2025/01/11~12(13日予備日)ニペソツ山登山ガイド

皆様こんばんは。登山ガイドの西田です。さて先日の連休はといいますと私はニペソツを常連様のH様ご夫妻とご一緒させていただいておりました。11~12日ともに快晴無風、比較的温かな状況のなか、しかも連休につきトレースもおもいっきりついており、だいぶイージーな東大雪の2013m峰だったのでした。

初日は6:00頃幌加温泉ルート登山口をスタート。まだ薄暗いなか、ヘッドランプを付けてスノーシューで歩き出します。登山口付近はわずかに除雪跡があり、車が2台分ほど置けるような形でした。国道の駐車帯に一台先行者の車あり。実は連休前から下見でわかっていたのですが、北海道の山としては珍しくトレースが付いている状況でした。林道から樹林帯を進みつつ三条池到着が9:00。シャクナゲ尾根の展望ポイント直前に先行者のテント跡有り11:45。前天狗の前のボウルの基部でスノーシューからアイゼンに履き替え14:00。前天狗のテン場15:00着。この日は割に暖かく、大雪山中とは思えないほど穏やかでしたね。また、積雪は少ないものの、ある程度は固まっていて踏み抜きもほとんど無し。かなり順調に歩けましたね。夕飯は羅臼で釣ったサクラマスのアラ汁とルイベ。

翌朝は4:00起き6:00出発。あまり暗いと尾根登行が怖いので、ゆっくり目に出発しました。前天から望む朝日に輝くニペ東壁が美しい~。最低コル7:30、頂上着が9:00。数パーティが我々を追い越しては下っていきました。我々は頂上直下のトラバーススロープを警戒していて、もしアイスバーンなら撤退とも考えていたものの、拍子抜けするほどフカフカの歩きやす~いトレースで、あまりにもイージーにピークまで登れてしまったのでした。これは冬山の厳しさを舐めてしまう程と思えましたね。下降は一応ショートロープを出しつつ、テン場着が11:40。午前のうちにテン場に着けたら、一泊二日で帰ろうと決めていたので、そそくさとテントを撤収して下る。前天からボウルへの下りで一応ショートロープで確保。そんなこんなで登山口に付いたのは暗くなってからの17:30。トレースと積雪状況に助けられましたね。とまぁ、穏やかで素晴らしい微笑みのニペソツでしたが、雪山って本来こんな簡単ではないような、むしろ危惧を覚えます。

H様ご夫妻、次は幌尻岳でお会いいたしましょう~。またよろしくお願いいたします~。

2025年、あけましておめでとうございます!

皆様、こんにちは。新年あけましておめでとうございます!今年も安全に頑張りますので、よろしくお願いいたします。トップの年賀画像の内容は、左の大きいのから順にパキスタン・スパンティークC1、釧路湿原ミゾソバ、阿寒湖の早朝・雄阿寒岳、パキスタンの花、松前江良・カヤックフィッシング、FAY ARCHIVEでのワタクシと嫁さん、幌尻岳下山後の乾杯、カムエク八ノ沢テン場、でした。

今年のガイド計画は大きい計画が多く、予約の足が早かったです。夏までのスケジュールは半分ほど埋まってまいりました。幌尻岳(額平川ルート、新冠ルート、チロロ林道ルート)、大雪山~トムラウシ縦走、利尻山礼文島、ニペソツ、石狩岳、羅臼岳、斜里岳といったいつもの山域がほとんどですね。

そんなこんなですが、本年もよろしくお願いいたします!

2024年シーズンのガイディングを振り返って

皆様、お世話になっております。登山ガイドの西田です。2024年もあと僅か。いやぁ今年も早かったですねぇ。今年はパキスタン遠征などにもいきつつも、特に事故も怪我も無くすごすことができました。

今シーズンは6月のパキスタン遠征から帰国した翌日から仕事をしていたり、夏中ず~っと登山をしていたので、かなり忙しいシーズンでした。山域はあちらこちらと、北海道の山でぱっと思いつくのは大体行ったと思います。印象的だったのは、100名山を終えた方たちが、次はとばかりに200名山に挑戦するといった山行が多くなってきたということでしょうか。例えばペテガリ、カムエク、ニペソツ、石狩岳などですね。来年も様々な山で、お客様とご一緒させていただく予定です。

