラウシでも良き自然の体験ができるといいですね!この度はありがとうございました。またよろしくお願い致します。

2024/02/12 阿寒の森トレッキング

こんにちは。登山ガイドの西田です。先日は久しぶりに阿寒でのスノーシュートレッキングを催行させていただきました。今回おこしいただきましたのは、オンネトーもご一緒させていただいたリピーターのT様ご家族3名様。当日の天候は晴れで、気温はマイナス5〜1度位だったでしょうか。阿寒としては温暖な朝で、おだやかな雰囲気の中スタートとなりました。雄阿寒の登山道下部をスノーシュートレッキングしながら太郎湖次郎湖などを歩くのですが、T様は久々のスノーシューと起伏のある地形にご苦労の様子。雪も焼結が進んでいないサラサラ雪で足が取られるため、歩きにくかったですね。そんなこんなで、普段より2時間位長い事遊んでしまいましたが、T様この度もありがとうございました。気が向いたらまた遊びにいらっしゃってくださいね!よろしくお願い致します。

2024/02/02 摩周湖トレッキング・阿寒アイヌコタン・屈斜路湖周遊

皆様こんばんは。2月の初旬に摩周湖トレッキング・阿寒アイヌコタン・屈斜路湖周遊をご案内させていただきました。今回のお客様はJTB経由でご依頼を頂いた海外からおこしのK様。阿寒湖の鄙の座にお泊りで、表題のようなリクエストしていただいたのでした。

アイヌコタンではアイヌシアターイコロ、私の母の刺繍、丸木舟制作の現場などを見学。それから移動車で摩周湖へ移動、なんと今回は運転手さん付きだったのですが…。摩周湖でスノーシュートレッキング。摩周湖のスノーシュートレッキングは催行が意外とというか、当然ながらというか霧の摩周湖といわれるだけに、視界が悪かったり、吹きさらしなだけに風が強いことが多く条件が難しいのです。なんで、私の場合屈斜路湖とセットにしておいて状況によってフレキシブルに変更が可能なように計画することが多いですがね。

この日は、歩いていると摩周湖の湖面が広く見えてカムイシュ島も遠望できるようにまでになりました。途中キタキツネに会ったりしながら硫黄山や砂湯なども周遊し、17時くらいに阿寒湖へ戻ったのでした。K様この度はありがとうございました。また遊びにいらっしゃってくださいね!

2024/01/08 摩周・屈斜路湖&神の子池トレッキング

皆さまこんにちは。ガイドの西田です。先日は表題の通り摩周・屈斜路湖&神の子池トレッキングを周遊プランとして催行させていただきました。このプランは、エリアが広いので一日で行けるギリギリの線を攻めています笑。今シーズンは雪は少ないですが、なんとかスノーシュで歩けるくらいには積雪もあり、静かなウォーキングを楽しめました。某リゾート開発の資金が入るらしいこの地域ですが、やっぱり見どころは多いですね。M様また遊びに来てくださいね!

2024/01/05~06 上ホロカメットク山&三段山BC・登山ガイド

皆様、こんばんは。先日は常連のお客様HA様と上ホロカメットク山と三段山へ雪上トレーニングとバックカントリースキーを目的として行ってまいりました。最近の北海道は本当に雪が少ない!それでもなんとか天候によるリスクや積雪などを考慮し白銀荘ベースでこのような計画を提案させていただきました。強風や雨で雪面状況はなかなかリスキーで行動が制限されましたが、やっぱり三段山のパウダーと白銀荘のあずましさは素晴らしいです。夕食は上富良野の「まるます」にて焼肉を食しました。HA様、またお時間があるときにでも遊びにいらっしゃってくださいね~!