来年も気を引き締めて、安全に楽しい山をご案内が出来るように精進させていただきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願いいたします。今年もありがとうございました。

阿寒湖凍結状況のお知らせ

お疲れ様です。登山ガイドの西田です。最近ようやっと阿寒湖がだんだんと凍結してまいりました。まだ部分的に湖水表面に氷が張っている程度なので、上に乗って歩けるには氷が薄すぎますが、年末くらいには本格的に結氷するでしょうね。例年だとアイスバブルやフロストフラワーが見られるのは1月上旬頃。毎年全面結氷のタイミングはまちまちですが、今年はむしろ少し早めなようにも感じますね。まだ上に乗ると湖水にハマって危険ですのでご注意ください。

トレッキングやリクエストのガイディングをご希望のお客様はお気軽にお声がけくださいませ。よろしくお願いいたします。

2025年シーズンのご予約状況

お世話になっております。登山ガイドの西田です。表題の件、2025年シーズンのご予約状況ですが、12/01の当方での予約開始より数件ご予約が確定しておりまして、ハイシーズンの日程がボチボチと埋まってまいりました。お声がけくださった皆様、ありがとうございます。今年はまだ本予約の開始前でありながら幌尻岳山荘のご予約状況も例年にもまして盛況のようですね。

さて、当方の予約確定日程ですが下記のようになっております。ご依頼をお考えの方は参考にしてみてくださいませ。

■2025年シーズン登山ガイドご予約状況

07/01~03
07/07~11
07/13~16

08/02~06
08/11~15

09/02
09/12~16

山域は幌尻額平川、チロロ林道ルート、新冠ルート、旭岳トムラウシ山縦走、石狩岳、ニペソツ山、斜里岳などなど。

連休絡みなどは人気日程ですので、ご依頼をお考えのお客様はお早めにお声がけをいただけたらと思います。来シーズンもよろしくお願いいたします!

2024/11/06~07 芦別岳、剣山登山ガイド

皆様こんばんは。登山ガイドの西田です。秋も深まり山中でも雪の便りが届きつつあるこのところの北海道ですが、先日は本州からお越しのリピーターのS様と芦別岳、剣山へ登ってまいりました。
11月あたりの期間で一番気になるポイントといえば、天候とともにやはり山中の積雪状況ですね。昨今では温暖化の影響でしょうが、11月の上旬なれど山の上でも雪が無いことも少なくなくなってきておりますが…雪があるのか無いのか、またはどの程度の気温状況なのか、その日その日によって状況が違い行ってみなければわからない、そんな不安定でブレの大きい難しさのある季節、それがこの季節の特徴と言えるでしょう。

毎日ライブカメラで雪の無い十勝連邦を確認しつつ、おそらくは11/06の芦別岳はあまり積雪は無いであろうと判断、しかし、天気予報では4、5日の天気で明らかに山中では雪が降っているであろう…という難しい状況。お客様は夏山登山靴でしたので、行けるところまでは行ってみましょうと、朝明るくなると同時に新道登山口を6時スタート。天候は曇り。気温はおそらく4~5℃といったところだったでしょうか。Co800付近までは全く雪はなく完全なる夏道。そこから徐々に雪が被ってきて、Co1000あたりで軽アイゼンを装着。お客様は慣れない雪上歩行に苦戦のご様子。半面山を超え頂上直下ではくるぶし程度の積雪でした。残念ながらあまり眺望は望めなかったものの、卒なく頂上まで到着。休憩もそぞろにそそくさと下山を開始。15時くらいには登山口へ降りてきました。

翌7日はほとんどの山域で天候が悪く、しかし十勝側の天候だけは良かったので、剣山へ登ることに。しかし、夜間に雪が降ったらしく、それほど多くはないもののルート上には登山口からず〜っと新雪が被っている状況でした。晴れていながらもやや風が強いといった天候。気温は5~6℃くらい。積雪を気にしながらも、一の森、二の森と登って行き、ここから軽アイゼンを装着。3時間ほどで、なんとか頂上直下まで到達。しかしあと僅かのところで、最後のハシゴに雪が乗っていてなかなかに悪い状態。まず自分が登って見ると、ハシゴの上の岩の上にも雪が乗っていて危険と判断。目の前ではありながらも頂上だけ断念することに。引き返して、14時頃下山。

お客様には、11月の山の難しさ、夏山とは違う冬が近い山の雰囲気を存分にご体験いただけたのではないでしょうか。S様この度はありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

カメラ新調のお知らせ

皆様、こんにちは。登山ガイドの西田です。今日は最近更新した、カメラシステムのお話。今年は、6月のパキスタン遠征の折に、折角なので動画でも撮ってきましょうかと思い、ソニーのFX30という動画カメラを購入しました。これの画質がまぁ素晴らしい。私は写真や映像は好きな方なのでカメラは色々使っており、ソニーではZV-1というコンパクトカメラを使ってきました。これは小型でありながら高解像で、AFなど使い勝手は良かったものの、残念ながらカラーバランスはイマイチ…。ソニーのBionz Xの世代のカメラのスチルの色味はキャノンや富士フィルムと比べるとなんか好きになれない。コンパクトボディに超高性能が積めこまれているだけに惜しい!ただし、α7sIII以降のカメラは大きく進化しており、Bionz XRという新世代の画像処理エンジンの色味はなかなかに情感的で良いのです。まぁそういうこともあって、FX30を試してみたという感じだったのです。で、これの色やレンズとの連携性が素晴らしかったので、ガイドでも使いたいという考えが浮かんでいたのですが、デカいし重いし、なにより経費的に無理がある。さてどうしたものか、やっぱりZV-1か。いやいやiPhoneの新しいのにするか?

ま、超小型の高性能なZV-1の斜め上には、iPhoneというライバルの存在もあるのです。iPhoneは48mpのセンサーとAi解析による画像処理ソフトウェアを搭載し、高級コンデジの写真画質に追いつき、もうそろそろ追い越そうとしてますね。iPhoneには防水も望遠広角マクロも、Airdropもあるので、カメラとしてだけ見ても使い勝手の点ではこれほど優れたものはないと言えます。しかも、iPhone14以降には衛星通信網による緊急通信システムも搭載されているので、登山にとっても非常に有益なツールとなるでしょう。

ですが、これはガイドならではの考え方なのかもしれませんが、やっぱり僕はカメラ好きなんですよね。カメラ・写真はやはり体験ツールなんで、単なる結果や使い勝手よりやってる感があったほうが楽しいとは思います。こう、カメラを構えて、ちゃんと持ってみたいな、広角とか望遠とかレンズも交換したり、なんならストロボもちょいちょい使いたい。そういうロマンなんです。そんなこんなで、なかなか迷ったのですが今後使うカメラは、FX30の素晴らしい使い心地や色味を踏襲しつつも、さらに小型軽量のZV-E10 IIというのにしました。これであればレンズも同じのが使えますので、めっちゃいいですよ。なんで写して欲しい方はお知らせくださいませ。

2024/09/28~30(予備日10/01) カムイエクウチカウシ山登山ガイド

皆様、こんにちは。北海道登山ガイド・西田です。さてさて今シーズンも晩秋となりましたが、この日程ではカムイエクウチカウシ山(通称カムエク)に登ってまいりました。この山は、カムエク沢や南西稜などなど私も個人的に思い入れの深い山です。里から見てもはっきりとした鋭鋒で威風堂々たる素晴らしい山です。さて、端的に申しますとこの催行は、最高の天気であり気温的にも暖かくて微笑みのカムエクとなったのでした。それでは、計画の内容をタイムスケジュールなども併せて記してみたいと思います。

9/28 晴れときどき曇り 10:00帯広空港 ~ 11:00札内ヒュッテ ~ 12:00七の沢出合~ 13:30八の沢出合C1

まずは帯広空港でお客様M様と合流、中札内でコンビニへ行ったりしつつ札内ヒュッテへ移動。とりあえず定番の自転車アプローチにて七の沢出合へ。ここから渡渉や陸の小路を行ったり来たりしつつ八ノ沢出合まで、13:30に到着。水は多くなく、ヤブも乾いているので歩きやすかったですね。まぁ私は札内の河原行動は慣れているので早いのもあります。まだ行動できる時間であるが、上部がガスってきたので早めにテントをたてて焚き火をしつつ、17時くらいに夕食を摂り早めに就寝。我々の後にテン泊登山者が一人到着。

9/29 晴れ 4:00起床 ~ 5:30出発 ~ 7:30Co999三股 ~ 9:00八ノ沢カール ~ 11:30カムイエクウチカウシ山頂上 ~ 14:00Co999三股 ~ 16:00八の沢出合C2

朝4:00に起床。まだあたりは当然暗く、焚き火をして朝食を摂りつつ日の出を待つ。朝の気温は7~8℃であろうか、この時期としては非常に暖かい、それでも沢着のヒヤッとした感覚に一気に目が覚める。5:30出発。八ノ沢の河原を登行し始める。岩のぬめりが若干いやらしい。三股につく頃に、トレランとおぼしきワンデイ登山者が登ってきた。三股上部の岩場には、昨年にはなかった手摺用の支点やロープが新設されており、ルートを示すピンクテープや黄色ペンキも随分増えていた。滑落やルートロストで死亡者が出ているからでしょうね。汗もかきつつ八ノ沢カールから頂上稜線へと登ってゆくも、気温が高くなんとなく晩秋の気配ではない感じ。カムイエクウチカウシ山頂上は昼前に到着。写真を撮って休憩の後下山。夕方前にテン場へ戻る。

9/30 晴れ 6:00起床 ~ 8:00C2出発 ~ 10:00七の沢出合 ~ 11:00札内ヒュッテ

のんびりと朝食を摂りテントを片付け出発。途中熊の足跡などを発見しつつも昼前にはヒュッテ着。…とまぁ、我々は順当に2泊して帰路につきました。当初、この計画は季節柄のこともあり、今シーズン一番の難易度を予想していましたが、蓋を開けてみれば天気も良好&暖かであり、始終おだやかなカムイエクウチカウシ山だったのでした。これはだいぶめぐまれましたねぇ。M様この度はありがとうございました。また気が向いたら遊びにいらっしゃってくださいませ。

それにしてもこのカムエクも以前と比べるとワンデイハイカーが随分増えましたね。流行りの弾丸登山ですか、色々な面で危なっかしい登山者も少なくないような…。ここも幌尻も昔から事故が多く難易度の高い山です。体力や装備、技術はご十分に備えご無理のなきよう、お気をつけくださいませ。

2024/09/24 石狩岳登山ガイド

皆様こにゃにゃちはでございます。登山ガイドの西田です。この日程では日本二百名山である石狩岳へ登ってまいりました。この山は、ウペペサンケ山、ニペソツ山という東大雪御三家のうちの一座で、北海道三大急登であるシュナイダー尾根を従えた1967mもある山なのです。間に丸山という火山もあるので私も誤解していたのですが、実はこの山塊は日高山脈と同じく褶曲山脈なのでした。昨年、石狩源流紀行という番組でうちの兄貴が出演しておりましたがね。

さて、この日は非常に天気もよく抜けるような青空のもと、周りの全ての山々が遠望できいました。シュナイダー尾根の急登具合には面食らいますが、これも良きトレーニングと言えるでしょうね。T様この度はありがとうございました。また遊びに来てくださいませ!よろしくお願いいたします。

2024/09/23 斜里岳登山ガイド

皆様、わんばんこでございます。登山ガイドの西田です。さてこの日程はおそらく今季のシーズン最後の斜里岳の登山ガイドでございましたね。この日で斜里の清岳荘は小屋仕舞い。小屋番さんの門田さんは私の大先輩ですが、この方や斜里岳友の会のお陰で斜里岳の登山道は素晴らしく整備されていますね。ご一緒させていただきましたS様はご健脚な方で卒なく良いペースで登下降出来ましたね。この度はありがとうございました。またよろしくお願いいたします!斜里岳は怪我を伴う事故の多い山なので何かと緊張を強いられる山ですが、今シーズンも事故なく良い登山ができたと思います。来シーズンもよろしくお願いいたします。